東大生に聞く!大学受験の不安を解消する方法〜不安の原因を分解しよう〜

みなさんは受験について考えて不安になったことはありませんか? 恥ずかしがることはありません。誰にでもあることです。この記事を書いている僕自身ももちろんそうですし、あなたから見て大人のように見える大学生のお兄さんお姉さん、チューターの方などなどみんなが通る道です。今回はどうすればこの不安を気にせずに勉強に向かうことができるのかを考えてみましょう。

目次

受験のことを考えるとどうして不安になるの?

そもそもどうして受験について考えると不安になるのでしょうか? 一つ言えるのはあなたが受験に対してしっかりと向き合い、頑張っているから。自信があることについては不安にならないと思われがちです。もちろん、しっかりとした自信がついているのであれば不安になんてならないでしょう。

しかし断言できるほどの強度が無い場合、「もしかしたらこれまで頑張ってきたことが通用しないかもしれない」と不安になってしまうのです。ですが、それは逆を言えばあなたが頑張ってきた証。不安になれるだけ頑張るにはそれ相応の努力が必要です。焦る心を抑えて、まずは頑張ってきた自分をねぎらってあげてください。

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成績が伸びない(スランプ)

ひとつの要因は成績が伸びないことにあるでしょう。スランプに入って、どうにも成績が上昇していかないと努力が否定されたような気持ちになってしまいます。もちろん、スイスイ上がっていくような都合のいいものではないと頭では分かっていても、頑張ってきた結果が手ごたえの無いものではどうしても不安に感じられてしまうものです。

友達と比較してしまう

友達と比較してしまうことも一つの要因かもしれません。自分と同じように勉強しているはずなのに、友達は成績が伸びていって自分の成績はそうでもない……そんな時にはついつい自分の努力が報われないのではないかと思ってしまいます。

ですが、そう感じているのはあなただけではないかもしれません。あなたの友達も、あなたに関して同じことを考えているかもしれません。例えばあなたは英語が得意な友達を羨むかもしれませんが、その友達はあなたが得意な科目が苦手であなたを羨んでいるかもしれない。お互いに考えていることは意外とわからないものです。たまには腹を割って話し合ってみてもいいかもしれません。

家族からのプレッシャーが強い

家族からのプレッシャーが強いと竦んでしまいますよね。「○○大学以外は認めん!」みたいな態度はもはや論外であるとして、「ここまで勉強したんだから、大丈夫よね?」と確認されたり、「絶対に○○大学に受かるよ!」と後押しのつもりで励まされたり、そういった人たちの気持ちも分かりますがどうしても受験生本人には重荷に感じられてしまいます。

もしもこれを読んでいる親御さんがいるのであれば、子どもの受験勉強の状況などは探らず、特別な声掛けもせず、ただいつも通りに放っておいてあげてください。受験生はとんでもないプレッシャーの中を生きていますから、それに触れるだけでも心に傷を負ってしまうかもしれません。もちろん強い心がなければ受験戦争に勝ち抜くことなどできませんが、それを試すのは少なくとも親がやるべきことではありません。いつでも帰る場所として、暖かく、無言で受け容れる。そんな場所を作ってあげると子どもたちは安心して家に帰ることができます。

試験当日に失敗してしまうのではないかと考えてしまう

試験当日に失敗してしまうのではないかと焦ることも、ひとつの要因になりかねません。どれだけ努力を積み重ねたとしても所詮、受験は水物。悪い方に振れ幅が回れば、思っていたほど点数が取れずに終わってしまうパターンもあるかもしれません。とはいえ受験が運次第なのであれば、それが良いほうへ揺れ動くパターンも想像できます。「自分の苦手な分野の問題が全く出なかった」なんてこともあるかもしれません。実際に合格した人の話を聞く限りでは、「運よく自分と相性の良い問題ばかりが出題された」とする人も少なくありません。未来の運を悪い方へと考え込んでしまうことは意味のないことです。

