“家出少女東大生”に聞く「自由に生きる」ことの喜びとは?

“家出少女東大生”に聞く「自由に生きる」ことの喜びとは?

東京大学といえば、日本最難関クラスの大学。そこに通う学生の多くは、小さなころから塾通いをして名門中高を通ってきた、いわゆる「エリート」たちです。
しかし、それがすべてではありません。一部には、まったくエリートらしからぬ道筋をたどって東大に合格した学生もいます。ここでは、元落ちこぼれや休学経験者など、「普通の東大生」らしからぬ道を辿って東大へ入学した、みなさんの知らない「リアルな東大生」の姿をお届けします。

今回お話を伺うのは、柊紗奈さん。東京大学に通う二年生です。
彼女には、普通の東大生にはないある秘密があります。それは、親の厳しすぎるしつけが嫌になって家を飛び出してきた家出少女であるということ。いまは一人で自由な生活を謳歌している柊さんですが、その半生は波乱万丈なものだったといいます。

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現在の活動について

そんな柊さんは、現在どのような活動をされているのでしょうか。

柊紗奈
「いまは、カルペ・ディエム所属のインターン生として、高校生を相手に講演をしたり、ライターとして記事を書いたりする活動をしています。私は厳しい親に抑圧されて育ってきましたが、そういう生徒さんも中にはいるでしょうし、地方から東大に入りたいと思う人も中にはいるはずです。そういった人の助けになれればと思ったんです」

もともとドラマ『ドラゴン桜』を見て、その斬新さに心惹かれていたという柊さん。その『ドラゴン桜』と志を同じくする我々の活動に参加したいと思ったそうで、募集の広告を見るやいなや飛び込んできたそうです。

また、厳しい親に育てられていた柊さんは、親の言いつけでサークルに入ることも事実上禁止されていたといいます。せっかく東京大学に入ったのに、交友関係を広げられないことが悩みでしたが、それを解決するために、家出後から魅力的なコミュニティを探していたのだそうです。

カルペ・ディエムを選んだ理由

では、どうしてカルペ・ディエムを選んだのでしょうか。

柊紗奈
「全国には、私のように抑圧されながら育っている高校生もたくさんいると思います。厳しい親に育てられたという経験。その親から逃げてきたという経験。
私が実際に体験してきたこれらの思い出が、高校生のためになればと思ったんです。家出少女で東大生ってなかなかいないと思いますが、そうすることで『自分も東大に行けば自立できるかもしれない』って思ってくれる人もいるかもしれないですよね。
そうして、未来に希望をもって前に進んでいけるようになれば、また救われる人が出てくると思います。私が声を上げることで、全国の押しつぶされている子たちの救いになれればと思ったんです」

ある時、SNSにて知り合った高校生と交流をしたという柊さん。なんと、その高校生もまた親に抑圧されながら生きていました。なんとか親元から逃げ出したい、家出がしたいというその人へ向かって、柊さんは「私は東大に受かってから家出して逃げてきたよ」と自分の経験を伝えました。

すると、その高校生はやにわに元気を取り戻し、「自分も東大を目指す」と言い始めたのだそうです。東大へ行けば、自分も自立できるかもしれない。だからたくさん勉強を頑張って、未来を切り開こう。そう考えたその生徒を見て、柊さんは衝撃を受けたのだそうです。
そうして、自分と同じような経験をしている学生の助けになりたいと考えるようになりました。

柊紗奈
「私も、自分一人の力で家を出たわけではありません。家出したばかりの私を泊めてくれた、家出して頼るところのない私に色々なアドバイスをくれたクラスメートたちの助けがあって、初めてできたことなんです。

一人ではできないことも、みんなでならきっとできるようになります。そして、この絆を得られたのは、東大に入ったからこそでした。
もしある人が親から自由になって生きていきたいなら、私は自立できる東大を勧めます。自分で未来を切り開いていくには、ぴったりの環境だと思うからです」

これから

最後に、柊さんの将来の展望を伺ってみました。

柊紗奈
「抑圧されているというだけではなく、色々な家庭環境の人がいると思います。
私の家は母子家庭でしたが、シングルマザーというだけでも結構なハンデですよね。普通から外れた家庭環境だと諦めてしまいがちですが、そういった環境にいても、自分にできることはあるはずなんです。
自分で切り開けば、どんな時でも道はできます。自分から行動しないと未来は開けていきません。境遇に甘えて諦めているだけだと、状況はいつまでも変わらないんです。そういう子たちに、私という実例を見せることで、勇気づけることができれば、それはとても嬉しいことだと思います」

全国の抑圧されている子供たちのために。柊さんの今後の活躍に期待です。

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この記事を書いた人

東京大学文学部。世帯年収300万円台の家庭から東大へ合格。現在学業の傍ら、ライター、作家活動や講演活動を通して逆転合格のノウハウを広める。日刊SPA!、プレジデントオンライン、東洋経済オンラインにて連載経験あり。ゲームとマンガが趣味。

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