創成館高等学校 濱井講師登壇「なぜ勉強をすることが大事なのか?」

カルペ・ディエム講師の濱井正吾講師が2022年2月20日に長崎県にある創成館高等学校の2年生に講演を行いました。

1時間の講演では、濱井講師の経験なども交えながら、勉強する意味について触れていました。

本記事では、この講演の様子をメディア事業部の布施川天馬がレポートします!

目次

自分は「浪人のプロ」だ

「はじめまして!今日長崎に参りました、濱井正吾と申します」

 どこか緊張した様子で始まった今回の講演会、生徒たちも、少し硬い表情から始まりました。しかし、その緊張もすぐにほどけます。その理由は……

「私のことを知っている人、手をあげてみてください!」濱井講師の元気な問いかけに、何人かから手が上がります。彼はバンカラジオというユーチューバーとともにYouTube活動をしており、人気SNSのTwitterでも数万フォロワーを獲得するほどのインフルエンサー。濱井講師の卓越したギャグセンスが光ります。この話をしたあたりから、生徒たちも一気にリラックスした様子でした。

 さて、自分の出自について一通り語った濱井講師は、自分のことを「浪人のプロ」であると言いました。浪人のプロとはいったいどんな人間なのでしょうか。続いて話を伺ってみます。

浪人とは

 続いて濱井講師が本題として持ち出したのは「浪人という言葉を聞いたことはあるか」という質問。浪人とは「大学受験でどこにも合格しなかったがために、どこの大学にも属さないままで受験勉強をするという状態」と定義します。濱井講師自身、就職しながらも浪人生活を続けていたことから、働いている人もいるよ、と付け加えました。

 さらに有名人の浪人履歴にまで話は広がります。岸田総理や人気お笑い芸人のクロちゃん、はたまた弊社講師の西岡壱誠も実は二浪(二回の浪人)の経験者であることを明かすと、生徒からは意外そうな声が上がっていました。

 そして、濱井講師は自分の浪人経歴まで明かします。そう、実は彼は9浪して早稲田大学に合格した9浪経験者なのです。9年間も受験勉強を続けていたことを明かすと、流石の生徒たちも驚いた様子でした。

 続いて濱井講師は「どうして自分は9浪もしてしまったのか」という質問を生徒に向けて投げかけます。彼はこの理由を「なぜ勉強することが大事なのか?」という問とも重なる部分があると言いました。いったいどうして浪人と勉強する理由が結び付けられるのでしょうか?

受験を志した理由

 濱井講師は高校生だった頃の話を始めます。野球部だったこと、いじめられていたこと、それが原因で「自信がない子」になってしまったこと……。そして、そこから「いじめた人を見返したい」と考えるようになったことを語ります。

 当時はネットゲームをやっていたという濱井講師。そのゲームの中でできた友人たちにこれからを相談していたところ、「大学に行けばいいじゃないか」とアドバイスを受けます。そうして大学受験をしようと決めたのだそうです。高校2年生の時のことでした。

 そんな中で彼は大きな問題に直面します。「勉強のやり方」が分からないのです。学校のカリキュラムも進学校のような進んだものではなく、周囲に勉強で頼れるような人もいなかったので、「be動詞」や「(当時の)総理大臣の名前」すらも分からない状況から彼の受験はスタートしたのでした。

 彼は、最終的に推薦入試を使って滑り止めの大学へ入学されました。しかし、せっかく入った大学も絶望してしまったと言います。なぜならば、高校とほとんど変わらないようなすさんだ状況だったから。授業中でも平気でしゃべる同級生、たばこの吸い殻が散乱した校舎……これでは大学に言った意味がありません。

自分を変えるために

 ある日、濱井講師は、他大学の学生生活がどんなものか知りたいと思い、同志社大学や京都大学などの学生と交流する会へ向かいました。すると、そこで待っていたのは、濱井講師が「人生で一度もあったことの無いような人間」たち。何か悪いことがあっても他の人のせいにせず、勉強で積み重ねてきた自信にあふれているような人たちでした。

 「自分も勉強しないと自己中心的な逃げ続ける人間になってしまう」そう考えた濱井講師は、18歳の5月、大学に入学してすぐに受験勉強を始めました。その甲斐もあり、龍谷大学に編入学試験で合格することに成功しました!

