【共テから挽回】東大生が語る「国公立二次試験対策」

メディア部より:生島光流は『共通テストの点数が合格者平均点より100点近く低かった』という、共通テスト最低点から逆転合格した東大生です。そこでメディア部では、今回の共通テストからの二次試験対策の記事をお願いしました。ぜひ、ご一読ください。生島光流について詳しくは、下記の記事から。

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目次

はじめに

受験生の皆さん、共通テストお疲れ様でした。
共通テストは実施されてからまだ日が浅いこともあり、出題形式や難易度が年によって大きくブレる試験です。そして短い時間での圧倒的な量の情報処理が求められる厳しい試験でもあります。ほとんどの受験生にとっては最初の大学入学試験で、強い緊張感を覚えた人も少なくないと思います。結果が自分の思うように行かなかったとしても、まずは一次試験を乗り越えたこと、これは誰にとっても誇れることです。本当にお疲れ様でした。
しかし、多くの人にとってはまだ大学入試は終わっていないでしょう。あくまで共通テストは入試の通過点です。折り返し地点にも達していません。結果が良かったにしろ悪かったにしろ、ここからいかに早く切り替え、2次試験の対策を効果的に行えるかどうかが第一志望校に合格するかの鍵になります。この記事ではそうした、共通テスト以降の2次試験対策に向けた攻略法について紹介していきます。

いわゆる『共テボケ』

まず、共通テストを終えた受験生に襲いかかってくるのは、共通テスト形式の演習をしすぎて2次試験の形式の問題を解くことに苦戦したり、一次試験が終わったことに達成感を覚えたりして勉強に身が入らなくてってしまうといった、いわゆる共テボケです。これを解消できないまま日々を過ごしてしまうことによって2次試験当日にはすでに手遅れとなり、本番で失敗してしまうという悲惨な結末を迎えてしまいます。

中には共テボケが起こらない受験生もいますが、起こってしまう人が多いと思います。実際、自分も一番苦手だった共通テストが終わったことに緊張の糸がほつれて、ダラダラと時間を無駄にしてしまう日が多かったです。しかし、ここでうまく切り替えなければいけません。

切り替える方法として一番手っ取り早く、かつ一番効果的なのはやはり、緊張感を強制的に持たせる”ことです。緊迫感を煽り、危機意識を向上させることで無意識的に体を勉強へ向けさせることができます。具体的な方法としては

時間を測って2次試験の問題を解く

②自習室に行ったり、同じ志望校の友達と一緒に勉強したりする

の二つです。
①について、時間を測って2次試験を受けることは、つまり2次試験を仮の状態で受けることです。本試験と同じ条件で演習をすることで2次試験の緊張感を少しなりとも取り戻すことができます。ここで点数が下がっていればより対策に向けて危機意識が上がり、本腰を入れて勉強することにつながります。共テボケが強い人であれば、2次試験の全科目を一年分を解き、ある程度共テボケが弱い人であれば、苦手な科目1つ2つだけでも構いません。少なくともいち早く2次試験の問題を見て、感覚を取り戻すことが重要です。

②について、自分の周りに同じ目標を持つ人がいる空間に身を置くことという意識があります。これも緊張感を高めることにつながります

ちなみに、一番強力な解消法は、併願校の入試を受けることです。これは個人の判断にもよりますし、併願校の2次試験の日程は自分では決められないのであくまで受動的なものですが、併願校であれ入試の本試験を会場で受けるのは一番”緊張”します。共通テストの後でこれを受けることで自分の受験はまだ終わっていないことが再確認されるため、一番やる気が入ります(実体験)。

ただし、ここで間違ってはいけないのは、焦燥感を煽ることです。緊張感と焦燥感は違います。緊張感はやる気をプラスに働きかけてくれる場合が多いのですが、焦燥感はただ単に焦ることが多く。勉強をしてもパニックになり手につかない・身に付かなくなる場合が少なくありません。共通テストが失敗してしまったとしても、2次試験での逆転を信じて全力を尽くすしかありません。志望校によって実施日に変動があるものの、2次試験までは1ヶ月ほどあります。巻き返しのチャンスは十二分にあります。

