大学受験を控えた受験生にとって、夏休みが来るのは嬉しくもあり、焦りもあり…といった感じでしょうか。いつものように「待ちに待った夏休み!」という感じではないでしょう。私も高3の夏休みには、受験が迫っていると頭では理解しながら、実感が湧かずなんとなく問題集や過去問を解いていた記憶があります。
ですが、この夏休みこそが非常に大切なのです。ここをどう過ごすかによって、夏休み明け以降の成績や心持ちが大きく変わってきます。というわけで、今回は受験生の夏休みの過ごし方について、碓氷明日香が詳しく解説していきます!
「夏を制する者は受験を制する」のはなぜ?
「夏を制する者は受験を制する」やら「夏休みは受験の天王山」やら受験生ならば一度は聞いたことがあることでしょう。なぜそう言われるのでしょうか?
普段できない勉強をするチャンス
現役生の場合は、学校が休みである分、普段よりも時間に余裕がありますよね。その時間を活用して、「普段はできない勉強」をすることができるのです。
例えば、英語や国語の長文読解。一つの長文を読み込んで問題を解く。そして全訳を確認したり間違えた問題を分析したりしますよね。トータルでかなり時間が取られる勉強です。学校がある平日に毎日取り組むのはかなり厳しいはずです。でも、夏休みならばできます!
夏休みはじっくりと問題に向き合えるチャンスなのです。
基礎固めの最後のチャンス
多くの高校3年生は夏休み明けから本格的に志望校対策を始めることになります。共通テストも近づいてきて、あまり基礎に戻って勉強している時間は多くありません。
つまり、夏休みが基礎固めのラストチャンスです。数学のチャートやFocus Goldの例題を解き直したり、理科や社会の苦手な単元を教科書に戻って勉強し直したりすることをお勧めします。このタイミングをしっかり利用しないと、応用問題である入試問題には手が届きません。
志望校の調査のチャンス
志望校がまだ定まっていない人は、夏休み明けから志望校対策を始めるためにも、夏休み中には大学調べを進めてどこを受けるか決めておいた方がいいです。
普段はじっくり大学について調べる時間を取ることができなくても、夏休みであれば勉強時間もしっかり取りつつ、自分の進みたいところを見つけることができるはずです。
ただ、スマホやpcを使って調べる時、そのまま娯楽に走ってしまわないようにタイマーを使うなど、強い意志を持って目的を見失わないようにしましょうね。
浪人生も休んでいられない!
浪人生も決して気を抜けません。現役生が学校のないこのタイミングで一気に追い上げてきます。それまでの模試などでいい判定が出ていたとしても、秋からはそうはいかない浪人生が多いのです。
ここで大事なのは、現役生も頑張っている、さらに伸びてくる、ということを念頭に置いて勉強を頑張りつつ、追いつかれても追い越されても慌てることなく、自分の目標に向かって冷静に進むことです。現役生の頑張りをモチベーションにするのは良いことですが、焦りで集中できない、ということがないようにしましょう。
夏休みは何をどう勉強すればいい?
時間に余裕があると、どうしてもやる気が続かなかったり、娯楽に手が伸びてしまったりしますよね。そこで、夏休みに集中して勉強するためのコツをお教えします!
モチベーションの保ち方
朝早く起きて学校に行く必要もなければ、すぐ目の前にテストがあるわけでもない(模試がある人はいるかもしれませんね)、そんな毎日が続くと、どうしてもモチベーションが保てず、勉強が進まないなんてこともあるでしょう。そこで、モチベーションを保つ方法を2種類載せてみました。
勉強をルーティン化する
まず1つ目は「勉強をルーティン化する」です。モチベーションが続かないから、やる気がないからと言って勉強をしないわけにはいきません。1日でもサボるとサボり続けたくなるのが人間の性です。1日のタイムスケジュールを決めて、起床時間、勉強時間、娯楽の時間、就寝時間を毎日同じにする。そうすれば、勉強は歯磨きや食事と同じように「日課」「ルーティン」となり、心持ちに関係なく毎日勉強できるようになります。
目標を紙に書いて机の前に貼る
2つ目は「目標を紙に書いて机の前に貼る」です。やらなければならないことや目標点、志望校などを付箋やコピー用紙に書いて見えるところに貼るだけで、勉強しなきゃ、という気持ちを生み出すことができます。モチベーションがない、やる気が出ないと嘆きたくなる時は、だいたい目標が定まっていないか実感が湧いていない時です。それを可視化するだけで、勉強に向き合う姿勢は大きく変わるはず。
スケジュールの立て方
さて、夏休みは1ヶ月半ほどあるわけですが、それだけの長い期間を無計画のままダラダラと過ごすのは非常に勿体無い!自分の性格や目標に合ったスケジュールを立てて、その通りに実行し、やるべきことをやり切った状態で始業式を迎えましょう。
とはいえ、スケジュールの立て方がわからない、立ててもその通りにできない、という悩みを抱えている人は多いはずです。そんな人のために、計画の立て方を簡単にまとめてみました。
①夏休み中にやりたいこと、やるべきことを各教科書き出す
11月末くらいには共通テスト対策を始めることを考えて、夏休み明けには何ができるようになっていなければならないかを思い浮かべます。そうすれば自ずとやるべきことがわかってくるはず。それを全て書き出します。例えば「チャートで苦手な三角関数の例題を全て解けるようにする、それ以外の単元も章末問題を総浚いする」「毎日500語程度の英語長文の読解問題を解く」のように、具体的に決めると計画を立てやすいです。
②やるべきことを週ごとに分ける
だいたい6週間あると思うので、やるべきことを6で割って、それぞれの週にどれくらい進めれば終わるのか計算します。この時に大切なのは、帰省などであまり勉強に時間を割けない週には少なめに、それ以外の週に多めに分けることです。
③1週間でやるべきことを1日ずつに分ける
②で分けたものをさらに7日に分けます。もちろん、ここでもその他の予定を考えて、量を調整してください。ここで意識して欲しいのは、どの科目も2日に1回は触れるように組むことです。できれば自分が受験で使う科目は毎日触れるに越したことはありませんが、そう思い通りに行くものでもないでしょう。だから、2日に1回は勉強できるように調節してみてください。
これで計画を立ててしまえば、あとは実践するのみ!1週間に1日ほど計画を調整する日を設けておくと、予期せぬ何かで計画がズレても、後々まで支障が残らないので、おすすめです。
先輩にインタビュー!
