志望理由に使える!東京にある大学の学部を徹底比較〜経済・商学部編〜

推薦入試では、学力だけでなく「なぜその大学・学部を志望するのか」という理由の明確さが問われます。つまり、合格を勝ち取るには、自分の将来や関心と学部の特徴をしっかり結びつけた「納得感のある志望理由」が不可欠なのです。そのためには、複数の大学・学部を比較し、それぞれの違いや強みを知ることが重要です。「経済学部」と一言で言っても、大学ごとに学べる内容や重視する姿勢はまったく異なるからです。

この記事では、さまざまな大学の「学部の違い」に焦点を当てて解説していきます!今回は、カルぺディア読者が多い東京周辺の大学の「経済学部・経営学部・商学部編」です。

目次

推薦入試の志望理由を深めるのはなんのため?

推薦入試では、評定平均や課外活動も評価されますが、「その大学・その学部を選んだ理由」の説得力も同じくらい重要です。あなたの過去の経験から興味を持ったことと、将来成し遂げたいことの通過点として、その大学を選ぶ理由を説明できることがゴールです。過去の経験、大学の志望理由、将来の目標の3点が、綺麗な1本の線としてつながるイメージを念頭に置きながら、本記事を読んでみてください。

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大学選びで見るべき5つの比較軸

はじめに、経済学部を比較する上で見ておくべき4つの軸を紹介します。

大前提:教育内容・カリキュラム

まずいうまでもなく、それぞれの大学で学べる内容は調べておきましょう。同じ経済学部でも、経済、統計、会計、金融、マーケティング、経営戦略など、重点分野が異なります。多くの経済学部では、まず基本の内容を学んでから、学年が上がるにつれて専門的な分野を学びます。そのため、専門性が高まった時、3・4年で何が学べるのかを、忘れずにチェックしておきましょう。

軸1:理論か実践か

学びが研究に近く理論的な大学と、企業との連携や実践的な内容に力を入れている大学があります。経済学を学問として勉強をしたいか、将来の目標のために身につけたいかによって、理論か実践かを選んで志望すると良いでしょう。「実践的な内容」というのはたとえば、企業連携の多さや、ゼミの活動内容(例:日経STOCKリーグ参加、ビジネスコンテスト参加)、アクティブラーニング形式の講義などから分かります。

【参考:日経STOCKリーグとは】
日本経済新聞社が主催する、中学生・高校生・大学生を対象とした金融・経済学習コンテストです。参加者はチームを組んで、仮想の株式投資を通じて経済や株式投資の知識を学び、レポートを作成します。投資の擬似体験のようなもので、経済系の学部のゼミに入ったら参加することになる人もいます。

軸2:数学の重視度

経済学部には、数学を重視するものもあります。会計などの分析力を重視する大学は、数学の素養が必要不可欠です。入ってからギャップを感じないためにも、数学がどの程度重視されているか調べておきましょう。二次関数や確率はもちろん、数Cの範囲の行列や微分・積分を扱うことも多いです。また、純粋な経済学を学ぶ学部の方が、経営やマーケティングを学ぶ学部より、数学を使うことが多いでしょう。入試科目に数学がどの程度採用されているかからも、数学の重要度が分かります。数学を使うと、現実の事象を数式やグラフに落とし込んで理解できる点は、経済学の醍醐味とも捉えられます。

軸3:専門の細分化

「経済のことを幅広く学ぶか、経済の中でも特定の分野を専門的に学ぶか」も、大学によって異なる点です。経済学の中でも「政策系/理論系/歴史系」など細分化されているかを調べてみましょう。幅広く学ぶ学部では、さまざまな場面で応用できる幅広い知識が身につきますが、専門的に学ぶ分野は限られます。自分の理想に合った方を選びましょう。