第一志望にむけて

先ほども言った通り、まずは共テボケを解消し、2次試験の形式に体を慣れさせ直すことが重要です。

共通テストで触れられなかった科目を重点的に演習しましょう。特に理社は直前期の伸びが一番期待できる科目です。主要3科目(英数国)が安定している(もちろんこれが理想というか標準です)場合、理社科目で事故を起こさないよう科目別合格者平均点、少なくとも合格者最低点は取れるようにしましょう。

もしも、主要3科目でビハインドとなる科目がある場合はそれが優先です。主要科目での大きな失点は他の受験生と大きな差が生まれてしまうため、確実に合格者点は取れるように演習すべきです。理社ほどではありませんが、この3科目(特に数学と古典)も直前で伸びる可能性があります。ただし、ここで理社や苦手科目に時間を割きすぎてしまうのもよくありません。

また、国語と英語は毎日のコンスタントな読み慣れ、つまり文章に継続的に触れ、読解の感覚を落とさないことが極めて重要です。この2教科は直前期の伸びが他の科目より期待しにくいですが、対策しないと能力が落ちやすい科目です。しっかりと英語だろうと日本語だろうと文章に毎日触れてください。

科目別アドバイス

ここからは科目別のアドバイスです。

国語(現代文)

共通テスト対策で文章の読み慣れは十分だと思います。そのため、共通テストでは課されていない、2次試験の記述問題を解くことに専念しましょう(2次試験に記述の現代文が出題されない場合はこの限りではありません)。共通テストが終わってからは、毎日現代文の文章に最低一つは触れることを強くお勧めします。先ほども言った通り、日々の読み慣れが読解の”感覚”を失わないために極めて重要です。短い文章でも構わないので、継続しましょう。

国語(古典)

古典が得意な人は記述式の問題を解いて感覚を取り戻しつつ、他の苦手な科目にリソースを割きましょう。苦手な人はここからの伸びを期待してください。古典は直前でも十分伸びる科目です。基本的な古文単語、古典常識、古文の助詞助動詞、漢文の句法、漢文の語句の暗記に努めてください。ここがあやふやなために失点をしている可能性が高いです。また、古典においても読み慣れが重要であるため、苦手な人は古典の文章に触れる機会を増やしましょう。

数学

数学も直前期の伸びが期待できます。一旦”データの分析”みたいな単元は忘れて(もちろん学問的には重要な単元ではありますが)、2次試験で頻出の分野を重点的に過去問で演習してください。共通テストと2次試験で科される問題では、出題形式や難易度に大きなギャップがある場合がほとんどです。
記述式の大学を受けるのであれば、しっかりと計算過程や記述までも書けるように過去問に触れてください。特に理系の人は数Ⅲが肝です。共通テスト対策期間では数Ⅲに触れてこなかったために公式を忘れてしまっていることが多いです。網羅型の参考書をざっと見返したり軽い計算問題に触れたりすることで数Ⅲを早いうちから完全に思い出すことが重要です。

理社

直前期の伸びがダントツで見込める科目です。
もし主要科目の中で苦手な科目がある場合は、その科目を伸ばすことも重要ですが、戦略として理社の得意科目でブーストをかけるのも最終手段としてあります。ただし、学校によっては共通テスト前もしくは後になって全範囲を終えることもあります。その場合には、演習不足である可能性が高いため、とことん過去問を解いてください。ここでいかに量を詰められるかで、のちの点数に響きます。歴史や化学など、暗記が一定数求められる科目は、単語のアプトプットの反復や定形化した小論述を繰り返しましょう。

