受験生にこそ読書がおすすめ〜読書から合格を目指す〜

「受験生は読書なんて娯楽はやめてひたすら勉強するべき」

こんな考えの人、いませんか?確かに、隙間時間を使って寝る間も惜しんで勉強しないと間に合わないと思ってしまうのはとてもわかります。でも、そんな受験生こそ、本を読んで欲しいんです!

今回は、生粋の小説好き、受験直前も小説ばかり読んでいた現役東大生ライター碓氷明日香が、「読書の大切さ」をお伝えします!

目次

受験生こそ本を読め

そうは言っても…という方。とりあえず読み進めてみてください。読書がいかに大切か、だんだんわかってくると思います。

なぜ受験生なのか

一番「時間がない、あと何日もあればこの勉強が間に合うのに」となっているような「受験生」になぜ読書を勧めているのでしょうか?

答えは簡単ですよ。読書が受験に有益だからです。私は理系でしたから、二次試験には小説なんて出ませんでしたが、それでも受験勉強と題して小説を読んでいました。当時の私はそれが勉強であると信じて疑わなかったし、今でもそうだと思っています。日頃から読書をしていることで、文章を読むスピードが上がり、筆者や出題者の言わんとしているところがすとんと入ってくるようになるのです。受験生だからって読書をせずに問題集や過去問ばかりやっていると、スラスラと文章を読む力が徐々に落ちて行ってしまいます。

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もちろん受験生以外も

時間がない受験生におすすめしているんですから、況やその他の人をや。

受験生以外にとっても読書は大事で、有益なものです。みなさんは生涯学習という言葉を聞いたことがあるでしょうか。人生100年時代、長い人生のなかで、人間は常に何か新しい知見や深い考え方を外から吸収し続けなくてはなりません。その一番の方法は、読書です。先人の知恵を読んで理解し、応用する。そうすれば人生を彩り豊かなものにできるはずです!

読書により得られる力

読書をすると何が変わるのでしょうか?どのような力がつくのでしょうか。ここからは読書で伸ばすことができる力について紹介します!

論理的思考力

まずはズバリ!論理的思考力ですね。近年入試問題の傾向が論理的思考力を問うものへと変わりつつあることから、みなさんもよく耳にする言葉かと思います。
ですが、論理的思考力ってそもそも何でしょう?それは、「物事を体系的に捉え、筋道を立てて考える力」のことです。でも、この説明だけではピンと来ませんよね。

一つ例を挙げましょう。「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざがありますね。
思いもかけぬところから影響が出てくるということの例えですが、これは風が吹く→砂埃が立つ→砂が目に入って目が見えなくなる人が増える→目の不自由な人は三味線弾きになるのが普通だった→三味線に張る猫の皮の需要が高まる→猫が減れば鼠が増える→鼠が風呂の桶をかじる→桶屋に客が集まる、とこのような論理が展開されていることわざです。このように、こうなったらこうなる、というのを繋げて思考することができる力を「論理的思考力」と言います。読書では物事の展開を理解することが必要とされるので、この力がつくのです。

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長文を読み込む力

二つ目は長文を読み込む力です。受験で出題される現代文の文章は、一言一句を考えないと深くは理解できないものです。しかし、普段から文章を読んでいないと、限られた時間の中で一言一句を考えながら深読みするのは相当難しいです。


そこで、日頃から読書をすることで、筆者・作者がなぜその言葉を使ったのかを考えながらスピーディーに文章を読む力が身につき、現代文の試験で無双できるようになるのです。この力は困ったことに、一度身に付いたら一生もの、というわけではありません。読書をし続けないことには、せっかく力がついても徐々に元に戻ってしまいます。だから、受験が間近に迫った人こそ、読書が最適というわけなのです。

知識

最後は、知識です。受験では当たり前ですが見たことない問題が出ます。これは現代文に限らず、全教科において言えることです。そんな時、最終的に一番頼りになるのは、自分が持っている知識・教養です。そして、それを増やす方法、それが読書なのです。本は先人の知恵がまとまっているものです。

自分よりも先を歩いた人間が、後ろを歩く人間にここをこう歩けばいいんだよ、ということを伝えているものです。どんなベクトルの問題にも照準を合わせられるように、幅広い知識や教養を本から得ておくことは、確実に受験、そしてその後の人生に活きてきます。

読書をするおすすめのタイミング

受験生にとっては、時は金以上の価値を持ちます。勉強の合間を縫うといっても難しいでしょう。では、読書はいつやるべきなのでしょうか?東大生である私が、おすすめの読書タイミングを紹介していきます!

朝起きて30分

まずは起きたての30分間。朝、目覚ましが鳴ってパッと目が覚める人ってなかなか少ないですよね。ましてや、受験が近づいて焦っているとはいえ、勉強のために起きた瞬間からぱっちり頭を覚ますなんて難易度が高いはずです。

そこで!
周りが静かなこの時間を、自分の好きなジャンルの読書に費やしてみてはいかがでしょうか?新書や小説、なんならライトノベルでもいいと思います。むしろ、あまり頭が働いていなくても読み進められるラノベこそ相応しいとも言えるかもしれませんね。好きなジャンルの読書ならゆっくりと頭を覚ますことができて、1日の勉強を気持ちよくスタートできるはずです!もちろん、読書をすると眠くなってしまう、という方にはあまりお勧めできませんが…。

