いよいよ大学入学共通テスト本番が近づいてきましたね。緊張しながら過去問演習に追われていることと思います。
今回は、試験前や会場についてから起こり得るトラブルとその対処法について、状況別に細かく分けて説明します。しっかり準備をして臨んでも、トラブルは起こるものです。もしそうなった時に、どうやって対処すればいいか知っているだけで、少しは落ち着いて動けるはず。
想定外を想定しておくためにも、そうなった状況を想像しながら読んでみてください。
試験前に起こり得るトラブルとその対処法
まずは、試験前、会場にたどり着く前に起こりそうなトラブルとその対処法についてまとめていきます。
受験票をなくしてしまったら
そろそろ共通テストが近づいてきたな、と思っていざ受験票を確認しようとすると、部屋のどこを探しても見つからない!なくしちゃった……。ということがあるかもしれません。
共通テストでは、「受験票」だけでなく、「写真票」「成績請求票」などもまとめて送られてきますが、これらはすべて、大学入試センターに申請して、再発行してもらうことが可能です。試験前に受験票等をなくしてしまったら、センターに問い合わせてみましょう。
当日、会場に受験票を忘れてしまった場合については、あとで詳しく説明します。
胃もたれ・食あたりに注意
これは共通テストに限った話ではありませんが、前日・当日の朝に食べるものには十分気をつけましょう。
ある人は、当日の朝、カツカレーを食べて願掛けしたそうですが、試験中胃もたれしてしまって集中できなかったそうです。
食べ物にあたった場合は、試験中に何度もトイレに行く羽目になって、ただでさえ時間の足りない試験がもっとタイトなものになってしまいます。やはり、試験には万全の体調で臨みたいですよね。そのために試験前は、なまものや胃に負担がかかる食べ物は避けるようにしましょう。
遅刻しそうになったら
前日緊張で眠れなくて寝坊してしまった、大雨や大雪で公共交通機関が止まったり遅れたりしている、など、試験に遅刻しそうな状況に陥ることもあるでしょう。そんな時はどうすればいいのでしょうか?
まず、共通テストでは、リスニングを除いて、試験開始時刻後20分以内の遅刻に限り、受験が認められています。つまり、多少の遅刻であればまだ受験は可能なのです。慌てすぎず、そして諦めずに会場を目指しましょう。
また、公共交通機関が大幅に乱れている場合などは、試験時間の繰り下げが行われる可能性もあります。会場に向かう方法を模索しつつ、受験票に記載されている問い合わせ先に電話して指示を仰ぎましょう。
天候は、当日になってみないとわからない部分はあるにしろ、天気予報などである程度予測を立てることができます。前日までに確認しておくと、慌てずに対処できるでしょう。また、会場に向かうルートを複数調べておく、タクシー会社の電話番号をメモしておくなど、最悪の事態を想定して事前にいくつか準備しておくことも大切です。
会場についてから起こり得るトラブルとその対処法
次に、会場についてから、試験中に起こるかもしれないトラブルとその対処法について状況別に解説します。
受験票を忘れた
当日、会場に受験票を忘れてしまった、朝はあったのにいざ席につくと見つからない、すでに大学入試センターに再発行の申請をしたが、試験当日に間に合わなかった、など、受験票に関するトラブルは当日も起こる可能性がありますよね。
その場合は、「仮受験票」「仮写真票」を発行してもらうことができます。忘れたことに気づいたら、できるだけ早く試験会場の係員に申し出て、仮受験票の発行をしてもらいましょう。その時、学生証や身分証が必要になるので、注意が必要です。
試験に向かう途中で受験票を忘れたことに気づいたら、家に戻るよりも会場に向かって再発行手続きをした方が早いです。試験開始時刻後20分をすぎたらその科目を受験できなくなってしまうので、ひとまず会場に向かう方を優先しましょう。仮受験票を使ったからといって減点されるなどということはありません。安心して受験してください。
筆記用具を忘れた
会場に筆記用具を忘れてしまった、ということもあるかもしれません。試験に筆記用具は必須。共通テストマークシート試験なので、指定された濃さの鉛筆が必要ですし、折れないように持ち運ぶための鉛筆キャップや試験中に折れてしまった時用の鉛筆削りなど、何かと必要な文具が多いですよね。筆箱そのものを忘れてしまうこともあるでしょうし、鉛筆削りだけ、というように何か一つだけ忘れてしまうこともあるでしょう。
