【高校生向け】大学受験に失敗したら?対処法と全落ち経験のある大学生の実例を紹介!

どんな挑戦にも失敗はつきもの。大学受験でも第一志望が不合格だった、受けた大学に全落ちした、というような状況になっている人もいるでしょう。多くの人が深く落ち込み、先の見えない不安に襲われるものです。

しかし、大学受験での失敗は、人生の終わりを意味するわけではありません。むしろ、その後の行動次第で進路を大きく切り開くことも十分に可能です。浪人や再受験、進学先の再検討、あるいは別の選択肢を視野に入れるなど、状況に応じた判断が求められます。

大切なのは、失敗した後にどう行動するかです。本記事では、大学受験に失敗した直後の対処法から、今後の選択肢と具体的な行動について解説していきます。【2025年7月25日更新】

目次

大学受験に失敗する人は少なくない

大学受験に失敗したというと、人生の終わりなのでは……と想像をする人も多いかもしれません。しかし、実はそんなことはありません。

2025年に共通テストを受験した人は495,171人でした。そのうち、現役生が425,968人、浪人生が64,974人、その他が4,229人となっています。つまり、共通テスト受験者のうち13%が浪人生です。

参照:2025年度大学共通テスト志願者数確定

ただそうは言っても、大学受験に失敗してしまうことを考えると、不安になってしまいますよね。万が一、大学受験に失敗した場合に、どのような選択肢があるかを紹介していきます。

浪人

大学受験に失敗した時、選択肢として一番最初に思い浮かぶのが浪人だと思います。

現役時代に抱いた「どうしてもその大学に入りたい」という想いに向かって引き続き努力できるのは、最大のメリットでしょう。浪人の末に合格をつかみ取った時には、達成感が得られ、今後の大きな自信にもなります。

浪人は、予備校に通うパターンと、自宅で勉強するパターンの2種類があります。もし1年間予備校に通う場合、かなりの費用がかかることがデメリットです。予備校浪人には、年間120万円から160万円ほどの費用がかかると言われています。

また、浪人する1年間で自分に合った勉強法を実施することができなければ、合格の可能性は大きく遠のいてしまいます。毎日どこで、何の勉強をどのぐらいするのか、しっかりと検討するようにしましょう。浪人期間は現役期間より周りの状況が分かりづらいので、積極的に仲間と情報交換をしたり、予備校の先生や頼れる先輩に、目標に対する勉強の方向性がずれていないか、伴走してもらったりできるとさらに良いでしょう。

合格した大学に行く

第一志望以外の大学は合格したけれど、第一志望の大学に落ちてしまったために、「大学受験に失敗した」と感じている人もいるでしょう。合格した滑り止めの大学に行くという選択肢はもちろんあります。実際、20%以上の受験生は、第一志望以外の大学に進学するそうです。入学する時には「第一志望に合格できなかった」というネガティブな気持ちが強いかもしれませんが、大学生活を送り、卒業する時には「意外と楽しかった」「結局この大学に入って良かった」というポジティブな気持ちに変化する人も多いです。第一志望以外の大学に進学するか、浪人して第一志望の大学を目指すかは、よく検討する必要があります。

専門学校

大学ではなく、専門学校に入学するという選択肢もあります。専門学校で学ぶ場合、将来につながる専門的なスキルを身につけることができます。また、「やっぱり大学で学びたい!」という人は、専門学校に通いながら4年制大学への編入学を目指すことも可能です。編入学を目指したいという人は、専門学校が編入学のサポートをしてくれるかどうかを確認するようにしましょう。

注意点としては、編入学は基本的に4年制大学の2年時や3年時に入学する制度なので、大学1年生から大学生活を始めることはできません。1年生から大学生活を送りたいという人は、やはり一般的な大学入学試験を受ける必要があります。

就職・アルバイト

最後は、学校に行かずに社会に出て働くという選択肢です。一般企業に就職したり、アルバイトをして稼いだりすることになるので、定期的に給与が入ってくることになります。学校に行かない分、早めに独り立ちをすることができます。

