東大生が教える!やりっぱなしにしない「模試の復習術&活用法」

東大生が教える!気負わずできる「模試の復習術」〜ステップと教科別のやり方〜

いよいよ夏休みが始まりました。夏休みといえば、受験生にとっては天王山と言われる大事な時期ですね。夏期講習や普段の学習に加えて、模試の受験も増えてくるでしょう。模試の数が増えるほど、復習まで手が回らないという人も多いかもしれません。今回の記事では、そんな悩める受験生にぴったりの模試の復習法をご紹介いたします。

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目次

模試ってなぜ重要なの?

そもそもなぜ模試を受験しなければならないのでしょうか。特に夏休み以降、何度も何度も受験しなければならず、疲弊してしまってうことも少なくないかと思います。

模試は本番の予行練習

なぜ模試の受験が重要なのか。それは、「実力(学力)がある」のと「実力が発揮できる」のとでは明確な違いがあるからです。勉強を続けているとしだいに学力が身についていきますが、普段の学習机で問題集に取り組むのと、実際の受験会場で試験を受けるのとでは、雰囲気・緊張感・問題形式・時間のプレッシャーなど、さまざまな要素が異なるでしょう。いくら学力が備わっていても、本番でその実力をいつもどおり出し切ることできるとは限らないのです。自分が積み上げたものを最大限発揮できるようにするためには、やはり練習が欠かせません。模試は、その予行練習の場なのです。

模試の結果との向き合い方

はじめて模試を受験し、結果を受け取ったときのことを覚えてますか。おそらく、多くの人が、点数や順位をみて衝撃を受けたかと思います。模試は、学校の定期試験とはちがい、全国の生徒が受験し、難易度も高く設定されているため、なかなか思うように点数や順位をとることができないのです。

しかし、気落ちする必要は全くありません。模試の結果は、自分の立ち位置や弱点を確認するための指標のようなものです。全体の点数や偏差値にさらっと目を通したら、各科目の単元ごとの得点率や偏差値をじっくり見ましょう。今後の成長の鍵は、そこにかくれているのです。

また、受験生は、志望校の判定も気になるところでしょう。しかし、A判定なんてなかなか取れるものではありません。むしろ、合格圏のボーダーと自分の立ち位置の距離を把握し、それを「伸びしろ」と捉えて、その先の受験勉強に生かすことが大切なのです。また、先述のとおり、予行練習の場ですので、練習を繰り返すうちにだんだん慣れていくという側面もあります。

模試は復習が肝

学力アップの鍵は、まさに模試の復習に秘められています。まずは、単元ごとの得点や偏差値を確認してみましょう。すると、自分の弱点と強みがしだいに浮き上がっていきます。また、科目ごとの結果を照らし合わせると、得意な科目と苦手な科目が明確にわかるのではないでしょうか。このように、模試は自分の強みと弱点を把握する絶好の機会なのです。

弱点は、つまり伸びしろです。この部分を伸ばすことができれば、ぐんと点数アップを狙うことができます。模試の復習は、この「伸びしろ」の部分をあぶり出し、徹底的に鍛える絶好の機会なのです。

予備校や学校によっては、「模試の復習はその日のうちにやろう!」というところもあります。しかし、私は、そんなに気負う必要はないと思います。模試の受験日は、しっかり休んでリラックスし、疲れをとってから復習にとりかかれば十分です。無理はせずに、自分のぺ―スで復習すればいいのです。模試の問題は逃げていきませんから。

効果的な模試の復習方法

しかし、復習しようと思っても、実際にどのようにすればいいのかわからないという人も少なくないでしょう。また、模試の受験だけでも疲れているのに、復習なんてやる気が出ないという人も多いかもしれません。ここでは、そんな人のために段階的に取り組める模試の復習法を紹介します。全て一日で行ってもいいですが、何日かに分けて行ってもいいでしょう。

手軽に作れる模試の復習ノート

模試の復習ノートは、いわば自分だけの参考書です。しかし、「参考書」や「ノートづくり」ときくと、市販の本物の参考書のような整理された綺麗なものを作らなければならないと思ってしまう人もいるでしょう。

