夏休みイベントとは
夏休みには様々なイベントが開催されます。もちろん、夏祭りや花火大会のようなものも含まれますが、それだけではないんです。夏休みは、ほとんどの学生が休みの期間であることから、いろいろな大学や、企業、NPOなどが、小中学生向けのイベントを開くケースが大変多いのです。その内容は開催団体によって分かれますが、どれも日常生活の延長上にはないような、非日常体験ができるものばかり。
例えば、「夏の理科実験教室」として、学校や施設の理科室を貸切って、家庭ではできないような実験をしたり、「大学体験プログラム」として、大学の授業や実験を先取り体験してみたり。これらを通して知的好奇心が磨かれた、なんて人もたくさんいます。遊びに部活に忙しい夏休みですが、夏休み固有のイベントに参加してみるのもひとつの手かもしれません。
夏休みイベントのおすすめ
ここからは、2024年の夏休みに開かれる夏休みイベントについて、いくつかご紹介していきます。ただし、夏休みに開催されるイベントは、数百件から数千件と、ここではすべて紹介しきれないほどにあるので、今回は、旧帝大が開催するイベントに絞ってご紹介します。
旧帝大以外の大学や一般企業も夏休みイベントを開催していますが、あえて旧帝大を選択した理由は、関東や東北、関西など各地方に置かれていて、しかも、その歴史性と権威性が十分にあると感じられたからです。自分の住んでいる地域の大学が楽しそうなイベントを開催しているようであれば、ぜひ顔を出してみてください!
夏休みイベント一覧
2024サイエンスパーク(主催:北海道大学)
開催日時:2024年8月9日(金) 9:30~16:30(プログラムによる)
開催場所:北海道大学 高等教育推進機構(札幌市北区北17条西8丁目)
対象:小学生(要予約・申し込み多数の場合は抽選)
費用:参加費無料
持ち物:プログラムにより異なる
内容:子どものための科学の祭典「2024サイエンスパーク」!今年も北海道大学で開催します。普段は北大生が講義を受けている建物で、楽しみながら科学の世界を体験できるよ。自由研究のヒントもあるから参加してね!
ドローンでミニチュア地形をつくろう!―みて、さわって、想像する地形景観―
開催日時:2024年8月11日(日) 10:00~16:00
開催場所:北海道大学大学院地球環境科学研究院D101(〒060-0810 札幌市北区北10条西5丁目)
対象:小学5・6年生、中学1・2年生(要予約)
費用:参加費無料
持ち物:筆記用具、飲み物、動きやすく多少汚れてもいい服装
内容:本プログラムでは、活用の広まるレーザ測量や無人航空機による高精細地形情報の基礎を学び、現場から得られた3Dデータを使って、自然景観のミニチュア模型を作ります。色を塗ったり、3Dプリントと比較したりして、視覚や触覚で景観の3次元構造を感じましょう。また、異なる時期の模型を見比べて、地形の変化を理解し、日々変化している自然景観を体感しましょう。
東北大学サイエンスキャンパス体験型科学教室
「スマートフォン分解教室」
開催日時:2024年7月29日(土) 13:30~15:30
開催場所:東北大学工学研究科・工学部サイエンスキャンパスホール
対象:小学5~中学1年生(上限15名・要予約・応募者多数の場合は抽選)
費用:参加費無料
持ち物:筆記用具、飲み物
内容:日常では体験できない「スマートフォンの分解」に挑戦し、40工程の手分解を通じて、スマートフォンの構造について学びます。併せてSDGsにも効果的されるマテリアルリサイクルを通じた循環型社会の形成や地球環境の保全についても考えてみましょう。
(協力:KDDI株式会社)
第4回 地域共修イベント 浅虫海洋生物学教育研究センターへ行こう!
