なぜお風呂の鏡はすぐ曇るのに、部屋の窓ガラスはあまり曇らないの? 皆さん、こんな疑問を抱いたことはありませんか?
お風呂でシャワーを浴びた後、鏡が真っ白に曇ってしまって何も見えない……。
でも、同じガラスでも、教室や家の窓ガラスはそこまで曇らない……。
今回は、そんな疑問を東大生の思考法「アカデミックマインド」を使って考えてみましょう!
問いを分解してみよう!
この疑問も、いくつかの小さな問いに分けて考えていくと、ぐっと分かりやすくなります。
・鏡や窓ガラスが曇る原因は何だろう?
・お風呂と部屋の空気の状態に違いはあるかな?
・鏡と窓ガラスの「温度」に注目してみよう!
鏡や窓ガラスが曇る原因
鏡や窓ガラスが曇るのは、空気中の水蒸気が冷たい表面に触れて、水滴になる「結露」という現象が原因です。
空気は、ある温度以下になると、水蒸気を水として吐き出す性質があります。これを「露点」といいます。
中学校の理科で「飽和水蒸気量」って習ったのを覚えていますか?
空気は温度が高いほど多くの水蒸気を含むことができ、温度が下がるとその限界を超えた分が水滴となって現れます。露点とは、ちょうどその「限界の温度」のことなんです。
表面の温度が露点以下になると、水蒸気が水に変わり、小さな水滴=曇りとして現れるのです。
お風呂と部屋の「空気」の違い
お風呂の中は、シャワーや湯気で空気中の水蒸気量がとても多く、湿度が高い状態です。
一方、部屋の空気はそこまで湿度が高くありません。
さらに、お風呂の鏡は室温くらいの温度に保たれていて、温かく湿った空気が鏡に触れたとき、鏡の表面がすぐ露点以下になりやすいんです。そのため、あっという間に曇ってしまいます
お風呂と部屋の「窓ガラス」はどうなる?
部屋の窓ガラスは、外気と部屋の空気の間にあるため、そこまで急激な温度差が起こりにくく、湿度も低いため、曇りにくいんです。
ただし、冬など外気温が極端に低いときは、窓ガラスも冷えすぎて曇ることがあります。
これは、「部屋の空気」+「ガラスの冷たさ」+「湿度」が合わさった結果なんですね。
お風呂の鏡が曇りやすいのは、
・空気中の水蒸気(湿度)が非常に多い
・鏡の表面温度が露点以下になりやすい
部屋の窓ガラスが曇りにくいのは、
・湿度が比較的低い
・温度差も穏やかなので結露しにくい
このような理由から、お風呂の鏡はすぐに曇るのに、窓ガラスは曇らないのです。
ここまで考えると、さらにいくつかの新しい問いも浮かんできます。
・鏡の曇りを防ぐ「曇り止めスプレー」って、どういう仕組み?
・ガラスは濡れるのに、なぜお風呂の壁や床は曇らない(濡れない)ところがあるの?
こうした「さらに問いを立てる姿勢」こそが、東大生が大切にしている「アカデミックマインド」の第一歩です。
アカデミックマインドとは
このように、1つの問いを「分解」し、「仮説」「検証」する一連の思考法を、「アカデミックマインド」と呼んでいます。
AIなどさまざまな技術が発達する中、これからの世代に求められるのが「思考力」です。共通テストや大学入試でも「自分で考える力」が試されるようになっています。
カルぺ・ディエムでは、現役東大生と一緒に「身の回りにあふれる疑問」と「五教科の勉強」を結びつけた課題に取り組み、自ら問いを立て、仮説を作り、検証する一連の思考法「アカデミックマインド」の獲得を目指す講座「アカデミックマインド育成講座」を実施中です。