しかし、そんなことは全くありません。「自分だけ」の参考書を作るのですから、「自分だけ」わかればいいのです。色ペンで綺麗にまとめられていたり、板書のように整理されている必要はありません。自分があとから読み返したときに、自分の弱点や間違えやすいポイントがわかるように書かれていれば十分です。

ここでは、3ステップに分けて模試の復習ノートの作り方を紹介しますが、試行錯誤をしながら自分に合った方法を見つけてみてください。

ステップ①~解きなおし~

ステップ①にとりかかるには、模試の結果を待つ必要はありません。受験したときに、「全く解けなかった」「全然手ごたえがなかった」という問題はありませんでしたか。まずは、そのような問題から手をつけてみましょう。制限時間をかけずに、答えを見ないで解きなおしてみます。問題によっては、時間が足りなかったり焦ってしまったりしたことで、思うように解けなかったものもあるでしょう。また、場合によっては、ただ単に実力不足で解けなかったものもあるかもしれません。家でリラックスした状態で解きなおすことで、そのような原因を発見することができます。

いざ解き直そうとしても、あまりに難しくて全く進捗が生めない場合もあります。そのときには、30分ほどじっくり考えたら、次のステップにうつりましょう。

ステップ②~答え合わせ~

次は、答え合わせです。このとき、ただノートに丸バツをつけて、間違った問題の答えをノートに丸写しするのではいけません。ポイントは、解説にしっかり目を通すことです。できなかった問題は、なぜ間違ったのだろう、何が足りなかったから解けなかったのだろう、と考えながら解説を読んでいきます。蛍光ペンなどで線を引きながら読むのもいいでしょう。

答え合わせの一番のポイントは、間違えた原因をみつけることなのです。それによって、自分に足りなかったところを把握することができるのです。

ステップ③~ポイントを書き込む~

自分の解答と答え・解説を照らし合わせながら読んだら、次は実際にノートに書き込んでいきましょう。このとき、答えだけでなく、ステップ②で見つけた「解法のポイント」と一緒に「復習すべき単元・分野」も書いていきます。

例えば、英語の空欄補充で間違えた問題があるとします。解説を読んで、自分は条件を表す分詞構文が理解できていなかったと発見しました。このとき、解答に直接関係のある分詞構文だけでなく、ついでに他の分詞構文も理解できているかどうか確認しましょう。もし、その特定の構文だけ覚えられていなかった場合は、それだけ書き込めば大丈夫です。ですが、ほかの似たような分詞構文も理解があやふやだと感じたら、そのことをノートにメモしておきます。そうすることで、他の弱点も一緒に補強することができ、一石二鳥になります。

書き込み方はさまざまですが、自分が解き直したところの横に吹き出しを入れて書いたり、別の色のペンで書いたりするのもいいでしょう。あとから見返したときに、自分が補強すべきところが一目でわかるように工夫することが重要です。

模試復習ノートのサンプル
東大生の模試復習ノートの見本
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科目別復習法

ここでは、科目ごとに一歩進んだ模試の復習法を紹介します。模試をフル活用して、さらに実力アップをはかりたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

国語

現代文は、本文を読み返したら、問題文と照らし合わせながら解説をじっくり読みましょう。直感で解く科目だと勘違いされることが多い現代文ですが、解答までたどり着くには論理的な考え方が必要です。本文にある解答のヒントをどのように見つけ、解答まで導くのか考えながら読んでいきます。

古文の復習で効果的なのが、本文をすべて現代文訳することです。古文単語帳や文法書を活用しながら一文一文訳していくことで、文章の意味を把握しつつ同時に文法や単語の復習をすることができ、一石二鳥となります。かなり時間がかかるため、余力のあるときで構いませんが、ぜひ挑戦してみてください。

漢文は、本文に出てくる句形や重要漢字を一つひとつ文法書で確認することが効果的です。このとき、自分がわからないものだけでなく、すでに知っているものも調べて細かいところまで目を通してみましょう。そのことで、反復して復習することができるだけでなく、普段見落としてしまうところも確認できるのです。