軸4:国際性

世界で活躍するための力を磨きたいと考えている人は多いと思います。一口に国際性と言っても、英語で行う講義が多く開講されている大学や、交換留学の提携校数が多い大学など、それぞれに強みがあります。「国際性」という言葉で一括りにするのではなく、自分の求めるものは何かを考えましょう。たとえば在学中に絶対に留学に行きたいという方は、国際性の中でも特に留学制度に注目して比較しましょう。大学によって、留学先の大学でとった単位を卒業単位に反映する制度や、留学中は留学先の大学の授業料のみ納め、国内の大学の授業料は免除される制度などがあります。

軸5:人数

大規模で多様な価値観に触れることを強みにしている学部と、少人数教育で能動的に学べることを強みにしている学部があります。大人数の学部には、さまざまな価値観の人がいますが、全員と仲良くなれるわけではなく、授業も一斉講義形式になりやすいです。少人数の学部は、講義内で活発な議論ができたり、結束感が高まったりしますが、学部や教室は小規模になりやすいです。人数によって雰囲気が大きく異なるので、自分がどのような環境で学びたいかイメージするようにしましょう。

東京の大学の経済学部を徹底比較!

ここからは、具体的に大学ごとの経済学部の特徴を見ていきます。志望理由を書く場合の例も合わせて紹介します。

東京大学経済学部

東京大学大学院経済学研究科・経済学部HP

東京大学の経済学部には、文科二類に入学した学生が多く進学します。入学時点ではまだ経済学部の所属ではなく、教養学部で幅広い学びをしたうえで、2年生の夏に本格的に経済学部へと進みます。

経済(Economics)、経営(Management)、金融(Finance)の3学科制で、理論重視のアカデミックな内容を学びます。

特徴1:数理重視

経済学・統計・金融の基礎には「ミクロ・マクロ経済学」「計量経済学」など数理分析科目が多く、実証研究に強く結びついています 。

特徴2.国際性

大学全体では87以上の協定校があり、経済学部では部局間交流協定プログラム”漕ぎ出せ!経済の大海へ”で4つの大学と交換留学を提携しています。また、IMF(国際通貨基金)と金融リスクについての政策会議が開催されるなど、大規模な国際学術イベントの拠点となることも多いです。

志望理由例

「理論を学び、〇〇を研究したい」「実証研究に基づいて、日本や世界の経済を救いたい」などのように、学術的な内容が良いでしょう。

一橋大学経済学部

一橋大学大学院経済学研究科・経済学部HP

経済学部のカリキュラムは基礎的な100番台コア科目・200番台コア科目、より専門的な内容の講義(300番台)へと履修を積み重ねていくのが特徴です。

特徴:専門性

「5年一貫教育システム」があり、学部4年間の後、引き続いて修士を1年間で修了することを可能にしています。このシステムは、「5年一貫研究者養成コース」と「5年一貫修士専修コース」という2つのコースに分かれており、そのうち「5年一貫修士専修コース」は、次の5つのプログラムから構成されます。

「公共政策」、「統計・ファイナンス」、「地域研究」、「医療経済」、「一般」

「公共政策」は国家・地方公務員や国際機関職員、「統計・ファイナンス」は、調査機関や研究所において、統計学・計量経済学の分析力を発揮したり、高度な数量分析能力を持つ仕事など、専門職業人を養成するプログラムがあります。

志望理由例

「公共政策を学び、最前線で日本の政策を担いたい」「分析能力を身につけ、調査機関で働きたい」などの、具体的な将来像を設定して書くと良いでしょう。

一橋大学商学部

経営学・会計学・マーケティング・金融の4分野を学びます。経済学部との違いは、企業や市場に応用するための社会科学的な側面が強いことです。まずは理論をしっかり学びますが、同じくらい実践への応用も重視されています。

一橋大学商学部HP

特徴1:実践的

全員が入学時から卒業するまで、「ゼミナール」が必修となっています。また、企業や団体による寄附講義を多数開講し、第一線で活躍する実務家教員による教育も行われています。

特徴2:国際性

世界各国から多数の留学生の受け入れ、英語によるゼミナールや専門科目の履修、海外留学を取り入れた、グローバル・ビジネスリーダーの育成を目指す渋沢スカラープログラム(SSP)があります。