しかし、就職先やその後のキャリアが限定されがちになる傾向があります。大学や専門学校卒に比べると、高卒を受け入れている企業は少なく、給与も大卒と比べると低く設定される場合が多いです。高卒での就職はその後のキャリアを狭めてしまう可能性があるため、この選択肢を選ぶ際には注意が必要です。

大学受験の失敗がとてもつらい原因

大学受験の失敗から再スタートを切るには、まずは自分の心と向き合い、自分がつらいと感じる原因を理解する必要があります。大学受験の失敗がつらく感じられるのは、なぜでしょうか。

受験期の努力が報われなかったから

受験勉強は長く、つらいものだったと思います。遊びも趣味も我慢して、1日のほとんどの時間を受験勉強に費やしてきたという人も多いのではないでしょうか。その努力が結果という形では報われなかったからこそ、辛い気持ちになってしまいます。しかし、努力をした事実は変わりません。今後どのような道を歩むとしても、一生懸命努力した経験が強みになる日がきっと来ます。大学受験で積み重ねたものに、ぜひ自信を持ってほしいと思います。

仲間と自分を比べてしまうから

受験勉強の過程では、一緒に勉強をしてきた仲間がいるという人もいるのではないでしょうか。仲間は合格して、自分は不合格となると、どうしても比べてしまうと思います。他人と比べてしまうと、自分に対する劣等感が生まれてしまい、さらにつらくなってしまいます。仲間の合格は別物として、自分の過去を振り返り、未来につなげることを考えるようにしましょう。

両親を悲しませるから

高校生は、保護者の方と一緒に暮らしている人が多いと思います。受験勉強の過程では、生活面のサポートや金銭面のサポートなど、あらゆる面でお世話になった人も多いでしょう。保護者の方の期待に応えられなかったことで、受験の失敗をより重く感じてしまうこともあるのではないでしょうか。

他人のために、という気持ちは時に大きな原動力となりますが、重く捉えすぎると足かせにもなってしまいます。気負いすぎないことも大切です。また、可能な場合、保護者の方と話をしてみるのもおすすめです。話をする中で「期待に答えなくては」という過度なプレッシャーから開放されることもあります。

落ち込み過ぎず、気持ちを切り替えよう

受験の失敗は誰しもつらいものであり、引きずってしまいがちです。しかし失敗した後、次に進めるかどうかで、その後の結果は大きく変わってきます。

落ち込む事は悪いことではありませんし、無理に気持ちを抑え込むと、不完全燃焼になりかねません。ひとしきり落ち込んで、モヤモヤを吐き出した後、未来の自分のためにも、気持ちを切り替えて前に進みましょう。

大学受験に失敗した後にすべきこと

大学受験に失敗した後の選択肢を紹介しましたが、浪人や就職など、進路に悩むと思います。大学受験に失敗した後、前に進むにはどのような行動を取ればいいのかをまとめました。

これまでを振り返り、自己分析をする

受験に失敗したということは、自分の行動が十分でなかった部分があるということです。「目標設定は適切だったのか?」「勉強方法は自分に合っていたのか?」「モチベーションの管理ができていたか?」など、これまでの受験生活を振り返ってみましょう。

自分の失敗に目を向けるのは大変なことですが、同じ失敗を繰り返さないためにとても重要なことです。浪人してもう一度受験する人はもちろんのこと、別の進路を歩む人にも、今後の生活で役に立つはずです。

今後についてもう一度考える

「自分はなぜその大学を志望していたのか?」ということについて、今一度考え直してみましょう。どうしてもその大学に入学したい理由があるのならば、浪人してでも挑戦する意義はあります。強い動機があれば、浪人生活も乗り越えられるでしょう。