そんな時の対処法を3つ紹介します。まず1つ目ですが、試験会場にいる試験監督や係員に声をかけてみてください。もしかしたら貸してくれるかもしれません。貸してくれない可能性もあります。その場合は粘らず諦めて、次の方法に進んでください。試験が開始するまで時間との戦いです。
2つ目ですが、周りの人に貸してもらう、という方法があります。高校によっては、全員同じ会場で受けるところもあるようなので、周りが知り合い、という場合も。鉛筆の1本くらい、誰かが貸してくれるはずです。鉛筆削りを2つ持ってきている人がいるかは分かりませんが……。
周りに知り合いがいない、知らない人に声をかけるのも怖い……。そんな方は、大学の購買や構内のコンビニ、キャンパス近くのコンビニまで走りましょう。最悪シャーペンでも構いません。書けるものを調達してください。マークシート試験では、基本的に鉛筆でマークするように言われますが、これはシャープペンシルだと、芯が細くシートが凹んでしまって読み取れない可能性があるからです。筆圧が強すぎなければシャーペンでも読み取ってくれるはずです。(もちろん、鉛筆があるならそれに越したことはありません。余計な気を遣うことになります。前日までにしっかり準備しておきましょうね!)
会場が暑い/寒い
共通テストは1月中旬に行われるので、外気温は非常に寒いですよね。試験会場は大教室の場合が多いので、場所によって暖房の効きがバラバラになりがちです。つまり、暖房が効きすぎて暑いかもしれないし、全然効かなくて寒いかもしれないというわけなんです。
ある人は、ヒートテックに高校の制服で受けに行ったけれど、会場が暑くて試験に集中できなかったそうです。暑いと頭がぼーっとして解ける問題も解けなくなってしまいますよね。一方で寒いとそれはそれで手がかじかんで文字が書けません。では、どうしたらいいのでしょうか。
まず、1枚を暖かいものにするよりも、上に何枚も重ねるようにしましょう。ヒートテックは暖かくて便利ですが、暑くても脱げないので、試験には向きません!重ね着してください。調節が可能な服装で臨むことが大切です。また、共通テストでは、試験中に膝掛けを使うことが認められています。寒い時はマフラーなどを膝掛けとして使用するといいでしょう。その場合は、試験監督の許可が必要なので、開始前に申し出るようにしてください。手で持つタイプのカイロもおすすめです。かじかむ利き手を時間ギリギリまで温めましょう。
そして、これは雪国出身からのアドバイスですが、雪が積もっている場合、暖かくてしっかりしたブーツで歩くことになると思います。そのまま会場で試験を受けると、暑いです!しかも長時間ブーツを履いたままだと足が疲れる。私は替えの運動靴を持っていくことで対処しました。ぜひ、雪が降る地域のみなさんもやってみてください(当たり前ですが、荷物は多くなります)。
トイレにせっけんがない!
これはある人の体験談ですが、休み時間にトイレに行くと、なんとせっけんがなかったそうです。その人は慌てて構内のコンビニに消毒液を買いに行ったと言います。コロナウイルスの大流行を経て、もうそんなところはなくなったと信じたいですが、せっけんのボトル自体はあっても中身がなくなっていた、ということもあるかもしれません。
受験生にとって、体調管理は最も大切なことの一つですよね。ほとんどの人が、共通テストだけで試験が終わりではないはずです。せっけんで手を洗うのは簡単にできる感染症対策なのに、トイレにせっけんが置いていないというのはかなり致命的です。
対処法として、紙せっけんを持っていくといいでしょう。最近はコンパクトなものが結構出回っているので、事前にいくつか買っておきましょう。また、手指消毒用の小さなアルコールスプレーなどでも代替できます。百均に売っているもので十分なので、調達しておくといいでしょう。
科目選択のミス
センター試験の時代からずっと言われていることですが、科目選択のミスには気をつけましょう。数1Aを受けるつもりでいたのに、間違って数1の問題を解いていたというようなミスのことです。2025年の新課程試験からは、社会の科目区分が複雑になります。よりミスしやすくなることが予想されるので、自分がどの科目を受けるのか、それは問題冊子の何ページから始まるのかしっかり確認してから解き始めるようにしましょう。
試験中に違う科目を解いていることに気づいたら、すぐに正しい科目を解き始めてください。時間との勝負です。試験が終わってから気づいた場合は、忘れて次の科目に集中しましょう。科目ミスをしてしまったから、他の科目で挽回しないと、などと考えてしまうと、むしろプレッシャーで本来の実力を発揮できない可能性もあります。終わったことは気にしない!共通テストが全部終わってから考えましょう!