志望理由例

「将来の目標(例えばマーケティングで新商品を生み出す・経営者になる)を実現するために、理論と同時に実践しながら力を身につけたい」「留学生の価値観に触れながら、世界で活躍するための力を身につけたい」など。まずは将来養いたい力を提示し、その力を身につけるための進学といった志望理由が良いでしょう。

早稲田大学政治経済学部

早稲田大学政治経済学部HP

政治学科、経済学科、国際政治経済学科があります。国際政治経済学科では、政治学と経済学を融合して広く学びます。

特徴1:数理分析・統計スキルを重視

政治学・経済学の両学科で「計量分析」や「統計学II」といった科目が必修となっており、データに基づいた論理的分析力を育む構成です。

特徴2:英語力を高めるプログラム

カリキュラム内に「外国語で講義を行う科目」があり、英語運用力を高めながら専門知識を学ぶ機会があります。また、「グローバル・リテラシー総合講座」「地域文化研究」など、多言語・多文化に関わる科目も設けられています。

志望理由例

「現実の政治や経済を、データに基づいて思考できるようになりたい」「高度な英語運用力と統計分析力を同時に身につけ、世界に通用するジェネラリストになりたい」のように、政治経済と学力スキルを掛け合わせて書くと良いでしょう。

早稲田大学商学部

「経営」「会計」「マーケティング・国際ビジネス」「ファイナンス・保険」「経済」「産業」の6分野に、3年次から所属が決まります。

早稲田大学商学部HP

特徴1:実践的

3〜4年次には60近いゼミが展開され、ビジネスコンクールの出場や民間企業との連携も多く見られます。また、企業連携講座が多く開催されるのが大きな特徴です。M&A、PR、保険など、企業による寄附講座が開講し、業界最前線に触れられる実践的な学びが可能です。

特徴2:英語力を高めるプログラム、留学制度

Global Management Program(GMP)という商学部独自の英語プログラムで、英語での専門講義・討論・論文作成を通じて国際ビジネス力を身につける仕組みが整備されています。また、国際協定校は早稲田全体では500校以上、商学部独自でも約34校とダブルディグリー協定を結んでおり、留学機会が豊富です。

志望理由

「将来の目標(例えばマーケティングで新商品を生み出す・経営者になる)を実現するために、実践しながら力を身につけたい」「国際プログラムや留学制度を利用して世界で活躍するための力を身につけたい」など。身につけたい力とそのための過程を、学部の特徴を絡めながら書けると良いでしょう。

慶應義塾大学経済学部

慶應義塾大学経済学部・大学院経済学研究科HP

自分の目標と関心に沿って、研究会・PCP・研究プロジェクトの3つの中から学習の中心となる柱を選択します。

ゼミナール(研究会)では、少人数クラスで2年間専門分野を学習し、卒業論文を執筆します。Professional Career Programme(PCP)では、2年間の英語によるコースワークにより、海外留学や専門大学院進学などに向けての基礎力を養成します。研究プロジェクトでは、自ら研究テーマを選び、専任教員の個別指導の下、1年間で研究成果を提出・発表します。

特徴:数理重視

統計学・計量経済学など高度な数理科目が必修または選択科目に設定されており、数学リテラシーを養うカリキュラムです。入試でもA方式では数学必須、B方式でも数学選択が可能で、数学の知識が求められる設計です。

志望理由

「経済学を数字で学びたい」や、「PCPで海外留学をし、将来世界で活躍したい」など、実際に学習したいプログラム名を挙げて将来の目標につなげると良いでしょう。

慶應義塾大学商学部

「経営学」「会計学」「商業学」「経済産業」の4つのフィールドを設け、自分の興味に沿って履修できます。

慶應義塾大学商学部HP

特徴:アクティブラーニング

研究会(ゼミ)や総合教育セミナーなどを通じた演習形式のアクティブラーニング(能動的学習)に力を入れています。知識の獲得→グループワーク→プレゼンテーション→フィードバックの流れで学びを深められます。

