東大生に「幸福度」について聞いてみた!

受験生にとって「大学合格」は人生の大きなゴールの一つかもしれません。
ですが、大学入学後にどんなことをしたいか?どんな人生を描いて行きたいか?皆さん、考えていますか?

今回は「東大合格」という大きな目標を達成した東大生たちに「幸福度」をテーマに話を聞いてみました。

入学前の幸福度と今の幸福度にはギャップがあったのでしょうか?
またそこにはどんな要因や不安があるのでしょうか?赤裸々な声を集めました。

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幸福度が「下がった」と回答した東大生

Aさん 120→100→80→60

入学前:120
入学後:100(1年生)→80(2年生)→60(3年生)

徐々に刺激がなくなってしまい、下がりました。
大学1年生のときは、何もかもが初めてのことだらけでもちろん楽しかったです。
ただ私の性格的に、自分の中で心が燃えるような大きな目標(東大合格など)に向かっている瞬間が一番楽しいし生きている実感があるので、今思い返すと一生懸命受験勉強していた時間が一番充実感がありました。

Bさん70→40

入学前:70
入学後:40

コロナ禍で高校生活を過ごしたので、高校時代は絶望感がありました。特に部活動で立てていた目標を達成する機会が奪われてしまったことが大きかったです。そんな中、東大合格に向けた勉強は、目標達成の経験として救われました。

ただ入試問題自体に惹かれていたこともあって、入学後に何をしたいなど、何も考えていなかったので、入学後の実感が薄いです。今は子供たちの笑顔に触れるボランティアや活動を通じて、幸福を得ています。

幸福度が「(ほぼ)変わらない」と回答した東大生

Cさん 100→100

入学前:100
入学後:100

入学する前は「何でもできる感」がありました。浪人していたのもあり、念願の大学に合格したことはとても嬉しく、同時に「これから何でも好きなことを勉強できる」と感じていました。

入学後は程々に好きな勉強をしていましたが、専門分野やサークルにガッツリとのめり込んでの活動はしていなかったので、幸福度は70くらいに一時低下していました。とはいえ、今、東大生という肩書きで新しいことにも挑戦できていますし、図らずとも自分が楽しいと思えることを追求できている実感はあるので、100に戻ったという感じです。

Dさん 100→10→95

入学前:100
入学後:10(2年生)→95(現在)

東大に入るくらいまでは完璧な人生を自負していたので幸福度は理論値Maxの100でした。私の人生こそ「幸福」のイデアだと。

ですが、大学途中で挫折して、毎日泣いてたときはいつもどうやったら自分に非のない形で世間に惜しまれつつ逝去できるか考えるくらい落ち混んでしまいました。ただ幸いにも実家で生活には困らず、この状況でも生きていけるのはツイてるなと思ったので10くらいだったと思います。今は人生が100点満点じゃなくても幸せを感じていいんだと思えているので95点くらいです!

Eさん 90→90

入学前:90
入学後:90

健康でお金の心配も今の所なく、人間関係にも恵まれているので幸福だと感じています。ただ、100ではないのは常に将来に対して漠然とした不安があるからです。

物理が好きで比較的得意なので理物に進みましたが、進振りの点数も理物の中では高くなく、自分の実力で入れるギリギリぐらいの学部です。大学での物理を特別予習をしていたわけではないのでいつか落ちこぼれになるのではと不安に感じています。

こういった気持ちは今に始まったことでなく、小学校の頃に行ってた塾、進学校の中高、東大前期教養で常に感じていたことなので、慣れていることもありなんとか耐えながら生きています。

しかし、不安の本質は変わってきているような気がしています。以前の不安は勉強に対する不安でしたが、学年が進むにつれて落ちこぼれても生きていける自信のなさ故の不安に変わってきているような気がします。ここまで勉強してきて、経験や社交性など色々捨ててきた自覚もあります。その上、中学校以降あまり勉強していない人の集団の中に入ったことがないためそこはかとない恐怖を感じます。

僕は勉強することでこの不安から逃れることができてますが、好きで勉強できる科目があるから頑張っているだけで、勉強が嫌いであれば耐えられないと思います。高校の後輩と話す時、「勉強が嫌いだから最低限の努力で旧帝ぐらいは行きたい」と言われることがあるのですが、その度に「旧帝なんか行ったら5教科のどれかの勉強からは逃げられなくなるよ」と話しています。

いい大学に入れば将来安泰とよく言われますが、安泰である確率は比較的高いものの努力をやめていいわけではないです。なんなら小学校の時は「いい中学に入れば〜」と言われ続けてたので、かなり長い間騙されているような気もします。人間は一生学び続けなければ生きていけない生き物だと思うので努力の必要性は変わらないでしょうが、学ぶ選択肢は国数英理社だけじゃないはずです。コミュ力や体力などそれぞれ学ぶべき力はその人の社会的立場によるはずです。学ぶ教科が早めに決定してしまい、そこから逃げられない(少なくとも逃げにくい)うえに、失敗した時のリスクも変わらず存在するのなら、今までの努力の割に見合っていないと感じなくもないです。

まとめ

今回は東大生5人に話を聞いてみました。
いい大学にいけば、いい人生を送れる、幸せになれるというのは、当たり前ですが完全な方程式ではなく、入学後も悩みや不安はつきまとうものだというのがわかります。東大合格という大きな目標を達成したからこそ、喪失感や次の目標への壁、自分の人生へ求めるハードルの高さがあるのかもしれません。

一方で、Cさんのように東大生という肩書きを使った活動を始め、新たな目標ができ、自分のことを整理できていくと幸福を維持できているように感じます。

大学で何を学びたいのか?大学で学んだことを次にどう活かしていくのか?といった次の目標を考えながら過ごすことで、大学に入ってからの生活もイメージしやすくなるでしょう。とはいえ、捕らぬ狸の皮算用で終わらないように、まずは目の前の受験勉強に専念することが第一です。

そして、Eさんが話しているように「大学に入ったからといって努力はやめていいもの」ではありません。あくまで大学合格は通過点。それからどんな人生を歩みたいか、どんな人間になりたいかをしっかり考えることで、幸せに近づけるかもしれませんね。

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この記事を書いた人

出版編集部、メディア事業部。現在はメディアに限らず多くの学生のディレクションを行っている。大学生の頃は、空手等の武道に勤しむ。趣味はHIPHOP、アニメ鑑賞、マンガ、TCG。

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