電車の中

次は通学途中の時間。電車やバスの中で単語帳などを開いたことがある学生は多いと思います。果たして、そこで覚えようとした単語、覚えられましたか?確かに隙間時間を利用する、というのは大切だと思いますが、大して集中できる環境ではない中で暗記物を進めるのはあまりお勧めできません。ですが、読書なら、筆者・作者が描いた思考や世界観に入り込みやすいですよね。暗記物よりもよっぽど効率よく集中できる。同じ知識や教養を手に入れることができる方法としてなら、こちらの方が楽しく、手っ取り早いのです!でも、その際熱中しすぎて乗り過ごさないよう気をつけてくださいね。

食事中

みなさんは食事中は何をしていますか?そもそも食事中に何かをする、という概念がない方もいるでしょう。でも、計算してみてください。1日の食事の時間、合計で何分ですか?合わせたらそれなりになるのではないでしょうか。この時間読書に当てたら、(少し食事がゆっくりになるかもしれませんが)1日でかなり読み進められますよね。お行儀が悪いと思う方もいますよね、きっと。ですが、受験前の忙しい時期にお行儀を求める必要はないですよ。公的な場では考えなくてはいけませんが、家や周りに受験生しかいない環境であれば気にしなくていいと思います。

寝る前の30分

最後は就寝前の30分間。これは特に読書をすると眠くなる、という方におすすめです。
受験前の精神が揺らぐ時期だと、不安で眠れない夜もあると思います。そんな時、読書でリラックスして眠気を誘う。知識も増えるし、快眠にも繋がるなんて、一石二鳥の素晴らしいアイデアですよね!

そして、このタイミングで読書をする利点がもう一つあります。みなさんの寝る前のルーティンってなんですか?


私の受験直前の寝る前のルーティンはベッドの上で単語帳を10分ほど眺める、でした。このように、何か決めておいてそれを癖つけることで、この行動をしたら寝る時間だよ、というのを脳に刻みつけておくのです。受験前日はやはり緊張や不安で興奮状態になって寝付けないという人が多いです。
遠い大学を受験する方はホテルに前泊するでしょうから、いつもと環境も違ってより寝付くのは難しいでしょう。そんな時、いつも通りの行動をするだけで、脳が騙されて眠りにつきやすいということがあります。この就寝前30分間の読書をルーティン化しておくと、受験当日をスッキリした頭で迎えられるはずです!ちなみに、受験前日に勉強するのも大切ですが、もうそこまで来たら万全の体調で当日を迎える方が大事ですよ!

受験生が読書をする際の注意点

とはいえ、やはり受験生が最優先でやるべきことは問題を解く形の勉強です。それを崩さないために、読書をする時、どんなことに気をつけたらいいのでしょうか。

時間を区切る

娯楽というものは、始めるとやめられなくなるものです。人間は弱いので、誰しもやらなければいけないことよりもやりたいことを優先したくなってしまいます。だから、始める前に時間を決める!これは絶対に守らなくてはいけません。前述したように、朝起きてすぐや就寝前の30分間、みたいに時間を決め、タイマーやアラームをかけて読み始めると防ぐことができます。

目的意識を持つ

ただ娯楽のためだけに読書を推奨しているのではありません。そこは都合よく解釈しないでくださいね。本好きは無理矢理読書を正当化する癖があるので…(私です)。その正当化が現実になるように目的意識を持って読むことが大切です。登場人物の感情の機微を言語化できるようになるために小説を読む、ある特定の分野の少し詳細な知識を得るために新書を読む、全体の構成の工夫に着目してラノベを読む…。勉強になる読み方であればなんでもいいと思います。ただ、何か一つ、目的を決めて読んでみてください。

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アウトプットも大切に

何に対しても言えることですが、インプットだけして「わかった気になる」のが一番危険です。理解していても実際に使えないと意味がありません。読書は先人が書いた文章をインプットする行為なので、アウトプットをしなくては使えるようにはならないのです。読書のアウトプット?とみなさんの頭ははてなでいっぱいだと思いますが、受験生で言うのであれば、アウトプットは過去問を解く、ではないでしょうか。問題集に載っているような典型問題ではなく、その一段階上の過去問には、今まで見たことのない問題がたくさんあることでしょう。それを読書で身につけた力を結集させて解いてみるのです。これで十分なアウトプットになります!

おすすめの本選び

受験前に読む本なんてどうやって選べばいいの?そういう方のために、読書好きの私がおすすめの本選びの方法を紹介します!


現代、書籍の電子化が進んでいますが、私個人の意見としてはやはり紙の書籍の方がいいと思います。詳しい理由はさておき、その上で、受験勉強の息抜きに本屋に行ってみてください。結局、実際に本屋で平置きされている本のあらすじを見てみるのが、自分の好みの本を見つけるのに最適なのです。ネットショッピングだとどうしても売れている本の一部しか目に入ってきませんから…。また、文明の利器に頼るのであれば、SNSでおすすめされている本を選んでみるのもいいかもしれませんね。おすすめの本を紹介するインスタグラマーさんなどもいらっしゃるので、ぜひ活用してみてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。受験生こそ、勉強のために読書をする。斬新なアイデアかもしれませんが、読書の可能性は計り知れません。そして、単純に読書とは純粋に楽しいものです。楽しく勉強する、これができるのは机に向かってシャーペンを握り締めるよりよっぽど魅力的ですよね。もちろん、受験生ではない方も、何歳になっても新しい知見を得ることは生きていく上でとても大切です。これを機に、本屋に向かって読書をしてみてください。

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この記事を書いた人

大学では教育学部基礎教育学コース所属。世界史が好きだったことを踏まえ、教育の国ごとによる違いやその歴史に興味を持っている。趣味はアニメ鑑賞、読書。

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