志望理由

「ただ知識として学ぶだけでなく、アクティブラーニングを経て、知識を自分のものとして使いこなるようになりたい」など、学部の特色に沿った志望理由が良いでしょう。

上智大学経済学部

上智大学経済学部HP

経済学科と経営学科があります。経済学科の選択科目では主軸となる経済系科目に加えて、経営/法律系科目を用意しており、より実践に即した視座から経済を広く捉える力を培うことが可能です。

特徴:国際性

上智大学経済学部の特徴はやはり国際性。海外ビジネスを題材としたケーススタディや、海外の大学や企業と協働する学習プログラムなど、語学力の習得も含めた、国際性を培う機会が用意されています。また交換留学や海外大学院特別進学制度など、グローバルな挑戦を後押しする制度も充実しています。英語特修プログラムは、開発、環境、貿易、金融、政策、経営、マーケティング、会計など、より実践的な専門科目を英語で学ぶプログラムで、2年生以上が対象です。

志望理由

実際に世界に出てどんなことをしたいか、または、日本の代表として世界にどんな影響を与えたいか、将来の目標をグローバル規模で掲げて書くと良いでしょう。

明治大学商学部

明治大学商学部HP

3~4年次から「7つの専門コース」制度(アプライド・エコノミクス/マーケティング/ファイナンス&インシュアランス/グローバル・ビジネス/マネジメント/アカウンティング/クリエイティブ・ビジネス)に進みますが、自分で選んだコース以外の科目も履修できる“ゆるやかなコース制”を採用しており、幅広く学ぶことができます。

特徴:専門性と幅広さの両立

ダブル・コア制度による演習学習
2年次以降、「商学専門演習」と「総合学際演習」の2つのゼミ(演習)を並行して履修できます。この制度により、専門性と多面的視点の両立が可能です。

志望理由

「将来の目標のために、幅広く、かつ特定の分野を専門的に学びたい」のように、学部の特徴を活用して書くと良いでしょう。

明治大学政治経済学部

政治学科、経済学科、地域行政学科があります。大きな規模を誇り、バラエティに富んだ科目が勉強できます。教員の数が多いのも特徴で、科目の内容も、人文系、社会学系、歴史、理論など、幅広い科目があります。ひとつの学部で広く学びたい人に向いているといえます。

明治大学政治経済学部HP

特徴:国際性

国際的に活躍する人材を育成するためのさまざまなプログラムが特徴的です。

ACEプログラム(英語実践力特別強化プログラム)は通常の英語クラスとは別に設けられた政治経済学部独自のプログラムです。英語能力が高い人だけではなく、ACEを通じて意欲的に英語力を高めたい、そして数年後には、留学や、英語を必要とする職業に就くのに、自信が持てるレベルに達する努力をする人たちのクラスです。また、GCDプログラムは、所属学科それぞれのカリキュラムに応じた科目を自由に履修しながら、グローバル社会で通用する実践的語学力・コミュニケーション能力に加え、国際社会に関する基礎知識を習得することを目標としたプログラムです。

志望理由

「政治と経済を幅広く学びながら、自分の将来の目標を探したい」「国際社会に関する知識と、活躍するためのスキルをどちらも身につけたい」のような、幅広さを強みと捉えた志望理由が良いでしょう。

明治大学経営学部

1〜2年次は教養・外国語科目に加え、経営総論・会計総論・公共経営論といった基礎専門科目を習得。その後、2年次から「経営学科」「会計学科」「公共経営学科」のいずれかに所属し、より専門的な学びへ進みます。

明治大学経営学部HP

特徴:専門性

多様な学習トラックと演習教育が強みです。GREAT(グローバル人材)、CAP(公認会計士養成)、DIGIT(DXトラック)など複数の専用トラックを設置し、目的に応じた履修ルートが取れるほか、プロジェクト型のフィールドスタディやグローバル・サービスラーニングなど体験重視の授業も複数あります。

特徴:国際性

「グローバル経営人材」の育成を目指します。学部間協定留学プログラム、自分で留学先を選んで出願し、所属学部に認められた上で留学する認定留学、明治大学とヴィクトリア大学(カナダ)の2つの学位を取得できるデュアルディグリー・プログラムなど、特に留学制度が整っています。