合格できなかったら人生終わりと考えてしまう

仮に合格できなかったときに、人生がもう終わってしまうと考える人もいるでしょう。かくいう私も、東大に合格できなかったら自分はもう終わりだと考えることもありました。しかし、本当にそうでしょうか?あなたの人生はただ大学に合格することが全てなのでしょうか。

明らかにそうではないでしょう。大学に合格するのは、あなたがあなた自身の人生をより豊かに歩んでいくために必要だからです。大学に合格することは手段であって、目的ではない。大学合格が目的であれば落ちたら終わりかもしれませんが、大学合格が手段なのであれば別の代替手段を考え出せば済む話です。第一志望の大学に入ることだけが人生を豊かにする手段ではありません。気の合う友人を得る、一生涯を歩むパートナーと出会う、仕事や趣味に打ち込む……人生を飾り付けるためには様々な方法があります。ぜひ大学だけに縛られないような人生を歩んでください。

不安や心配を解消する方法

どうやって不安を解消していけばいいのでしょうか? 対処法を見ていきましょう。

紙に不安を書き出してみよう!

不安というものは厄介で、目に見えない存在だからこそ大きくも小さくもなることができます。不安の根源は未知に対する恐怖感から来る部分も少なくない。そうであれば、不安を可視化してしまいましょう。実際に自分は何に対して、どう不安に思っているのか。これを紙に書き出して逐一把握してしまいます。

紙に書き出すまでが難しいかもしれませんが、一回書いてしまえばきっと不安感は減っていきます。自分が不安に思っている内容、なぜそれが心配なのか。これらを把握できれば、次に「どうすればこの不安感に対処できるのか」が考えられるようになるからです。

周囲のサポートを活用しよう!

先生や友人、家族に相談してみるのもいいかもしれません。特に先生や先輩、家族に相談してみることをお勧めします。なぜならば先生や先輩方は、みんな自分と同じ悩みを経験している可能性が非常に高いからです。全ての受験生がみんな自信満々で受験しているわけではありません。合格平均点を大きく超えて合格しているわけではありません。みんなの前ではわざわざ言っていないだけで、実は受験生の時に不安を抱えていたり、合格最低点ぎりぎりで受かったなんて人もいるはずです。

では、彼ら彼女らはどのようにして不安感を退治したのでしょうか。もしくは受験当日まで不安感と付き合い続けたままだった可能性もありますよね。では、どうやって折れそうな心を保ち続けたのでしょうか。付き合い方に何かコツのようなものがあるのでしょうか。こうしたことを訊いて、実践的なアドバイスを求めるのも一つの手でしょう。

今日やったことを可視化しよう!

今日自分がやった内容を可視化するのも一つの有効な手段です。東大生のMさんはなんでも手帳につけるメモ魔でしたが、彼女は一日の勉強時間、勉強した内容、そのときに思ったことなど、すべてをメモしていました。そしてこのメモに大きく助けられたのだといいます。

考えてみれば、メモした内容はすべて「自分が実際にやってきたこと」ばかりです。つまり、手帳が真っ黒になるほど書き込まれたその内容は、すべてあなたの血肉となってあなたを助ける存在に転化しています。どんなに自分の努力が信じられなくなったとしても記録は嘘をつきません。あなたがつけてきた「やったことリスト」の積み重ねは、そのページの塊は、あなたが実際に歩いてきた足跡そのものです。ですから、手帳にすべて自分がやったことをまとめていくことは自分の自信につながっていくのです。

東大生もやっていた受験当日の不安対策

もちろん東大生といえども、受験の際には不安に苛まれていました。では彼らはどうやって内なる魔物と戦い続けたのでしょうか。東大生に受験当日にやっていた不安対策を聞いてみました。

