税についての作文 書き方のコツとテクニック

目次

税の作文とは

税の作文とは、税金をテーマにして書かれる作文です。主にコンテストなどに出品されます。テーマとしては、「消費税についての考察」「税金と社会インフラの関係」「税金の歴史とその変遷」「税金と公平性の問題」「未来の税制に向けての提言」などが挙げられます。

テーマを明確にする

作文を構成する前に、テーマを設定しましょう。優れた作文は、読んだ相手に「自分が何を伝えたいのか」を余すことなく伝えます。そのためには、まず書き手が「この作文を通じて、何を伝えたいのか」をしっかり設定してから、書き始めなくてはいけません。

勘違いしがちですが、テーマ間に優劣はありません。「消費税についての考察」が「税金の歴史と変遷」より劣っている、優れているとみなされることはないでしょう。どのテーマを選んでも中身をしっかり審査されます。書きやすいテーマを選ぶのはいいですが、「評価が高そうなテーマ」を探すことはやめましょう。

構成を確認する

基本的な構成としては、

「主題の提示」

「具体的なエピソード」

「考えの補強」

「主題の再提示」

の順番で構成するといいでしょう。

「主題の提示」とは、あなたが税の作文を通して伝えたい主張を一言でまとめたものをいいます。例えば、「消費税を下げるべき」と伝えたいのであれば、「私は、消費税を下げるべきであると考えました」とはじめてみるといいかもしれません。「主題」の方向性によって、作文の優劣は決まりません。どのような荒唐無稽な主張であったとしても、あなたには主張をする権利があります。ただし、その主張をするだけの根拠はそれ相応に求められます。仮にあなたが「日本の税金をすべて撤廃すべきだと思う」と作文を始めても、誰も咎めないでしょう。その代わり、それを納得させるだけのしっかりした論理が求められます。

次に具体的なエピソードで、なぜその考えに至ったのかを説明します。この話は、なるべく具体的に書きましょう。情景や心情の動き、なぜその考えに至ったのかが浮かんできやすくなるからです。

その後は「考えの補強」を行います。これは、予想される反論に前もって対処しておくとか、説明しきれなかった部分を補足するなどして行います。

そして、最後に「以上を踏まえてこう考えた」と再主張を行います。

基本的な構成は以上の通りです。場合によっては「具体的なエピソード」が頭に来るなど、多少変則的な構成をしているケースもありますが、これは慣れてきてからで十分です。まずは、上に挙げたような基本的な順番で構成できるように考えてみましょう。

効果的な表現テクニック

文章の書き出しテクニック

文章の書き出しは、問いかけで始めるとやりやすくなります。「私は消費税について○○と思った」のように始めるのが不自然だと感じるならば、「消費税について、○○だと感じたことはないだろうか。私は、××のとき、痛感させられた」のようにすると、より自然に話を展開できます。

シンプルで明確な文章

みなさんは一口に文といっても様々な種類があることをご存じでしょうか? 文中の主語や述語の種類によって、その呼び名が変わってくるのです。

最も基本的なのは「単文」。これは、述語がひとつだけの文のこと。主語を指定しないのは、日本語では往々にして省略されてしまうためです。「私は本が好きです」「彼は教師です」のように、主語と述語の組み合わせがひとつずつの文を単文と呼びます。もっとも基本的で、作るのも読むのも簡単です。

次に「重文」主語と述語の組み合わせが2つ以上あり、対等な関係で並んでいる文です。「私は本を読み、彼はゲームをする」「彼女の趣味はサイクリングで、職業はスポーツインストラクターで、特技は料理です」などが挙げられます。理論上、いくらでも重ねることができますが、3つ以上もつなげてしまうと、読み手に「冗長な文章だ」と思わせる危険があります。ですから、2ペアまででとどめましょう。

