2025年7月28日、笠間書院より『東大理III 合格の秘訣 Vol.40 2025』が発売されました。
本書の企画・取材・執筆・デザインを手がけたのは、西岡壱誠を中心とした、カルペ・ディエムのメンバーたち。メンバーが一丸となって、受験生にとって本当に必要な“合格のリアル”を届けるために取り組みました。
本記事では、本書に掲載された29名の物語の中から、「𠮷原里香」さんのインタビューを一部紹介いたします。
𠮷原さんは、高校1年生の夏から行ったアメリカ留学で、世界の広さを実感しました。自らの意思で夢に向かって主体的に進もうとする海外の学生の姿に惹かれる一方で、どうしても文化や言語の壁に阻まれて海外大進学は現実的ではありません。そこで、国内で人体や生物について学べる東大理Ⅲを志望するようになりました。
留学経験を経て感じた息苦しさ
私が受験を意識し始めたのは、高校1年生の冬です。高1の夏から翌年の1月まで、アメリカに留学しました。現地の方々に温かく迎えられ、充実した日々を過ごす一方で、「言葉の壁」を感じ、海外大学への進学の難しさも知りました。学問を専門的にやるならば、海外だと語学や文化になじむ上でどうしても準備期間が必要になります。
私が半年アメリカの学校で学ぶことができたのは、日本のカリキュラムの進度のほうが早かったからであって、そうでなければもっと苦労していたと思います。やはり、海外での学びには一定のハンデがある。そう感じた私は、専門的な学びの第一歩は日本で踏むべきだと感じました。
ただ、海外に見切りをつけたわけではありません。アメリカのクラスメートたちは皆、自分の意思をしっかりもち、夢に向かって主体的に進もうとしていました。それに対して、日本での教育環境は、皆が同じレールに乗っているようで、息苦しさを感じます。
私の通った中高一貫校は、第一志望ではありませんでした。だからこそ、せめて大学は自分で選んだ第一志望に行きたかった。当時からなんとなく東大に行きたい思いがありましたが、帰国後にいろいろ調べる中で、専門を確定せず入学できる教養学部の制度などに惹かれ、東大を本格的に志望するようになりました。
当初、理Ⅲ志望を決めたのは、根拠はありませんが理Ⅰはいけそうな気がしていて、を続ける理由として、高みを目指したかったからです。
医学部を目指したのは、もともと人体や生物について興味があったことも大きな理由として挙げられます。中学3年生で受けた学校の生物の授業が面白かったんです。自分の身体って知っているはずなのに、自分の知らないところで精緻な生命活動が日夜継続されている。これってすごいことだと思うんです。人体について学び、その知識を人との関わりの中で活かしていける医学という分野、そして医師という職業に惹かれたのは、ごく自然な流れだったと思います。
鉄緑界での勉強を優先
中学の頃は、スカッシュ部に所属していて、平日休日問わず、毎日4〜5時間くらい勉強していました。
平日は、朝起きてから学校が始まる前に1時間勉強して、帰宅してからも3時間くらい勉強といった流れ。定期考査の前は8時間くらい勉強していましたね。学校の課題が多かったので、勉強する内容には困りませんでした。
母校の勉強内容は鉄緑会の中学部でやっているような感じで、宿題も多いし、テストもちょくちょくあって、カリキュラムはすごく良かったですね。確かに要求される量は多かったかもしれませんが、きちんとこなせば、確実に力がついていく実感がありました。高1くらいまでは鉄緑会の授業内容と比べても遜色ないレベルだったと思います。
ただ、高2・高3あたりになると、さすがに問題演習の質と難易度において、鉄緑会がどんどん上を行くようになります。それくらいになってからは、鉄緑会での勉強を優先したほうがいいと思います。
続きは『東大理III 合格の秘訣 Vol.40 2025』でぜひご一読ください!

東大理III 合格の秘訣 Vol.40 2025
監修:西岡壱誠・じゅそうけん
編著:東大カルペ・ディエム
東京大学理科三類は、日本の大学受験で最難関だと言われている学部であり、医学部進学を目指す国内屈指の秀才が集うことで知られています。
本書は、毎年合格者約100名のうち20-30名に取材・アンケートを実施し、それをまとめたものになります。
どんな親のもとで、どんな受験勉強をして、どんな苦労があったのか?その軌跡を辿ります。


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