春から親元を離れて、一人暮らしを始める方も多いと思います。「仕送りなしで一人暮らしはできる?」「いくらかかるのか想像もつかなくて不安」「実際現役大学生はどうやってやりくりしているの?」不安や疑問を抱えている高校生や保護者の方に向けて、大学生の一人暮らしやお金のあれこれについて、現在東京で一人暮らしをして2年になる現役早大生が、紹介します!
仕送りなしの一人暮らしは可能?
仕送りとは、生活や勉学を助けるために送られる、お金や品物のことです。本記事ではお金とします。
さて、下宿生が、仕送りなしで暮らすことは可能でしょうか?結論から言うと、相当難しいです。学業と両立しながら生活できるだけのお金を稼ぐのは、とても大変です。
一方で、仕送りなしで生活している大学生も存在します。2025年に発表された第60回学生生活実態調査によると、下宿生のうち、仕送りなしで生活をした大学生は、全体の6.9%(2024年度)。ほとんどの人が、仕送りをもらって生活していることが分かります。
仕送り額の平均は?
2024年度の仕送り額の平均は、1カ月72,350円。これに対して生活費の支出は、1カ月131,710円。仕送り以外の収入はアルバイトや奨学金で得ています。ちなみに生活費13万円の内訳は、住居費が最も多く56,090円。次に食費や日常費などが多いです。
つまり仕送りなしの場合、単純に考えると、1カ月約13万円を自力で獲得する必要があるということです。仮に全てをアルバイトで賄うと考えると、相当大変な学生生活になることが分かります。1日5時間、時給1000円のアルバイトとした場合、1カ月に26日は勤務しなければいけません。土日は8時間フルで勤務した場合でも、1カ月のうち20日以上はアルバイトの生活になります。もちろん個人次第で、支出自体を減らすこともできます。しかし、勉強が本業の学生にとって、この生活は厳しいように思えますよね。
では、仕送り0円で生活をしている6.9%の大学生は、一体どのように暮らしているのでしょうか。
仕送り0円の鍵は奨学金
第60回学生生活実態調査の「仕送りが0円の下宿生の経済状況」には、こう書かれています。
仕送り「0円」下宿生の奨学金は全下宿生平均の3倍超
- 収入では、アルバイトと奨学金が全下宿生平均より多い。特に奨学金は全下宿生平均の3倍を超える。
- 支出では、住居費が全下宿生平均より約7,000円少なく、食費、教養娯楽費も少ない。
下宿生の奨学金の平均が1カ月19,140円に対し、仕送りなしの下宿生は、1カ月66,540円。この奨学金があれば、仕送りなしの生活も、現実味を帯びてきますよね。ちなみに全項目は以下のようになっています。
奨学金
奨学金には、大きく分けて「貸与型」と「給付型」の2種類があります。貸与型は返済義務があるのに対し、給付型はもらうことができます。
貸与型奨学金は、借りてから返還までにある程度時間の猶予があります。例えば日本学生支援機構(JASSO)の貸与型奨学金は、貸与が終了した翌月から数えて7カ月目から毎月返還が始まります。
JASSOのような法人機関の他に、各大学にも、奨学金制度があります。給付型の奨学金がある大学も多いです。複数の種類が用意されている場合もあるので、自分が通う大学のホームページなどを見てみてください。
奨学金というと、成績が良い人だけが受けるイメージを持つ方も、家計が貧窮している人だけが受けるイメージを持つ方もいると思います。実際奨学金の選考項目は、成績に関する基準、学業成績に関する基準などとされています。ただ、どちらの条件も満たしていないといけないわけではありません。たとえば、学業成績が良ければ、それだけで受けられる奨学金もあります。奨学金受給者は大学生全体の3割弱いるので、ぜひ自分に合った奨学金を探してみてください。
アルバイト
下宿生全体のアルバイト収入の平均は1カ月37,540円。これに対し、仕送りなしの下宿生は47,960円。先ほどの時給1000円・1日5時間の例に当てはめると、だいたい週3日ほどのペースでアルバイトをすることになります。筆者の周りでも、だいたいこの頻度でアルバイトをしている人が多い印象です。無理なくアルバイトを続けられますし、たくさん稼ぎたい月はもっと働くことも可能なので、まずは週2日か3日から始めてみるのがおすすめです。
節約
下宿生は常に限られたお金で生活をしなければいけない意識があるので、節約を意識している人が多いです。
一人暮らしの現役大学生から節約法を募集してみたので、参考にしてみてください。
【住居費】
・敷金・礼金やフリーレントの条件で初期費用を抑える
・安い電気・ガス・水道を選ぶ(電気・ガスセット割などもあり)
・エアコン・照明をつけずに電気代節約
・給湯器の温度を低めにしてガス代節約
・風呂水を洗濯に再利用して水道代節約
【食費】
・自炊で食費を節約
・安いスーパーマーケットを見つける
・家計簿をつける
・ペットボトル飲料を買わずマイボトルを持ち歩く
【その他】
・家電をセットで一気に揃える
・服の数は少なく、着回しできるもの
・特にこだわりがない日用品は、安いもの
・お金をかける項目の優先順位を決めておく
特に、住居費は大きく削ることができるポイントです。部屋を探す時は、何を優先して何を妥協するのか、自分と相談してください。細かい節約術はまだまだあります。1つ1つは些細なことでも、積み重ねると大きな節約も可能です。自立の第一歩として、とても勉強になるので、ぜひ工夫しながらお金のやりくりに挑戦してください。
まとめ
一人暮らしのお金について、大きなイメージはできましたか?筆者は一人暮らしを始めてしばらくは、お金がどのくらい必要か全く分からず、手探りの生活でした。今は順調に生活して、一人暮らしを存分に楽しんでいます。不安かもしれませんが、将来のための良い勉強になるので、楽しく生活できるように頑張ってください。
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