開催日時:2024年8月3日(土) 10:00~
開催場所: 東北大学大学院生命科学研究科附属 浅虫海洋生物学教育研究センター
対象: 誰でも可(要予約・小学校3年生以下の方の参加には保護者同伴推奨)
費用: 参加費無料
持ち物: プログラムにより異なる。濡れてもよい服装。
内容:地域と共に学び育てる共創の場として、参加者とともに地域の自然や海洋生物を学び、地域の水産業の振興と人材育成を目指すイベントです。海の環境や生物の神秘をテーマとして、目の前に広がる海の生き物の観察・採取・実験等を行います。
研究者ってどんな仕事?(CROCES発ジュニア講座)
開催日時:2024年8月5日(月)14:00~16:00
開催場所: 東京大学工学部1号館15号講義室(オンラインでも同時開催)
対象: 主な対象は小中高生と保護者ですが、それ以外の方も参加可能です。(要予約)
費用: 無料
持ち物: 特にな
内容:みなさんには、自分にしかできないことはありますか?研究者は「オリジナリティ」を追究しています。そんな研究者の考え方を学んで、一緒に議論しましょう。
ものづくり教室2024「プログラミングでライントレーサを走らせよう!」
開催日時:2024年8月7日(水)、8日(木)、各日13:15~17:00 、(受付13:00-)
開催場所: 大阪大学 産業科学研究所 インキュベーション棟講義室
対象: 小学4年・小学5年・小学6年(要予約・各日定員20名まで)
費用: micro:bit v2以降お持ちでない方3,000円 (micro:bit代として)
micro:bit v2以降をお持ちの方は無料
持ち物: 水筒(水分補給用)、汚れてもよい服装、必要な方はヘアゴム、
※micro:bitについて
本年度のものづくり教室では、micro:bitが必要となります。当日参加費として¥3000で購入していただくか、お持ちであればmicro:bit(Ver2.0以降)を持参してください。
内容:地面に描かれたラインに沿って走行するライントレーサを作成します。
ライントレーサはmicro:bitによるプログラミングで動かします。
micro:bitは小さなプログラミングマイコンボードで、温度、光、タッチセンサなど5種類のセンサとLED, サウンドを備えており、さまざまなプログラミングが可能です。micro:bitでプログラミングの基本と、ライントレーサの動作原理と必要な部品について学びます。その後実際にライントレーサを作製します。
モータや電源、抵抗やコンデンサといった部品を組み込んだ電子回路工作を行い、micro:bitとプログラムを組み込んで、実際にライントレーサを走らせます。
夏休みイベントの効果
思考力や論理力の向上
夏休みのイベントからは思考力や論理力を向上させる効果が期待されます。たとえば、先述したイベントの中にあった「スマートフォンを分解する」会では、普段は道具として使用しているスマートフォンが、どのような仕組みで動いているのかを深く知るためのいい機会になるでしょう。これは、日常生活を送っているうえでは、なかなか気が付きにくいものですし、仮に「スマホってどうやって動いているのだろう?」と気にしたとしても、実際に分解しながら確かめるのは、子どもには難しいものです。
知的好奇心を伸ばすためには、自分がやってみたいと思ったことを際限なくやり通してみる経験が一番効きます。普段は「やってはいけない」もしくは「技術的な問題などでできない」課題に対して、大学や企業の大人の助けを得ながら取り組める夏休みイベントは、知的好奇心だけではなく、ひとつの物事に熱中してみる経験や、ひいては学力までもを伸ばす可能性に溢れています。
さらに、近年の大学入試は推薦・総合型選抜を重視する方向へ舵を切っています。これは、従来のペーパーテストではなく、高校まででどのような体験をしたか、それらを基に、どのようなことに興味をもって、大学では何に取り組みたいかなど、受験者の自主性を重んじるようなテストであり、習い事や課外活動イベントなどが入試結果において占める割合が、大きく増えていくことが予想されています。これらのテストに対する対策は難しく、自分の知的好奇心や知的欲求の方向、大きさ、その動機の起こりなどをみられるため、受験勉強のように1年や2年を一夜漬けのように捧げても、あまり意味がありません。大学入試の瞬間までに自分がどのように過ごしてきたか、何に興味を持ったかを問われるためです。そのため、入試などを見据えるのであれば、なおさらこのような地域の学習イベントなどに深くかかわり、自分の興味を持つ方向性や内容について、幼いころから自覚しておく必要が生じています。
夏休みの各イベントは、知的好奇心の目覚めを誘発させるためにぴったりなものばかり、ぜひ親子で足を運ばれることを推奨します。
夏休みの過ごし方の提案
これらを踏まえて、夏休みの過ごし方については、勉強よりも体験を重視されてみてはいかがでしょうか。先ほど述べたように、これからの大学受験は、もはやペーパーテストで点数が取れることだけを重視していません。それよりも、「知」について真摯な態度で臨み、自分から知の境界線を押し広げ、自主的に研究していけるような人材が求められるようになっています。それらに対応するためには、小さなころから自分の興味のある物事について向き合ってきた経験が必須。どれだけ早い段階から自分の興味を知ることができたかによって、大きく結果が左右されるといっても過言ではありません。
とはいえ、普段は習い事や部活、勉強で忙しい方も多いでしょう。だからこそ、まとまった時間をとることができる夏休みに、好奇心を伸ばすようなイベントに参加するのです。長い夏休み期間の中でもメリハリがつきますし、これまでは思いもよらなかったような自分の一面性や希望する進路について自覚できるチャンスかもしれません。
夏休みイベント参加に関する諸注意
特に大学が主催するイベントについては多くが参加費無料となっていますが、中には有料のものもありますから、そこについては注意が必要です。また、多くのイベントは「事前予約必須」となっているため、予約の有無や、予約解禁期間についてはしっかり調べるべきでしょう。また、持ち物についても指定がされている場合があります。そこまで専門的なものが指定されるケースは多くありませんが、課外活動を伴うイベントであれば「汚れてもいい服装」が指定されるケースは多いため、そのようなイベントに大事にしている服を着ていかないようにする、などの配慮は求められます。
特に予約の有無や人数制限についてはしっかりと調べておきましょう。「せっかく足を運んだのに、予約していなかったから参加できなかった」のような悲しい事故が起こらないようにしてください!
おわりに
長い夏休みですが、それだけたくさんのイベントが隠されています。探せばきっと、自分が参加したくなるイベントが1つはあるはずです。夏休み明けの話のネタにもなりますし、もしかしたら自分の将来の夢にも影響するような運命的な出会いがあるかもしれません。ぜひこの夏の間に、一度は足を運んでみてください!
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