【試し読み】選抜入試の教科書

この本は『選抜入試の教科書』というタイトルですが、みなさんは選抜入試というものをどれくらいご存じでしょうか?
「なんか最近増えているらしいね」という程度の認識の人もいるかもしれませんが、はっきり言って、あと5年もしたら、一般入試で大学に進む人よりも選抜入試で大学に進む人の方が圧倒的に多くなります。
それくらい今の大学受験は変革期に突入しており、選抜入試は急激に拡大しているのです。
たとえば、早稲田大学は推薦型選抜入試の募集枠を通常では考えられないスピードで増やしていて、なんと2026年までに全体の6割まで引き上げるという目標を掲げているほどです。現在は一般入試が6割ですので、その数字が逆転するということです。

それくらい、選抜入試は新時代の大学受験のスタンダードになる可能性を秘めているのです。
しかし現状、体系化された選抜入試の対策は存在しません。世間のイメージとしては、「一般入試より楽」と考えられているわけですが、選抜入試の方が対策という点では非常に難易度が高いと言えます。
なぜなら一般入試のような、過去問の量や勉強時間などの具体的な指標がないからです。一般入試であれば、「毎日何時間勉強すればいい」「これくらいの成績ならこの大学に行けるよ」といった指導が可能です。70年以上日本ではそういった指導がされていて、ほとんどの塾や学校に対応可能な人材がいます。しかし、選抜入試はここ数年で急増しているわけですから、情報がほとんどありません。多くの学校や塾が「なんとなく」で対策しているのです。

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※本稿は、クラウドセンバツ(著)西岡壱誠(企画)『選抜入試の教科書』(星海社新書)の一部を再編集したものです。

選抜入試とは何か?

まず、選抜入試についての前提知識からみなさんにお話ししたいと思います。大学に入るための入学試験の中で、今まで主流だったのが学力を測る試験を受けて合格を勝ち取る、いわゆる「一般入試」と呼ばれる形態です。ですが今、それ以外の選抜入試が増えてきています。

そして選抜入試には主に2つの形態があります。学校推薦型選抜と、総合型選抜です。「あれ?AO入試は?」と思うかもしれませんが、それは昔の名前です。2021年から名称変更が行われました。
推薦入試→学校推薦型選抜入試AO入試→総合型選抜入試と改められました。なので今では「AO入試」というものは存在せず、同じものが総合型選抜入試と呼ばれているのです。もう1つの学校推薦型選抜入試は、言葉の通り学校からの推薦があって選抜される形態の入試を指します。逆に、総合型選抜入試は、学校からの推薦が必要ない形態の入試になります。これが2つの選抜入試の違いです。

学校推薦型選抜入試(旧推薦入試)
→学校長の推薦が必要で、「指定校推薦」と「公募制推薦入試」の2種類がある。

総合型選抜入試(旧AO入試)
→学校の許可がなくとも自らの意思で出願できる。
→一定水準の学力(各大学の実施する試験、共通テスト等の成績、英語資格やその他検定、評定平均値など)が要求される。

後者の公募制推薦入試は、その評価の基準が厳しいことが少なくありません。国公立に多く、専願であることも多いです。数年前から東京大学の入試でも推薦入試が導入されていますが、これも公募制推薦入試の形態です。

この本について

この本は、選抜入試に一石を投じるために作られました。我々クラウドセンバツでは、選抜入試対策の情報を集め、早慶上智・MARCH・関関同立・国公立をはじめとする難関大学の指導を年間300人程度に行っています。
そして我々自身も、そんな推薦入試を勝ち抜いてきた大学生コーチが中心の集団です。評定が低いところからMARCHなどの難関大学に合格した講師、英語資格を利用して早慶ICUに合格した講師、課外活動に参加して合格した講師など、それぞれの弱みを強みに変え、大学でやりたいことを明確にして将来の目標を書くことで、合格という結果を得ることができました。
だからこそ、選抜入試の合理的な対策をお教えできるのです。この本が、みなさんが選抜入試というものを正しく理解し、多くの人が選抜入試という選択肢を真剣に考えるきっかけとなればと願っています。


選抜入試の教科書

著者:クラウドセンバツ
企画:西岡壱誠
出版:星海社新書(2023/8/22)

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ご相談から受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

教育事業や出版事業での取り組みを様々な媒体を通して発信しています。自社メディア「カルペディア」では、「人生を”ちょっと”前のめりに」をテーマに、教育・学習を取り巻く様々な疑問・関心について記事を掲載しています。

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