受験生こそ運動を!東大生実践の方法を紹介

皆さん、運動してますか?

よく現代人は運動不足だと言われます。勉学に勤しむ受験生は特に、気を抜くとついつい運動とは無縁の生活を過ごしてしまうかと思います。
しかし、それだと身体にとって、しいては受験にとっても良くない影響が生じてしまうのです。

今回の記事では、ついつい運動不足になってしまう受験生の皆さんに、運動の重要性や、東大生が実際に受験生の時にやっていた運動の一例をご紹介いたします。
実は集中力や記憶力をアップさせることにも繋がる運動の大事さを、この記事を通して分かっていただけますと幸いです!

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大学受験生!運動は重要だぞ!

そもそも、「運動」とはどのようなものなのでしょうか。東京都保健医療局によると、運動は「身体活動のうち、体力の維持や向上を目的として、計画を立てて、継続的に行う活動」と定義されています。この定義に基づいて考えると、運動は体力作りにつながります。

運動には、簡単にできるものから入念な準備や設備が必要なものまで、非常に様々なものがあります。どうしても運動と聞くと、野球やサッカーなど、複数人で道具を使って行うスポーツが思い浮かんでしまう人もいるかもしれませんが、1人で自分の体だけで行えるものも多く存在します。駅まで歩いたり、自転車に乗って移動したりするのも立派な運動なのです。

運動は、体にいろいろな影響を与えます。そして、基本的にプラスなものが多いです。だからこそ、運動はとても重要と言われているのですが、具体的に「運動が何に役立っているのか?」はあまり多くの人に知られていません。そこで今回は、運動が皆さんの体に与えている好影響について、一つ一つ紹介していきます。

運動が脳の活性化に与える影響

まずは、「脳」に与える影響についてです。脳を駆使して長い時間勉強に取り組んでいる受験生には耳寄りの情報ですね。

そもそも、脳が活性化する、とはどういうことなのか。もちろん様々な要素がありますが、一つ大事なポイントは、脳に届く酸素の量です

脳は人間の身体の中で最も酸素を必要とする部位で、全体の約20%を消費します。脳細胞は常に酸素を受け取る必要があり、酸素の供給が止まると5分程度で脳細胞が壊死すると言われています。いわゆる「酸欠」という状態で、脳が酸欠になることは非常事態です。

この酸素は、血液の循環と一緒になって身体の部位を移動しています。つまり脳への血流が重要になるのですが、ここに運動が関わってくるのです。実は、座っているときよりもウォーキング、ジョギングをなどの運動をしているときの方が、脳は約20%多く血液を受け取ることができるという研究結果があるのです。運動をすることで、脳は活性化されるのです。これは、運動後1〜2時間の短期的な効果になります。

皆さんは、「脳由来神経栄養因子」という物質の名前を聞いたことはありますか?
非常に難しい名前ですが、実はこの物質は皆さんに馴染み深い「タンパク質」の一種なのです。この物質は、神経細胞の発生や成長、そして再生を助けます。人間の脳にある「海馬」に多く含まれている物質で、脳の栄養と言われています。この脳由来神経栄養因子の英名はBrain-derived Neurotrophic Factor であるため、その頭文字をとってBDNFと呼ばれています。

このBDNFは、運動をすることでよりたくさん作られるようになります。これは、定期的に数ヶ月以上の間運動を行った際の効果と言われています。このように、運動は短期的にも長期的にも、脳に良い影響を与えるのです。

運動によるストレス解消効果

運動は、ストレス解消にも大きな効果があります。運動は、抑うつ状態を解消する効果があると言われているのです。

日本でもベストセラーとなっている「運動脳(サンマーク出版)」の著者であるスウェーデンの精神科医、アンデシュ・ハンセン氏は、自身が勤務する病院での経験をもとに以下のように語っています。

「うつ病や不安神経症の患者さんを診ていると、運動をしている人は、半年や1年経っても診療に戻ってこないことがわかった。これをきっかけに、運動はうつ病を予防するのではないか?と考えるようになった。」

実際に、運動は最強の「うつ病予防薬」だと言われています。厚生労働省が発表した「健康づくりのための身体活動基準2013」では、身体活動が将来的な疾病の予防につながることはもちろん、気分転換やストレス解消にも効果があるとされています。アメリカのハーバード大学の研究結果でも、身体活動の多い人や運動を頻繁にする人は、うつ病の罹患率が20%以上も低くなることが報告されています。

では、なぜ運動はメンタルヘルスの好調につながるのでしょうか?