英語

特に今年は共通テストでとんでもない量の英文を読んできていると思うので、読み慣れやリスニングについては申し分ないと思います。
最初に対策すべきは共通テストで感覚を忘れがちな英作文です。時間を測って演習し、他の人から添削を受けるのを繰り返してください。加えて、英作文は最後まで点数が上がる可能性があるものでもあります。しっかりとものにして点数をもぎ取りましょう。
あとはコンスタントに(1週間に2回ほど)一年分の過去問を本番の試験時間と同様に一気に解くことが大切です。英語は試験時間がシビアであることが多く、時間配分や問題の難易度の見極めの精度をあげることが直前期では一番重要です。
もしも、現時点で過去問を演習し切ってしまっている場合は、予備校の模試の過去問を解くことをお勧めします。予備校が出しているため、解説が充実していて自習しやすいのもポイントです。加えて、過去問演習のみならず英文は短くてもいいので毎日読むようにしてください。これも国語と同様、感覚を鈍らせないために重要です。英単語や英熟語、英文法の定期的なアウトプットも不可欠です。

併願校の対策

多くの受験生にとってネックな要素は併願校(滑り止め)の対策です。中には単願の受験生もいますが、複数の大学を受ける人がほとんどでしょう。浪人を回避するという意味で併願校に受かっておくとは重要ですし、第一志望を受ける前に合否結果が発表される大学に志願した場合は、併願校とはいえ合格を勝ち取っているという事実に安心感を覚えたり、それが自信につながって高いやる気のまま第一志望校の入試に挑めます。
しかし、併願校対策に時間を割きすぎてしまうあまり、第一志望の準備が疎かになってしまい、落ちてしまっては本末転倒です。第一志望と併願校、いい塩梅で対策することがカギになります。

結論から言うと”第一志望の対策にとにかく集中する”べきです。
なぜなら、共通テスト以前から第一志望校に向けた演習を重ねているため、併願校を受けたとしても十分に戦える力をつけている場合が多いからです(特に第一志望校が一番難易度の高い大学である場合)。今までの自分の力を信じれば併願校だとしてもブレずに本領を発揮できることが多いです。
ただし、早い段階で併願校の過去問をしっかり見ておくことが重要です。別に解かなくてもいいです。まだ併願校の入試問題をしっかり見ていない人は、共通テスト直後のこの段階で出題形式をしっかり分析してください。

英語だったら、文法/読解/要約/和訳のうちどれが出題されるのか?
国語だったら現代文と古典を合わせて大問がいくつあるのか?そもそも古典は出題されるのか?

数学であれば計算過程も記述させるのか、または答えのみを書く形式なのか?

これらを把握しておくことで併願校の問題を直前に見て尻込みする危険を回避できます。その後は自分の学力に合わせて、過去問演習”のみ”をしてください。
正直併願校用に新たに参考書や新勉強法を採用する必要はないと思っています。それよりかは第一志望に注力した方が後悔なく受験を終えられます。併願校は過去問を2年分、少なくとも1年分は本番同様の試験時間で解きましょう。本当に時間がない人は英国数のみ、さいあく英語のみでも大丈夫です。少なくとも併願校の英語は一年分解いてください。自分は東大を第一志望に、早稲田の文化構想学部と教育学部、慶應の商学部A方式を受けましたが、本試験1週間前に過去問演習として1年分(英語のみ2年分)を解いて対策し、全て合格しました。

国立の後期を受ける人は、前期試験を終えた後から対策しましょう。

最後に

以上が共通テスト後から2次試験本番までの勉強の流れです。
受験がラストスパートに差し掛かっていることは間違い無いですが、先述の通り共通テストはあくまで通過点です。戦いはまだ終わっていないという強い意志を持って最後までやり切って欲しいです。
もし、勉強がうまく進んでいなかったり、諦めてしまいそうになったりしても最後まで可能性が残っていることを忘れないでください。残り1ヶ月、短いようですが、まだまだ時間はあります。残された時間で自分がどう戦うか、しっかりと考えて欲しいです。頑張ってください!

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この記事を書いた人

文系の大学1年生。世界史オタクで学校でも友達と世界史クイズを出し合うほど。趣味はボカロを聴きまくったり、曲を作ったり、アコギとベースを弾くこと。最近、人生で初めて髪を染めたら、チャラすぎると言われた。

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