名前・受験番号の書き間違い/書き忘れ
当たり前のことですが、解答用紙に名前と受験番号を正しく書かないと、その科目は合計点数に加算されません。マークミスよりも致命的です。絶対に名前と受験番号の書き間違いや書き忘れがないように何度も確認しましょう。
試験監督の指示で、試験終了後、マークシートを回収する前に何度か(筆者の記憶では各科目2回ずつ)、名前や受験番号を修正する機会が与えられます。その時にしっかり指差し確認をして間違えていないか確認してください。間違っていたら、挙手をして試験監督を呼び、隣で監視されている状態で修正することになります。試験監督に申し出ずに書き直すと不正行為と見なされます。また、当然、解答を書き直すことはできません。
体調不良
試験中、体調が悪くなってしまった場合、無理せず試験監督に申し出ましょう。会場によっては残りの科目を保健室で受験させてもらえるところもあります。また、どうしても試験を受けるのが難しい場合は、追試験の受験に切り替えましょう。追試験は本試験と比べて多少難易度が上がりますが、体調が悪い中問題を解くよりも実力を発揮できた方がいいでしょう。
追試験を受けるためには、受験票に記載されている問い合わせ大学に電話し、申請受付時間を確認します。そしてその時間内に「受験票」と「必要書類」を問い合わせ大学に持参することで申請できます。何が必要なのか、調べたり大学に聞いてみたりして準備しましょう。
問題が全然解けなかった……
緊張して問題文が頭に入ってこない、計算がうまくいかない、時間に追われて焦って解けない……。模試と比べて本番はやはり緊張感が全然違います。いつものように問題が解けないこともあるでしょう。
私が共通テストを受験した時の話です。私は数1Aで少なくとも90点は取るつもりでいました。でも、いつもはスラスラ解ける第2問あたりですでにわからない問題が出てきて、他の大問も自信がないまま時間だけ過ぎていく。第5問にたどり着いた時には、時間が全然残っていなくて、焦りに焦って問題文がちゃんと読めず、最初から解けないという状況に陥ってしまいました。もうパニックだったんだと思います。結果、次の数2Bにまで影響が及んで、1日目は鬱々とした気分で帰りました。
全教科が終わって自己採点をすると、これまでの模試では取ったことのないひどい点数が。しかし、なんと、その年の平均点が史上最低点を記録するくらいには、テストが難化していたのです!私の点数は見るも無残なものでしたが、全国の受験生が同じような状況になっていた、つまりそこまで思い悩む必要はなかったんですね。(私の共通テスト失敗談について、詳しくはこちら)
いつものように解けないのは、ただ問題が難しくなっているだけかもしれません。解けない問題は捨てて、確実に当てられるところで点をかき集めましょう。勘で埋めるのもアリです。そして、その科目が終わったらもうそのことは忘れてください。切り替えれば、次の科目からは普段通りに解けるはずです!
h2 まとめ
いかがでしたでしょうか。共通テストで起こりそうなトラブルとその対処法について解説しましたが、頑張る受験生のお役に立てると嬉しいです。
トラブルが起こると焦ってパニックになってしまいがちですが、そうならないようにトラブルが起こった時のことも事前に想定しておくことが大切です。当日のために今できることをやっておきましょう。
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