東京大学といえば、日本最難関クラスの大学。そこに通う学生の多くは、小さなころから塾通いをして名門中高を通ってきた、いわゆる「エリート」たちです。
しかし、最難関クラスの大学に入るのが難しいというのは、万国共通。東京大学だけの特権ではありません。私立大学では早稲田大学、慶応大学。音楽芸術系ならば東京芸術大学など、様々な難関大学がこの世には存在しています。本日はいつもと趣向を変えまして、東京大学の学生ではない難関大学の学生に話を伺っていきます。
本日お話を伺うのは、早稲田大学卒業生の濱井正吾さん。濱井さんは、東洋経済オンラインなど各種メディアでライター活動をする傍ら、現在は東京大学の大学院を目指して受験勉強に邁進しています。
東洋経済オンラインでは「浪人したら人生『劇的に』変わった」という連載を週に一回抱えている濱井さん。自身が9年間も浪人しておりますが、現役志向が強い現代の世の中で、あえて浪人をするという人の背中を押したい一心で続けているのだとか。
この連載では、浪人を経験した人に実際にアポイントメントを取って、インタビューし、それを記事にしているのだそうです。浪人を通して、どのように人間が変わったのか、成長していったのかを中心としたノンフィクションドキュメンタリーだといいます。
東京大学の大学院を目指している理由
そんな濱井さんは、早稲田大学を卒業した現在も、東京大学の大学院を目指して勉強中の受験生。普通なら早稲田大学を出ただけで十分な気もしますが、どうしてわざわざ東京大学の大学院を目指しているのでしょうか。
「私は、早稲田卒業後に一年間社会人として働いていました。その一年間は、すばらしい経験ができましたが、同時に勉強しない一年、インプットしない一年という時間でもありました。自分にとって、新しい武器を得ているという感触がなかったんです。人間、何か成長した証を持ちたいとなったとき、ひとつの選択肢は勉強にあると思います。自分のやりたいことは、実は学問なのではないかと考えるようになったんです」
そうして濱井さんがたどり着いたのは、「教育格差」というワードでした。もともと、地域間、家族間での教育投資の大きさの格差について関心があった濱井さんでしたが、上記した連載などを通して「自分よりも恵まれていない人」に出会うようになったのだとか。
もともと濱井さんも教育に関心が薄く、大学進学という選択肢が見えにくい地域、家庭に生まれ育っていましたが、それでも自分よりも恵まれていない環境から受験している人の姿を見て、衝撃を受けたのだそうです。
教育格差への思い
地域や文化などによって、進学という選択肢を奪われている人が存在している。そのことに大変な問題意識を感じている濱井さん。
大学等進学率が兵庫県の中でも低い地域に生まれた自分だからこそ、なにかできるのでは。また、自分自身が最も自分らしい形で輝けることはと考えた時に、浮かんできたことが「勉強」「研究」という文字でした。
教育格差についてもっと深く学びたい、恵まれた環境を活かして研究していきたい。そう思った濱井さんが東京大学を志すのは無理もないことでした。東京大学には、教育格差を意識という切り口から研究している先生がいらっしゃるからです。その人のもとで学びたい。そんな思いから目指した東大院受験でした。
最後に、濱井さんはこれからどのように活躍されていくのでしょうか。
「個人的には、一応博士の進学まで考えながら、これからどうしていこうか考えているところです。ただ、どんな道に進んだにせよ、自分から発信していくことは大事なこと。ネット上に限らず、発信活動はこれからも続けていきたいと思っています」
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