志望理由

「グローバル経営人材」という言葉を自分なりに解釈して、志望理由に組み込むと良いでしょう。たとえば、「私はさまざまな国に関わる立場で、その国の文化や環境まで深く理解して経営に生かせる人になりたい。そのために、言語だけでなくフィールドスタディや体験型授業で学べるこの学部を志望する」といった具合です。

青山学院大学経済学部

青山学院大学経済学部HP

経済学科、現代経済デザイン学科があります。

経済学科の特徴:実践重視

理論・数量コース、応用経済コース、歴史・思想コースに分かれ、実践を重視するのが特徴です。

現代経済デザイン学科の特徴:学ぶ内容

学ぶ内容が珍しく、誰もが暮らしやすい社会づくりをめざすユニークな学びを展開しています。例えばGIS(地理情報システム)などを生かした実習や演習科目によって実践的に学ぶことで、経済学の理論をより身近で現実的なものとして理解できるようになります。

志望理由

「経済学部の中でも、実践に近い経済学を学びたい」「学んだ理論を実際の社会に試せる機会がたくさんあるこの学部に進学したい」など。他の経済学部は理論重視が多いので、経済と実践を掛け合わせることで差別化すると良いでしょう。

青山学院大学経営学部

経営学科とマーケティング学科があります。

青山学院大学経営学部HP

経営学科の特徴:専門性

経営(マネジメント)と会計(アカウンティング)について学びます。1・2年次では履修選択の幅をあえて狭め、経営学の基礎を徹底して修得します。応用科目を履修する3・4年次では実に多くの専門科目から自由に選択することが可能です。

マーケティング学科の特徴:少人数×実践

マーケティング学科も、経営(マネジメント)と会計(アカウンティング)について学びます。1年次前期には少人数のグループで必要な専門知識を学びながら現実の問題について考えるPBL(Project Based Learning)形式の授業を導入しています。ここでは、実際に販売されている商品やサービスを対象にし、そのマーケティング上の課題を少人数のグループで議論し、報告や提案を行い、その後の学習への意欲喚起につなげます。

マーケティング学科の「マーケティング論Ⅰ・Ⅱ」は必修科目で、2年次に設置されています。1クラスあたりの受講者数を制限するため、学生と教員の距離が近く、学生からの提案が課外活動として発展することもめずらしくはありません。

志望理由


経営学科なら「経営学の中でもこんな分野を専門的に学びたい」「明確な将来の目標があり、そのために専門的に学びたい」など、マーケティング学科なら「少人数のメリットを生かして能動的に学び、社会で活躍するための力をたくさんの実践と挑戦で身につけたい」など、それぞれの学科の特徴を志望理由に反映すると良いでしょう。

青山学院大学国際政治経済学部

国際政治学科、国際経済学科、国際コミュニケーション学科があります。

青山学院大学国際政治経済学部HP

国際経済学科の特徴:専門性と国際性

国際経済学科は国際経済政策コース、国際ビジネスコースに分かれ、専門的な学びを深めます。国際経済や国際ビジネスを学びたいという明確な意思がある方に合うでしょう。

志望理由

国際経済に関する将来の目標(例:国際間の経済格差をなくしたい、など)を提示し、「国際経済を学べる大学の中でも、専門性の高い学びを実現できるこの学部を志望する」という趣旨の志望理由で学部の強みを入れると良いでしょう。

立教大学経済学部

立教大学経済学部HP

経済学科、経済政策学科、会計ファイナンス学科があります。

経済学科の特徴:理論的

統計分析力など、理論的な学びが特徴です。実践場面は、企業の協力による課題解決型の実習系科目やゼミ、インターンシップなどの科目が用意されています。

経済政策学科の特徴:幅広い学び

経済や社会をめぐる政策を「公共サービスと生活」「グローバル化と地域」「競争と規制」という3つのカテゴリーから掘り下げます。科目選択の自由度が高く、幅広い学びが特徴です。

