大学入試の面接対策!志望理由の書き方・面接での話し方!〜合格者の実体験とNG例〜

大学入試の面接対策!志望理由の書き方・面接での話し方!〜合格者の実体験とNG例〜

近年、入試制度の多様化が進み、私立大だけでなく、国公立大でも総合型選抜・学校推薦型選抜(旧AO・推薦)の割合が増加しています。以前は「推薦」を利用して大学に入学する学生は少数派でしたが、なんと今では約半数の学生が推薦の制度を利用しています

総合型選抜・学校推薦型選抜で必ず問われるものと言えば…「志望理由」!
しかし、「志望理由で何を話していいのか分からない…」という方も多いと思います。

そこで本記事では、志望理由の作成に役立つ情報をまとめました!
「志望理由では何が問われるのか?」「志望理由の構成や内容」「実際の面接での話し方」だけでなく、実際に私が東京大学教育学部の推薦入試に合格したときの志望理由も紹介しています!

志望理由の作成の際に必ず役に立つ内容ですので、ぜひ最後までご覧ください!

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目次

志望理由では何が問われるのか?

総合型選抜・学校推薦型入試で提出をする志望理由書や面接では、「志望大学や学部に進学したい理由」が必ず聞かれます。大学の試験官が志望理由書や面接を通して知りたいのは、「なぜ、この学部や分野に興味を持ったのか」「たくさんある大学の中で、なぜ本校を選んだのか(その大学でないといけない理由)」ということです。

志望理由で問われていることは主に以下の2つです!

・自分が大学で学びたい内容と希望する大学・学部が結びついているか
・「過去→現在→未来」という時間軸で内容に一貫性があるか

それぞれ解説をしていきます。

自分が大学で学びたい内容と希望する大学・学部が結びついているか

志望理由では「自分が大学で学びたい内容」を書いた上で、「その学びを実現するには、○○大学の△△学部ではないといけない」と説得力をもたせて説明をしなければいけません。

例えば、以下のような志望理由はどうでしょうか。

「私は高校2年生の時に2週間の短期留学でアメリカに行った経験から、○○大学の△△学部に進学し、英語力をより高め、異文化を学びたいと思いました。」

上記のように、英語力を高めたい・異文化を学びたいという理由だけだと、「○○大学△△学部でなくても良いのでは?」と試験管も思われてしまう可能性が高いです。

そこで、自分自身が希望する学部や分野に興味を持ったきっかけを深掘ったり、希望する大学や学部でしかできないことを明確にしたりする必要があります。また、具体的な教員名や研究室名を挙げて「△△をご専門とする□□先生のもとで学びたい」などと書くと、より具体的になります。

「過去→現在→未来」という時間軸で内容に一貫性があるか

志望理由で重要なのは、「過去→現在→未来」のつながりに一貫性があることです。一貫性のある志望理由にするために、現在を軸に以下のステップで考えてみましょう。

① 今、興味を持っている分野や学部を考え、「大学で学びたいこと・やりたいこと」を言語化する(現在)
②「高校時代にしてきた経験や活動」を振り返り、なぜ⑴に興味を持ったのかを考える(過去)
③ 大学卒業後、将来的にやってみたいことを考える(未来)

ここで大切なことは、自分の今までの活動や考えに対して、徹底的に「なぜ」を問うことです!

・なぜ部活を頑張ったのか、なぜ大会で優勝できたのか
・なぜ留学に行こうと思ったのか
・なぜ○○大学の△△学部に行きたいのか

というように、「なぜ」を自分自身に問うことで一貫性のある志望理由になります。

なぜ志望理由が大切なの?

試験官は志望理由で受験生の熱意や意欲を評価しています。そして、志望理由は推薦型の入試において必ず問われるものです。ですので、総合型選抜・学校推薦型選抜の合格のカギは志望理由の内容にあると言っても過言ではありません。

特に面接では、志望理由書や筆記試験では測れない受験生の人柄や将来性を見られるため、自分自身の原体験や将来の目標を具体的に話すことが合格につながります。

熱意や意欲が伝わる志望理由をつくるために、以下のことを実践してみると良いでしょう。

・大学や学部についてホームページで調べるだけでなく、オープンキャンパスなどに足を運び、在学生や先生方から直接話をする
・各大学のアドミッション・ポリシーの内容を理解し、どのような能力(例えば、主体性やコミュニケーション能力、リーダーシップなど)が求められているのか意識する
・大学の特徴や学べることの内容、自分は特に何を学びたいかについて自分の言葉で説明ができるようにする

このように、熱意をアピールするためには志望校を深く理解して、志望校での学びと自分のやりたいことが合致していることを自分の言葉で語ることが一番重要です!