数学

数学は、繰り返し解き直すことが一番効果的です。受験から数日後に一度解き直したならば、1週間後にまた解けなかった問題を解き直してみましょう。このとき、時間をはかって解くといいでしょう。そこで解けていたならば、定着している証拠です。また、参考書や問題集などで、解けなかった問題の類題を解くこともとても効果的です。そうすることで、確実に苦手な単元や分野をクリアしていくことができます。

英語

文法問題は、間違った問題だけでなく、その単元全体を参考書などで復習してみましょう。解けなかった問題は一問だけであっても、実はその単元全体の理解があやふやだったということはよくあります。間違えた問題をきっかけに、文法の穴を埋めていきましょう。

長文読解では、文章全体を日本語訳してみたり、スラッシュリーディングしてみたりして、丁寧に読み直していきます。音読するのもいいでしょう。長文読解は、文章の内容を正確に読み取ることができれば、必ず解けるようになります。本番に近い文章を繰り返し読むことで、長文に慣れていくことが一番です。

社会

地理は、解説が知識の宝庫です。解説を読みながら、自分の知らなかった新しい情報は、どんどん地図帳やノートに書き込んでいきます。また、既知の情報は、もう一度資料集などで確認してみましょう。そのとき、余裕があれば、資料集の該当箇所だけでなくページ全体に目を通してみるといいでしょう。そのことで、関連した内容を一緒に復習することができるのです。

世界史・日本史は、得点率が低かった単元を中心に、教科書をもう一度じっくり読んでみてください。歴史科目は、ストーリーの流れを把握することが大切です。単語だけでなく、その背景も含めて復習しましょう。また、受験時期によっては、まだ習っていない範囲が出題されることもあるかもしれません。余裕があれば予習してもいいですが、あまり気をとられる必要はありません。

理科

理科は、間違えた原因に応じて補強することが有効です。知識不足が原因であれば、教科書や参考書を用いてその分野を復習します。また、計算ミスが原因であれば、数式や計算を再度確認するのがいいでしょう。出題された実験を正確に把握出来ていなかった場合は、解説を丁寧に読んでから、類題に取り組むと効果的です。

次の模試に向けて

模試の復習が一通り終わったら、前を向いて次の模試に向けた準備にとりかかります。ここでは、次の目標で成績アップを狙うためのポイントを2つ紹介します。

目標を設定しよう

模試の目標を設定するときに、ついつい全体の偏差値や順位を用いて目標を設定したくなるかもしれません。しかし、偏差値も順位も、相対的な指標にすぎません。重要なのは、自分の実力がアップしていること。そのためには、全体の結果に関するぼんやりとした目標ではなく、各科目の各単元ごとに目標を設定しましょう。今回の試験で上手く得点できなかった単元で、どれくらい得点アップをしたいのか考えます。

また、必ずしもすべての単元や科目の目標を設定する必要はありません。自分の苦手分野など、特定の部分に集中して目標を立てるのもいいでしょう。

模試の準備に復習ノートを活用しよう

次の模試が近づいてきたら、復習ノートの出番です。前回うまくいかなかった部分を確認し、そこを集中的に復習しましょう。このタイミングで、上記で紹介した科目別復習法に取り組んでみるのもいいかもしれません。復習ノートを勉強の道しるべとして活用することで、効率よく弱点補強をすることができ、成績アップをはかることができるのです。

まとめ

今回の記事では、模試の復習方法について詳しく解説していきましたが、これはあくまで一例です。自分の勉強法に合わせて試行錯誤しながら、柔軟にアレンジしてみてください。根詰めすぎずに、自分に合った方法で継続していくことが大切です。

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この記事を書いた人

東京大学では、法学を専攻。人権問題や環境問題に関心があり、学部卒業後は公共政策大学院に進学(予定)。高校時代から遅くとも22時半には就寝する、極度の朝型。趣味は、ランニング・映画鑑賞・サッカー観戦など。

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