会計ファイナンス学科の特徴:数理重視

会計分野とファイナンス分野の科目を結び付けて学びます。分析力を重視しているので、数字を重視するのが特徴です。公認会計士、税理士、証券アナリスト、ファイナンシャル・プランナーなどを目指す学生のために、資格取得を支援するカリキュラムも用意されています。

志望理由

経済学科は「理論を学び、実践の機会でアウトプットをして、分析力を身につけていきたい」

経済政策学科は「地方創生を経済の観点から実現したい」「日本の現状を幅広い視点で把握し、必要な政策を多方面から考える力を身につけたい」

会計ファイナンス学科は「分析力を身につけ、企業活動の源である会計の分野でスペシャリストになりたい」など、それぞれの学部の強みを反映すると良いでしょう。

立教大学経営学部

経営学科、国際経営学科があります。

立教大学経営学部HP

経営学科の特徴:専門性・実践的

「マーケティング」や「マネジメント」「アカウンティング&ファイナンス」「コミュニケーション」の4領域で、経営の専門性が高い学科です。また、BLP(ビジネス・リーダーシップ・プログラム)など、アイデアを発表したり、プランを議論したり、企業へプレゼンテーションしたりする講義が多く、実際のビジネスに役立つ力を実践形式の授業で養うのが特徴です。将来リーダーシップを発揮するビジネスマンになりたい方に向いています。

国際経営学科の特徴:英語の授業と留学制度

専門科目の約70%を英語で開講。入学時から英語開講科目を段階的に増やしながら学んでいくことで、経営学の基礎はもちろん、最先端の専門知識を英語で身に付けることができます。海外留学や海外インターンシップなど英語力が向上する環境やプログラムが充実しています。海外協定校は、約100校。1年次の夏休みには原則全員が3週間の海外短期留学を体験します。

経営学科は、「将来日本のリーダーとして経営を担うための力を実践的に身につけたい」

志望理由

国際経営学科は、「言語力を高めるだけでなく、最先端の知識を学び、世界の経営課題を解決したい」など、学ぶ内容を理解していることが伝わる志望理由が良いでしょう。

中央大学商学部

中央大学商学部HP

経済活動の基本的な単位である「企業」の活動を中心に学びます。ビジネス社会の中心である「企業」に関する具体的、実践的な諸問題を分析し、解明していく能力を養います。

特徴:実践重視

経済学部との違いは、実践重視の特色です。協力講座は1年次から学修可能な「総合講座」と3年次から学修できる「特殊講義」とがあります。それぞれ、企業や団体からの協力を得て、各界の最前線で実務に携わるビジネスエキスパートから直接指導を受けられます。

志望理由

「実際に各界のエキスパートと意見を交わしながら、経済の実態を実践的に学びたい」など、こちらも経済と実践を掛け合わせることで差別化できます。実施されている協力講座を1つ挙げて、徹底的に具体をイメージして書いても良いでしょう。

中央大学経済学部

経済学科、経済情報システム科、国際経済学科、公共・環境経済学科の4つの学科があります。

中央大学経済学部HP

特徴:理論的・専門的

商学部に比べ、経済の理論・歴史・政策などを中心に学びます。1学年の定員が1,000 名を超す大規模学部で、少人数教育の場として最も力を入れているものが、2年生から始まる演習(ゼミ)です。全15 分野、約50 のテーマ別に多様なゼミが開講され、専門性の高い学びが実現できます。

志望理由

ゼミのことを書くと良いでしょう。入りたいゼミを調べて1つ挙げ、大学で学びたいことに結びつけ、その理由として将来の目標を書くと良いです。

中央大学国際経営学部

専門科目群での学びを通じて修得した「形式知」と、留学やフィールド・スタディ等のグローバル人材科目群での学びを通じて修得した「暗黙知」とを、ゼミ活動を通じて融合させ、戦略的思考や国際コミュニケーション能力といったグローバルリーダーが備えるべき「実践知」を修得できるカリキュラムが特徴です。