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志望理由の作り方

志望理由の内容や重要性について理解したところで、いよいよ志望理由の作り方をご紹介します。今までのまとめになりますが、志望理由には以下の3つ内容を入れる必要があります。

・「志望大学と学部・学科に進学したい理由」
・「志望大学を目指すようになった/志望学部に興味をもったきっかけ」
・「大学入学後に具体的に何を学びたいか」

そして、この3つは、「過去→現在→未来」という時間軸で内容に一貫性があることが重要でした。

とは言え、いきなり志望理由を考えるのは難しいので、以下の手順で志望理由を作ってみることをおすすめします!

① 自己分析をして過去の経験を振り返る
② 志望大学・学部について調べる
③ 志望大学・学部と自分の接点を見つける
④ 文章化する

①自己分析をして過去の経験を振り返る

まず、自分の経験・体験を思い起こし、自分を見つめ直してみましょう。

例えば、興味があること、熱中したこと、得意なこと、苦手なこと、挫折した経験、将来やってみたいことなどを考え、箇条書きで良いので書き出していきましょう。ここで重要なのは、先ほどもご紹介した「なぜを問う」ことです。「なぜ部活に熱中したんだろう?」「なぜ自分は○○が得意なんだろう?」…というように徹底的に「なぜ」を問い、思い付いたことはどんどん書き出していきます。

この振り返りをもとに、志望大学・志望学部・将来やりたいことなどと結びつけます。

②志望大学・学部について調べる

各大学のホームページやオープンキャンパスを活用して大学・学部について調べてみましょう。

インターネットで調べられる情報も重要ですが、在校生や先生に直接お話を伺った方が、より具体的なことが分かるので、オープンキャンパスに行くことはおすすめです!また、先輩で志望大学に進学した人がいれば、実際の大学の雰囲気や授業の様子などのリアルな情報を聞くと良いですね。

オープンキャンパスに参加した際に伺った話や感じたことは記録しておきましょう。志望理由書を作成する際や面接での受け答えの時にオープンキャンパスの話を入れることで、熱意をアピールできます。

③志望大学・学部と自分の接点を見つける

次に、志望大学・学部と自分自身の接点を見つけましょう。

「なぜ志望大学で○○を学びたいのか」「志望大学に興味を持ったきっかけは何か」など、を考える上で志望大学と自分の接点を見出すことが大切です。①の「自己分析をして過去の経験を振り返る」、②の「志望大学・学部について調べる」を結びつけるイメージです。

④文章化する

最後に志望理由を文章にしてみましょう。

基本的には、以下の順番で書いていくことをおすすめします!

・「志望大学と学部・学科に進学したい理由」
・「志望大学を目指すようになった/志望学部に興味をもったきっかけ」
・「大学入学後に具体的に何を学びたいか」

最初は長くなってしまってもいいので、書きたいことは全部入れて文章を作ってみましょう。完成した文章は自分自身で何度か読み直したり、学校の先生・家族・友達など自分のことを良く知っている人に添削をしてもらったりすることでブラッシュアップされていきます!

1回で良いものが出来上がることはほぼ無いので、何度も書き直して、熱意や意欲が伝わる自分だけの志望理由を作成しましょう。

ノートに文字を書いている様子

面接での志望理由の答え方 〜ポイントとNG例〜

総合型選抜・学校推薦型選抜の選抜方法には面接がある場合が多いです。しかし、「どのように答えれば良いか分からない」「マイナスな印象を与えてしまったらどうしよう」など不安がありますよね。

そこで、次は面接志望理由を答える時のポイントや注意点とNG解答例をご紹介します!

面接で志望理由を答える時のポイントや注意点

総合型選抜・学校推薦型選抜の面接で志望理由を伝える際のポイントは主に以下の4点です。

① 結論から話すようにする

「私は○○という理由で○○大学△△学部への進学を志望しています。なぜなら、~」というように、結論から示して説明していくと、試験管が理解しやすく説得力も増します。「結論→理由→具体的なエピソード→まとめ(結論の繰り返し)」という話し方を意識しましょう。

② 1回の回答時間は1分程度にする(長くても2分以内)

短すぎると熱意が伝わりにくいですし、長すぎると何を伝えたいのか分からなくなってしまいます。面接の練習では時間を計ったり、動画を撮ったりして確認することをおすすめします。

③自分の言葉で話すようにする

大学のホームページやインターネットに書いてあることを話すのではなく、自分自身の経験に基づいたオリジナリティのある話をするようにしましょう。

④大きな声で聞き取りやすい速さで話す

これはダメ!志望理由を聞かれた際のNG回答

次に、面接でやってしまいがちなNG回答例をご紹介します。

質問「本学の△△学部を志望する理由を教えてください」

NG回答①「親や先生に勧められて…」

最初のきっかけとしてはOKですが、この回答だと自分自身で主体的に志望している姿勢が見られないですよね。実際に勧められたとしても、「なぜ自分が志望大学・学部を選択したのか」を明確に伝える必要があります。

NG回答②「志望理由書の内容の丸暗記」

試験官は志望理由書を読んだ上で面接をしています!志望理由書の丸暗記はセリフを読んでいるようで不自然ですし、同じ内容を繰り返しても意味がないので志望理由書には書いていないことや、自分の熱意がアピールできるエピソードなどを伝えるようにしましょう。

面接では事前準備は非常に重要です。たとえ緊張していても自分の想いがしっかりと伝えられるように面接練習はたくさんしましょう!