最後に「複文」。重文と同じように2つ以上の主語と述語の組み合わせがある文ですが、つなげられている文章同士に力関係があります。例えば、「電車が遅れたので、私は会議に遅刻した」は、「電車が遅れた」「私は(会議に)遅刻した」の2つの文が合わさっていますが、関係は対等ではありません。これは、2つの文の順番を入れ替えるとよくわかります。「電車が遅れたので、私は会議に遅刻した」は通りますが、「私が会議に遅刻したので、電車が遅れた」は意味が通りません。私たちは基本的に複文を多く利用しています。便利な文ですが、使いすぎると、冗長な印象を読み手に与えます。

基本的には単文を中心に文章を構成すべきであると私は考えていますが、ただし、あまり単文ばかりを使っていると、幼稚なニュアンスを読み手に与えてしまいます。用法容量を守って、いずれかに頼りすぎないようにしながら文章を構成しましょう。

作文の見直しと編集

誤字脱字のチェック

誤字脱字には十分注意しましょう。プロでもやりがちなミスですが、誤字脱字が一つあるだけで、推敲不足、見直し不足などの不信感、単純な読みにくさからくる不快感を読み手に与えてしまいます。

また、作文用紙の使い方として誤っている個所がないかも同時に調べましょう。句読点が文頭に来ていないか、段落頭は一文字下げてあるかなど、基本事項だからこそ抜け漏れがないようにしてください。

過不足ない内容確認

内容に過不足がないかを調べましょう。作文に書いていないことは、読み手に伝わりません。「実はこんなことも考えているけれど、書かなくても伝わるよね」は、通用しません。文中の内容から明らかに読み取れるものでなくては、審査対象になりません。

みなさんが書くべきは、文学的に優れた文章ではなく、小論文です。ここでは、優れた名文をしたためる能力ではなく、自分の主義主張が、過不足なく、どんな読み手にも伝わる文章であるか否かが問題とされます。ですから、小説のような名文を生み出そうとしないでください。様々な解釈が可能な名文ではなく、たった一つの意味にしか読み取れない退屈な文を作ってください。それは、文学の面では退屈かもしれませんが、論文の世界では、紛れもない名文です。自分の戦うべきフィールドを見誤らず、自分のためではなく読み手のために文章を構成するようにしてください。

第三者によるレビューの重要性

自分で一通りの見直しが済んだら、第三者によるレビューを受けましょう。これは、自分よりも国語力が高い人にお願いするべきです。その方が、広い視野からアドバイスをしてくれます。このレビューで、相手からどんな反応が返ってきても、受け入れてください。なぜならば、そこで返ってきた感想こそが、おそらく作文審査員の抱く感想であると予想できるからです。この状態で出したら、そのレビューが返ってくる。もしも、自分の気に入らないレビューがなされたのであれば、改善点を聞いて、ブラッシュアップしていきましょう。

「審査員は違う感想を抱くかもしれない」と考えないでください。レビューしてくれる相手は、それなりの国語力をもっているでしょうが、審査員も同じかそれ以上のレベルにいると考えるべきでしょう。そして、「それなりの国語力」しかもっていないレビュー相手ですら気付いたことを、審査員が見逃すはずがありません。せっかく書き上げた作品について、様々に言われるのは気に入らないかもしれませんが、もうひと踏ん張り頑張ってみましょう。

全体の流れの再確認

ここまですべての見直しを済ませたら、最後に全体の流れをもう一度確認しましょう。主張とそれに至った理由、その補強の流れは滞りなく進んでいるか。これが済んだら、ようやく仕事がひと段落します。最後まで手を抜かずに、作文を完成させましょう!


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この記事を書いた人

東京大学文学部。世帯年収300万円台の家庭から東大へ合格。現在学業の傍ら、ライター、作家活動や講演活動を通して逆転合格のノウハウを広める。日刊SPA!、プレジデントオンライン、東洋経済オンラインにて連載経験あり。ゲームとマンガが趣味。

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