中央大学国際経営学部HP

特徴:英語の授業・留学制度

設置科目の7割以上で、外国語(主に英語)による授業を実施します。卒業に必要な単位のすべてを英語による授業で取得することも可能です。外国人教員比率も高いため、語学や国際地域研究はもちろんのこと、企業経営や国際開発などについても外国人教員から学ぶことができます。また、学期期間中に海外留学へ向けた事前指導を受講し、休暇期間に3〜4週間の語学研修「Global Studies」を行います。国際性に加え、実践的な学びも特徴なので、将来国際社会に携わることを見据えて実践的な学習をしたい方に向いています。

志望理由

国際性と実践を掛け合わせると良いでしょう。留学以外にも、「外国人教員と意見を交わしながら、国際開発の解像度を高めたい」など、外国人教員の特色を入れるのも良いです。

法政大学経営学部

法政大学経営学部HP

経営学科、経営戦略学科、市場経営学科の3学科があります。

特徴:専門性

学ぶ中で興味を持った分野を、専門的に深める環境が整えられています。

経営学科は、経営管理の基礎から、組織、人事、会計に関する専門科目を配置し、経営管理のプロフェッショナル、ゼネラル・マネージャーなどの人材育成を目指しています。

経営戦略学科は、国際経営、企業戦略、企業家活動、経営分析などに関する専門科目を配置し、グローバルな戦略策定と事業創造を担う人材の育成を目指しています。
市場経営学科は、マーケティング、産業・技術、金融・公共サービスなどに関する専門科目を配置し、マーケット創造を担う人材の育成を目指しています。

志望理由

「経営の中でも組織の課題を解決したい」「企業にとって最重要である経営戦略を立てる力を身につけたい」など、経営の中でも興味のある分野を1つ提示できると良いでしょう。

法政大学経済学部

経済学科、国際経済学科、現代ビジネス学科があります。

法政大学経済学部HP

特徴:一貫教育と少人数教育

1年次には入門ゼミを、2年次から4年次までは演習を配置。4年間を通して専門教育科目を体系的に学ぶとともに、総合教育科目を並行履修する仕組みが整えられています。

志望理由

「少人数の環境で経済問題について積極的に議論し、政策提言する目標に向かって学びを積み重ねたい」など、少人数の特徴を生かした志望理由が良いでしょう。

まとめ 各大学の強み

東京大学経済学部 理論重視数理重視、国際性
一橋大学経済学部 専門性
一橋大学商学部 国際性、実践的
早稲田大学政治経済学部 分析・統計重視、英語プログラム
早稲田大学商学部 実践的、英語プログラム、留学制度
慶應義塾大学経済学部 数理重視
慶應義塾大学商学部 アクティブラーニング
上智大学経済学部 圧倒的国際性
明治大学商学部 専門性と幅広さの両立
明治大学政治経済学部 幅広さ、英語プログラム
明治大学経営学部 専門性、国際性
青山学院大学経済学部 実践重視、学ぶ内容
青山学院大学経営学部 専門性、少人数×実践的
青山学院大学国際政治経済学部 専門性と国際性
立教大学経済学部 理論的、幅広さ、数理重視
立教大学経営学部 専門性・実践的、英語の授業と留学制度
中央大学商学部 実践重視
中央大学経済学部 理論的・専門的
中央大学国際経営学部 英語の授業・留学制度、実践的
法政大学経営学部 専門性
法政大学経済学部 一貫教育と少人数教育

おわりに

ここまで比較してきた通り、同じ「経済学部」でも、大学によって学べる内容も育まれる力も大きく異なります。

比較することで、自分の興味にぴったりの学びや雰囲気を持つ大学を選ぶことができます。さらに、その違いを明確にすることは、推薦入試の志望理由にも大きな説得力を与えてくれます。今回の評価軸を意識しながら比較し、自分だけの「志望理由」をつくり上げていきましょう。

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この記事を書いた人

早稲田大学商学部2年生。イノベーションとデザインに興味がある。好きなことは実家の犬とひなたぼっこ。

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