大学入試の面接を受けている様子

東京大学教育学部の推薦入試に合格した志望理由の紹介!

次に、実際の志望理由の内容をご紹介します!

今回は東京大学教育学部の推薦入試に合格した志望理由書の内容をご紹介するので、志望理由を作成する際の参考にしてください!

東京大学教育学部の推薦入試の志望理由書

「東京大学教育学部を志望する理由、高等学校等在学中の自己の活動の成果、大学卒業後の自己の将来像等について入力してください。」

私は将来、『生徒一人一人の「自分が社会を変える(つくる)主体である」という意識を育み、それぞれの主体的な社会参画を実現する教育学』を構想したい。このビジョンを掲げる背景には、多くの人が自分を取り巻く社会に対して主体意識を持っておらず、無関心、あるいは自身の参画に価値を見出していない現状への強い問題意識がある。在学中の学校内外での活動経験を通して、一人一人が主体となって能動的に社会に参画していくためには、学校教育現場において生徒の主体性を育む取り組みを重視する必要があると考えた。学校生活の中で「自分が学校を変える(つくる)主体である」という意識を持つことができれば、地域や社会に範囲が拡大した際にも主体的な参画が期待できるからだ。

在学中の活動として、中学・高校の6年間、生徒会役員を続けてきた。特に高校2、3年生で生徒会長を務めた際には、生徒主体の学校づくりに向けた活動が評価され、一般社団法人生徒会活動支援協会が実施する「日本生徒会大賞2019」において、学校の部で「大賞」、個人の部で「奨励賞」を受賞した。生徒会活動の経験から、学生時代に主体性を育むことの重要性を強く感じ、学校教育の中でもより体験的で実践的な活動が可能な生徒会活動を有効活用していくべきだと考えた。こうして、「生徒の主体性を育む生徒会活動の在り方」に課題を設定し、自主的に探究活動を行った。今後は汎用性の高い「生徒の主体性を育む生徒会活動の実践プログラム」を研究・開発していくとともに、「生徒一人一人があらゆる活動範囲においても主体となること」を中心に据えた教育学を構想していきたい。

貴学教育学部を志望するに至ったきっかけのひとつは、オープンキャンパスに参加した際に教育学部の先生方や学生、大学院生から直接話を伺い、多彩な視点から教育学研究が可能な学習環境に魅了されたことである。また、主権者教育の研究を行っている先生とも話をすることができ、在学中に行ってきた探究を貴学でさらに追究したいという気持ちが高まった。今後は多角的な研究に加え、国内外の様々な教育現場で実践経験を積み、政治的中立性など教育をめぐる諸問題にも目を向けることで、学問横断的な視点から教育を捉えていきたい。貴学は総合的で多様な学びに開かれているだけでなく、付属中学校での教育実践の場も整備されている。また、教員一人あたりの学生数が少ないため、先生方や学生との深い対話と議論が可能であり、密度の濃い探究に取り組める。教員養成を中心とした教育学部が多い中で、貴学は研究者の育成に力を入れており、卒業後の進路は大学院への進学をはじめ、その他にも様々な形で教育に携わる道が開けている。このように、教育学を追究していく場として貴学は最高峰であり、この恵まれた環境を最大限活用したい。

私の夢は、生徒一人一人の主体性を育む教育の在り方を突きつめ、その研究を教育現場に生かしていくことだ。それには実践が必要不可欠であり、研究者と教育現場の実践者とを切り離して考えることはできない。そのため、「理論」と「実践」を融合してい姿勢をとり、大学卒業後は教育現場との協働関係の中で学びを深めながら研究を発展させていきたい。以上の理由から、充実した環境の下、幅広い視点から教育学を追究できる貴学教育学部への進学を強く志望する。

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まとめ

いかがだったでしょうか?

本記事では、志望理由の構成や作り方から、実際の面接での話し方まで徹底解説しました。志望理由を作成することは容易ではないですが、少しでも参考になれば幸いです! 


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この記事を書いた人

東京大学教育学部の4年生。中高6年間の生徒会活動の経験から「主体性を育む生徒会活動」に興味を持ち、大学でも探究を続けている。2023年8月からはスウェーデンのストックホルム大学に留学し、北欧の教育を学ぶ予定。趣味は旅行と料理。

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