浪人生活は、お金も労力もかかるものです。それを乗り越えられるのか、シミュレーションをした上で、今後の進路について検討するようにしましょう。

両親と話し合う

先ほども述べた通り、浪人生活にはお金がかかります。多くの場合は、保護者が予備校の学費などの費用を援助してくれると思います。お金のかかることだからこそ、自分の今の思いをしっかりと保護者に伝え、じっくり話し合いをしましょう。思いを受け止めてもらえれば、浪人生活も気持ちよくスタートすることができるはずです。

なかには保護者から援助を受けられないという人もいると思います。その場合は、大変なことではありますが、自分で学費を稼いで再挑戦をするという選択肢もあります。

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浪人は不利?浪人しても問題ない理由

大学受験に失敗した後にすべきことを紹介しました。振り返った結果、どうしてもやりたいことや、どうしても行きたい憧れの大学があるなら、浪人して第一志望を目指すことをおすすめします。とは言うものの、浪人すると決めるにはかなりの覚悟が必要でしょう。浪人するにあたっての不安も多いと思います。ここからは、浪人しても問題ない理由について解説していきます。

浪人生は大学に馴染めない?

「浪人すると、大学に入ってから馴染めないのでは?」という印象を持つかもしれませんが、全くそんなことはありません。最初のデータにもあった通り、2浪以上も含めると、全体の2割前後が浪人生ということになります。また、それだけではなく、大学に入ってから留学・休学・留年などを理由に、5年以上大学に在籍するケースも少なくありません。

浪人して大学に入ったとしても、自分と同い年、もしくは歳上の人が同級生としてたくさんいる状況に身を置くこととなりますので、すぐに馴染むことができるでしょう。筆者は現役で大学に入りましたが、年齢が違う同級生は本当にたくさんいます。「同級生」として捉えているので、正直誰がどのぐらい歳上なのか把握できていません。年齢に関わらず楽しい大学生活を送るために、安心して挑戦してほしいと思います。

就職活動に不利?

「浪人の経験があると、就職活動の時に不利になりそう」「周りより劣っているイメージを持たれるのでは?」と考える人もいると思いますが、こちらも問題ありません。就職活動において、企業は、その人の人柄や成長性、仕事に必要な能力などを見ているため、浪人しているかどうかはそれほど重要視されません。それどころか、浪人時代の経験は強みにもなります。つらくても努力し続ける力や、過去の失敗から学んで改善する力は、仕事にも通用します。浪人経験によって、むしろ自分を「レベルアップ」させるつもりで臨んでほしいと思います。

浪人のメリット

浪人しても大学生活に支障はあまりないことが分かっていただけたと思います。さらに、浪人することで得られるメリットも存在します。

大学受験に悔いを残さない

大学受験をした人であれば、「第一志望の大学に入りたい」「大学生になりたい」という想いがあるでしょう。浪人をすれば、その想いを捨てなくて良いです。大人になってからも大学に入ることはできますが、若いうちに過ごすキャンパスライフは、それとはまた違った楽しみがあるはずです。浪人をすれば、大学受験に悔いを残さず、もう一度チャレンジすることができるのです。

自分を見つめ直す機会になる

浪人期間は、それまでの高校生活とは違い、受験勉強だけをひたすら続ける期間となります。大学受験に一度失敗しているからこそ、これまでの自分の行動について振り返ったりする機会も時間もあるでしょう。

1年間、ないしはそれ以上という長い時間を過ごすこととなりますから、一度失敗した自分をフラットに見つめ直す良い機会になるはずです。

心の強さが得られる

浪人期間を過ごす間、他の同級生は一足先に大学生になっています。SNSが普及している現代では、知りたくなくても、キャンパスライフを満喫する同級生の様子が目に入ってきてしまうでしょう。遊びたいという気持ちを抑えながら、ひたすら勉強を続けるには、強い意志とメンタルが必要です。それを1年間続けることができたなら、誘惑に負けない強い心を手に入れられるでしょう。