この理由には、ホルモンという化学物質が関わっているのです。

運動をすることで、セロトニンやエンドルフィンという名前のホルモンが分泌されます。これらの物質が、ストレスを解消させているのです。

セロトニンは、精神の安定や安心感を与えたり、頭の回転を良くしたりするなど、脳を活発にする作用があるホルモンです。自らの体内で生成され、ストレスに対して強い効能を示します。また、エンドルフィンは痛みを和らげたり、リラックス効果をもたらしたりしてくれるホルモンです。

常にセロトニンやエンドルフィンといったホルモンが一定量分泌されていることで、ストレスや疲労解消に効果を発揮するのです。

運動が学習効果の向上に与える影響

さて、ここまで運動が脳や体、心に与える良い影響についてお伝えしました。実はこの運動、学習効果の向上にもつながる優れものなのです

前述した通り、運動には脳の働きを活性化させる効果があります。そしてそれは、集中力や記憶力を高め、学習効果を向上させるのです。

2001年に米カリフォルニア州教育局が学生28万人を対象に行った大規模な調査おいて、体力調査の成績と学業の成績には正の相関があることが示されました。継続的な運動によって、脳の認知能力が強化されていくのです。

日本でもベストセラーとなっている『脳を鍛えるには運動しかない!(NHK出版)』の著者、ハーバード大学医学部のジョン・J・レイティ博士は、『「ニューロン」と呼ばれる脳の神経細胞を増やすのに最も効果的なのは運動である』と主張しています。脳の働きを活性化し、学習効果を上げるカギは運動にあるということなのですね。

定期的な運動が持続的な集中力の向上に繋がる

様々な効果が検証されている「運動」。その効果は分かっても、なかなか激しい運動をする気になれない、という人や、運動自体に苦手意識がある、という人も多いと思います。そんな方々は、「少しずつ定期的に運動すること」を意識してみましょう。

東京都保健医療局によると、18〜64歳の健康づくりのための運動量の目安は、「息がはずみ、汗をかく程度の運動を週合計60分、毎週続けること」とされています。週で60分ということは、毎日行うのであれば10分程度、曜日を決めて行う場合は週2回30分程度、週3回20分程度が目安になります。もちろんこれは「健康づくりのための」運動量なので、さらに脳を活性化させたい場合はもう少し頻度や量を増やす必要性もありますが、このように考えるとそこまで難しい条件ではないと感じられます。

そもそも、「運動」と「スポーツ」は全くもって違うものです。運動と言うとどうしても複数人で行う球技や試合のイメージがありますが、ストレス解消や学習効果向上につながるのはむしろ1人で行う運動の方だ、とも言われています。自分の生活の合間に、自分ができるタイミングで筋トレをしたり、ジョギングやランニングをしたりすることで、脳、体、そして心の健康に、そして記憶力や集中力の向上につながるのです。

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受験生向けの効果的な運動方法

ここまで読んでくださった皆さんは、少なからず運動の良さを感じていただけたことでしょう。
しかし、受験勉強に追われて運動できない、という受験生も多いと思います。ここからは、時間が限られている中で効果的に行うことができる運動方法、そして実際に僕をはじめとした東大生が行っていた具体例も合わせて紹介していきます。

有酸素運動の重要性と実践方法

まず大事になるのは「有酸素運動」です。聞いたことがある人も多いでしょう。
有酸素運動とは、ジョギングやウォーキング、サイクリング、水泳など「長時間継続して行う運動」のことです。「有酸素」と名付けられている理由は、この運動に必要なアデノシン三リン酸(ATP)というエネルギーが酸素と合わせて作り出されるからです。

この有酸素運動は最低でも15〜20分の継続的な運動が重要とされているので、なかなか時間のない人には実践が難しい運動のように見えます。しかし方法次第でうまく日々の生活に組み込むことができるのです。

東京大学工学部2年生のAさんは、毎日の通学がこの有酸素運動にあたっていたと言います。

Aさんは、学校の登下校の際に15分間歩き、20分間自転車を漕いでいたようです。毎日往復すると考えれば、これも立派な運動となります。また、登下校ということは時間も毎日ほぼ同じなので、運動のリズムが整えられます。

皆さんの生活の中でも必ずあるであろう「移動」の時間を、せっかくなら運動に繋げてみてはいかがでしょうか?