 この経験を濱井講師は「人生で初めて『努力したから報われたんだ!』と感じることができた」と振り返ります。

受験成功、しかし……

 しかし、彼を待っていたのはさらなる絶望でした。それは、周囲の学生に比べて思考力がないということ。自分には周りの学生たちが持っているような賢さがないと思えたのです。それはなぜか。考えた末に「受験勉強で英語の勉強しかしていなかったので、受験勉強で得た知識がないから」だと思い当たりました。

 自分は、自分の力で合格を勝ち取らないと、一生自分に自信が持てない。そう考えた濱井講師は、前向きに生きていける自信をつけるために、さらなる受験勉強を始めます。

 とはいえ大学を辞めたわけではなかったので、結局そのまま大学を卒業することになりました。就職活動でも大きな成功はなかったので、社会に出てからも受験勉強にこだわろうと強く考えたのだとか。

 そうして社会人になった濱井講師。しかし受験勉強は終わりません。昼は社会人、夜は予備校に通いながら勉強を続ける生活を二年半続けています。彼は受験勉強のために、最初に就職していた証券会社を辞めるほど、受験に対して本気でした。

「勉強」に流した涙

 こうして22歳の時、初めて予備校で授業を受けた濱井講師。そこで彼は泣いてしまったのだそうです。その理由は「勉強を教わる環境に来ることができたこと」に感動したからでした。初めて受験勉強に専念できるような環境に来ることができたという事実が、あまりに幸せであると感じられたのでした。

 ここで濱井講師は「勉強ができることって、実は当たり前ではない」ということを強調します。大人になってから勉強することは難しい。学生の今だからこそ勉強することが当たり前になってしまっているけれども、気が済むまで勉強できる環境は、今しかないのだということを力強く伝えました。

 仕事終わりで眠くても、どんなに周囲から馬鹿にされても、勉強できる喜びを毎日噛みしめ続けた。だからこそ、時には心無い言葉を投げつけられることがあっても、耐え忍ぶことができたのだ。

 そうして仕事で受験費用300万を貯めた濱井講師は、ついに毎日勉強にふける環境が構築できるようになりました。そこから、すべての生活を受験一本に絞るようになります。

 そうして、2018年2月27日、ついに念願だった早稲田大学に合格することができたのでした。

努力の総量で超える

 ここで、濱井講師は自分の受けていたいじめについて振り返ります。「お前をいじめていた相手はみんな忘れているから見返せてない」そんな意見をもらうこともあったのだと言います。しかし、濱井講師は「自分は努力の総量で必ず彼らに勝っている。だからそれでいいのだ」と返しました。

9年間も恋焦がれた大学へ、入学することができた。これは誰もやったことがないことであって、価値があることだ。これのおかげで、心から自分を信じられるようになった。だからこそ、自身を受験で手に入れることができたから、もうよいのだ。

ここまでを振り返って、濱井講師は「勉強は自己満足だ」と締めくくります。自分が自分らしく自信をもって生きるために、必要なものなのだ。だから、人は勉強をしているのだ。これこそが、冒頭で述べた「なぜ自分は9浪もしてしまったのか」ひいては「どうして勉強は必要なのか」の理由でした。

講演の最後に、彼はメッセージを残します。「何度人生で失敗しても自分次第でいくらでも方向転換できる。人生はいつからでもどこからでも夢をかなえることができる。だって、僕の卒業式の写真、こんないい顔で卒業式に出られてるんですよ。4年間で、こんな人生でよかったって確信が持てたからです。みなさんも、今回の話から何かを持って帰ってもらえればと思います」

続いて行われた質疑応答では「どうして早稲田大学を受けようと思ったのか」という質問が出ました。濱井講師はこれに対して「自分が15歳の時に早稲田の野球部の試合を見に行ったことが印象的だったから。ここから早稲田が好きになったのだ」と返していました。

また「自分も早稲田大学に行きたいが、どうすれば行けるのか」という質問に関しては、「早稲田に行くには色々な手段があるから、それらの中で、一番自分に自信がある種目で受けよう」というアドバイスを返していました。

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この記事を書いた人

東京大学文学部。世帯年収300万円台の家庭から東大へ合格。現在学業の傍ら、ライター、作家活動や講演活動を通して逆転合格のノウハウを広める。日刊SPA!、プレジデントオンライン、東洋経済オンラインにて連載経験あり。ゲームとマンガが趣味。

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