浪人を選んだ先輩の声

メリットもある浪人という選択肢ですが、実際に浪人を選んだ先輩はどう考えているのでしょうか? 浪人経験のあるカルペ・ディエム講師陣に率直な感想を聞いてきました。

布施川天馬(1浪:東京大学卒業)

みなさんは、仮に「浪人するか就職するか」と問われたらどうしますか?  高卒で就職、それもまた立派な選択肢です。僕の母は中卒で立派に働いていますし、別に大学を出ているから偉いとかそういうことはありません。せいぜい「人より少し恵まれていただけ」でしょう。

しかし、生涯年収や職種まで考えると話は変わります。東大卒の平均生涯年収は、約4.6億。これは高卒の平均生涯年収の倍以上にものぼる額です。めちゃくちゃ暴論ですが、東大を出た人と高卒の人では時給が倍違うということ。流石に看過できません。

お金で解決できない問題もあります。しかし、世の中で直面する困難のうち、ほとんどはお金があれば解決します。だからこそ、僕は浪人を選択しました。

とはいえ、浪人するということは、一度は試験に落ちたということです。もしあなたが浪人を考えているなら、覚悟してください。浪人したあなたは、本来ならそこにいるはずがない人間なのですから。

西岡壱誠(2浪:東京大学)

僕が浪人した理由はとてもシンプルで、浪人しなかったら後悔するなと思ったからです。

というのも、東大に落ちた後のある日、夢を見たんです。その夢では、僕は浪人をしないで、東大じゃない大学に行っていました。それなりに楽しそうなんだけど、「でもやっぱり東大行きたかったな〜」って言っていた自分がいて。それでふと目が覚めた時に、ここで浪人しなかったら、ずっと東大行きたかったなって言い続けるんだろうなと思ったんですよね。

だから僕は、東大を諦めきれないと思ったから、浪人をしました。でも正直、浪人って大変だし、いいものでもないです。諦め切れるなら、諦めて違う道に行くのもありだと思います。ただ、志望校を諦めきれないなら、その気持ちを受け入れて頑張るしかないということだと思います。

濱井正吾(9浪:早稲田大学卒業)


浪人生活はとても辛いものです。今まで横一列で生きてきた同じ年齢の人に置いていかれる絶望感は10代後半で経験するにはとても残酷なものです。人生の汚点のように思えてしまい、隠して生きたくなる人の気持ちもわかります。私もそうでしたので。でも、だからこそ、並大抵ではないリスクを背負う覚悟をしてまで浪人することを決めた自分を誇って欲しいと思います。

今、浪人している人でも安心して欲しいのは、この苦しみは必ず人生の糧になるでしょうということです。私は偏差値40の高校から9浪して早稲田大学に入りました。世間から見たら私のやっていることは自己満足かもしれません。でも、私にとってはとてつもない成功体験でした。「誰もができないと言うことを成し遂げた」経験が、自身の「無理のハードル」を高くさせてくれたのです。

今辛い経験をしている皆さんは、今後の人生で辛いことがあっても、比較基準が浪人時代になります。あの辛く苦しい日々を耐え抜いて勉強を続けた経験があるからこそ、辛いことがあっても、大きな失敗をしても耐えられます。自分は価値のある人間だという揺るぎない自信が根底にあるからです。

どうか、人より多く浪人をした私の言葉で、「下には下がいたんだ」「そんな人も今立ち直って自分の人生を前向きに生きているんだ」と思っていただければこの上なく嬉しいです。頑張ってくださいね。皆さんの将来は明るいですよ。


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私たちの講師は現役東大生で 偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠をはじめ、地域格差や経済格差などの多様な逆境を乗り越えた講師たちが、生徒の皆さんに寄り添って全力でサポートいたします。

ご質問やご相談だけでも結構ですので、お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

教育事業や出版事業での取り組みを様々な媒体を通して発信しています。自社メディア「カルペディア」では、「人生を”ちょっと”前のめりに」をテーマに、教育・学習を取り巻く様々な疑問・関心について記事を掲載しています。

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