ここまで一般化したことを書いてきましたが、実際に受験を経験した先輩の声があった方がわかりやすいので、3人の先輩に受験生の夏休みについて、勉強時間や息抜きについて、勉強について意識していたことなどをインタビューしてみました!
Aさん
高2の時は毎日のように、部活の後に塾に行って講義を2時間受けた後に3時間ほど自習していました。高3の夏休みはコロナ禍でやることがなかったのもあり、友達と電話を繋げたり公園に行ったりと気分転換をしながら、1日8〜10時間ほど勉強していました。
スマホはYouTubeのスクリーンタイムを1時間にして、引き出しにしまうようにしていて、とにかく誘惑をなくすようにしていました。息抜きは、公園に行く、花火をするなどの対面の遊びを友達としたり、雑誌を買ったりする、といった感じです。
勉強をする上で、タイマーを使って時間を区切ったり、朝に頑張ることを意識していました。どうしても頑張れない時は、好きな科目をやるために机に向かって、そこから波に乗って他の教科を頑張るといいと思います。
Bさん
現役生の時は12時間くらいを目指していましたが、結局集中できていたのは9〜10時間くらいでした。浪人時も8〜9時間は勉強するようにしていました。
夏休みに旅行のような特別なことはしていませんが、基本的に毎日2〜3時間は遊び、息抜きの時間を設けていました。毎日の生活を変えないことが大事なので、特別な遊びの日は設けない方がいいと思います。
現役の時は、苦手だった英文法や古典文法などの知識拡充に少し時間配分を多めに割いていました。夏休みで完全に苦手を克服するつもりでやっていましたね。もちろん、他の科目もちゃんとやっていました。浪人の時は、毎日なるべく同じリズムで過ごすことを意識していました。やる内容としては、予備校の授業の復習が中心で、夏までの基礎的内容を100%できるように意識していました。基礎が崩れていると、夏以降に解けない問題が増えるなど、影響が大きいように感じるので、夏を使って大きな苦手の穴を塞ぐことが受験攻略法の1つなのかと感じます。
Cさん
毎朝8時に起きて、夜は日付が変わるタイミングで寝るくらいの生活リズムでした。起きてから午前中に3時間くらい、昼食後に5時間くらい、夕食後に2時間くらい勉強していたので、合計10時間くらいだったと思います。
毎週模試を受けていたのであまり時間はありませんでしたが、地元の祭りに行ったり、家族で旅行に行ったりして、息抜きをしていました。8月の上旬に行った家族旅行では、僕が東京大学に受験しにいくときに使う予定のホテルの下見も兼ねて、受験へのやる気をより高めるためのきっかけにしました。日頃の生活習慣としては、スマホは時間を決めたわけではないですが使いすぎないようにはしていました。僕はゲームはあまりやらなかったのですがYouTubeを見るのが大好きだったので、YouTubeは1日1時間お風呂上がりに見る、と決めてそれを楽しみに勉強を頑張りました。
受験生の夏休みは、いかに勉強習慣をつけることができるかが重要です。ここで自分の弱さに負けずに努力し続けることができれば、その後も受験本番まで走り続けられると考えました。そして、そのために重要なのは、やはりルーティンを作ることです。朝一で単語帳をやる、昼ご飯の後は数学をやる、夜寝る前に必ず過去問を解き終える、など、日々のノルマをたくさん設定してメリハリを持って過ごしていました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。受験の天王山である夏休みを無駄にしないように、自分なりのスケジュールを立てて、モチベーションを保てるように工夫しつつ、目標に向かって駆け抜けて行ってください。有意義な夏休みになりますように、健闘を祈ります。
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