試験日よりも前に受験会場にいく

慣れない環境を想定するとどうしても体は身構えてしまい、固くなってしまうものです。会場に先入りしてある程度慣れておくことが対策になります。例えば、筆者は受験当日に道に迷わないように注意することもかねて、試験の一週間ほど前に受験会場となる大学の見学に行ったことがあります。もちろん大学構内までは入れませんでしたが、それでも自分が受験当日に歩むであろう道のりを確認して、どこにどんな目印となる建物があるか、忘れ物があったときに補給で駆け込めるコンビニはあるか、などを確認できたことは随分と助けになりました。試験日よりも前に受験会場に行くことは不安を消すという観点からもお勧めできる方法です。ぜひ実践してみてください。

お守りを持っていく

お守りといっても神社やお寺で売っているようなお守りに限りません。筆者である私は、高校の時から好きだったぬいぐるみをお守りとして受験会場に持っていきましたし、ある人は使っていたカイロにお気に入りのキャラクターを貼り付けてお守り代わりにしていたそうです。

お守りの役割は、自分の心が折れないように奮い立たせること。自分に勇気を与えてくれるものであればなんでもそうなりえます。あまり形にこだわらず、自分が本当にいてほしいものやことなどにこだわって妥協せずに相棒を選んでみてください。

勉強ノートを持っていく

前項の不安対策でもやりましたが、自分が勉強してきた証を可視化するのも良い手段でしょう。自分がこれまで勉強に使ってきたノートを一冊だけ持っていく。そして受験会場で見直します。自分はこれまでこんなに難しい問題を解いてきたのだ、過去問をこれだけ解いてきたのだ、という実感は、どんな励ましの声よりも前へ進む原動力となります。自分が積み上げてきたものを再確認してみましょう。

失敗を乗り越えた先輩談

筆者は高校三年生の夏まで学習時間がまったくの0秒でした。学校に行っては部活三昧、家に帰ったらゲームをして寝る。それだけの生活をしていた人間がいきなり東大志望に変わっても、手が届くはずがありませんでした。もちろん、現役の受験では失敗しました。それどころか東大以外にも、早稲田、慶応、明治大学を受験しましたが、すべてにおいて不合格でした。

「自分はなんてダメなやつなのだ。」本気でそう思いました。しかしながら、同時にこうも考えました。「だが、俺はこの半年間、どんなに勝ち目が薄いとわかっていてもめげずに頑張ってきたではないか。実際これまでは東大の足元にも及ばなかったが、いまは腰に縋りつく程度はできているのだ。前には進んでいるじゃないか。だったらこれからも進み続ければ、いつかは東大の喉元にナイフを突き立てる瞬間が来るはずだ」と。

一度挫折すると自分の歩んできた道をすべて否定したくなるでしょう。自分のやってきたことは全て無駄だったのだと考えたくなります。ですが、本当にそうでしょうか? 努力は砂をつかむことに似ています。どれだけ必死に砂を握っても、手の間から、指の隙間から、さらさらと砂は零れ落ちていきます。これはこの世に定められた定理。もはや止められません。しかしながら、わずかではありますが、掌に確かに残る一握の砂の感触はあなたが必死にそれらをかき集めたという事実を示しています。どれだけ失ったように思えても、積み上げてきたものは消えません。あなたの努力は無駄ではありません。これだけは忘れないでください。

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まとめ

不安は強大な敵です。どれだけ振り払っても、まとわりつくようにして自分の心の片隅を占拠し続けます。まるで一生涯離れてくれないようにも思えるでしょう。

ですが、それでも付き合い方はあります。どうやって不安と付き合うのか、制御するのか、そして制するのか。それらはきっと人生の先輩方の言葉にヒントがあるでしょう。

心が折れて負けを認めないでください。諦めなければ、いつかは前に開けた道が見える瞬間が来ます。その時まで挫けずに歩いていけるよう、常に努力を忘れないでください。


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この記事を書いた人

東京大学文学部。世帯年収300万円台の家庭から東大へ合格。現在学業の傍ら、ライター、作家活動や講演活動を通して逆転合格のノウハウを広める。日刊SPA!、プレジデントオンライン、東洋経済オンラインにて連載経験あり。ゲームとマンガが趣味。

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