ストレッチや筋トレの効果的なやり方

次に紹介するのは「ストレッチ」です。
ストレッチには身体をほぐして血行を回復させる作用があります。人間は同じ姿勢でずっと物事を続けていると筋肉が固まり、血液の流れも悪くなります。それが、酸欠状態や集中力の欠如につながります。それを解消するために、ストレッチは非常に重要なのです。

実はこの記事を書いている僕は、小学生の頃から今まで毎日欠かさずストレッチをしています。昔から風呂上がりには必ず行っていたのですが、受験生のときに体のスイッチを入れるために朝起きてすぐにもストレッチをするようになりました。

脳が血液を受け取ると、そこから1〜2時間の間記憶力や集中力が高まります。朝起きてすぐは一番体や脳が活性化されていない状態なので、そこで身体をほぐすことで爆発的な効果があります。体の硬い朝にストレッチを行うことで、柔軟性も手に入れ、集中力も高まるので一石二鳥です!

運動を習慣化するコツとアドバイス

ストレッチの話をすると、周りの人からこのように質問されることがあります。

「毎日同じことを続けるのって大変じゃない?」

これに対して僕は、「習慣化」が非常に重要だと考えます。

例えば「歯磨き」を例に挙げて考えてみましょう。歯磨きは、頻度やタイミングは人によるとしても、おそらくこの記事を読んでいるほぼ全ての人が毎日行っていると思います。それも、毎日やらなければという使命感などではなく、無意識のうちに、当たり前のようにやっているものでしょう。他にもシャワーを浴びる、顔を洗う、髭を剃るなど、皆さんには毎日当たり前に行っているルーティンがたくさんあるはずです。その一つに、ストレッチを組み込むことができれば良いのです。

僕は小学生の頃から本当に毎日欠かさずストレッチを行ってきたので、逆にやらないと身体が違和感を感じるようになりました。修学旅行や友達との外泊の際にも、普段と違う場所にいても必ず毎日やっていました。「人といるときに自分のルーティンを行うのは恥ずかしいのでは?」と考える人ももしかしたらいるかもしれませんが、どんな状況であれ(人に迷惑をかけない範囲で)自分のルーティンを遂行することは非常に大事な力になります。受験においても、普段とは全く違う会場で、緊張に負けずに普段通りの力がいかに出せるかが重要になります。大袈裟かもしれませんが、自分のルーティンを確立することは受験にも役立つのです。

東大生が実際にやっていた運動

せっかくなので、僕が小学5年生から今まで、そしておそらくこれからも毎日行い続けるであろうストレッチの概要を紹介させていただきます。簡単な動作ばかりで、時間も5分程度で終わるものなので、ぜひ皆さんも実践してみてください。

①あぐらの状態から体を前に倒して左右の股関節を伸ばす(左足が上の状態、右足が上の状態の両方を、片方15秒間ずつ息を吐きながら行う)

②足の裏を合わせて足をたたみ、その状態で体を前に倒す(股関節全体を伸ばす運動 10秒間息を吐きながら行う)

③膝を曲げずに広げられる限界の角度まで開脚し、左右に体を倒す(片方15秒間ずつ息を吐きながら行う)

④③で行った開脚の状態のまま、前に体を倒す(10秒間息を吐きながら行う)

⑤片足ずつ足を曲げた状態で仰向けになり、曲げている方の足の太ももを伸ばす(息を整えて、片方20秒間ずつ行う)

⑥体を起こし、立った状態で左右のアキレス腱を伸ばす(片方15秒間ずつ行う)

短い時間でも、継続的に運動することは体にとても良い影響を及ぼします。一度試してみていただけると幸いです。

運動を意識的にしよう!受験まで後少し、走りきろう!

いよいよ7月も後半。受験生の中には、プレッシャーを感じて「1日で少しでも長い時間勉強しなければ」と焦っている人もいることでしょう。しかし、それに囚われすぎて運動を全くしなくなってしまうと、脳や体が活性化しなくなり、最終的に集中力や勉強効率の低下につながります。

受験までの大事な時期だからこそ、意識的に運動することを心がけてみてください!

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この記事を書いた人

理系で東京大学に入学したが、教育をより深く学びたいと思い現在は教育学部に所属。高校まではずっと野球部に所属し、大学でも野球を続けている。趣味はピアノと旅行で、旅先のストリートピアノで流行の曲を弾くことが一番の楽しみ。

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