【東大生が教える】楽しさ倍増!授業での新しいアイスブレイク

楽しさ倍増!授業での新しいアイスブレイク

何事も「つかみ」が肝心!

授業を始めるときも、まずは関係のない話題から入って、聞き手の心を溶かしたいと考えるのは自然なことです。
ですが、アイスブレイクに何をすればいいのか思い浮かばないなんてこともしばしばあるでしょう。

今回は、授業で使えるアイスブレイクの例をいくつかご紹介します。

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目次

アイスブレイクの基本

アイスブレイクの基本は「聞き手主導です。
先生や話し手が中心となって仕切ったり話したりするのではなく、あくまで生徒ら聞き手が主体となってイベントを進められるようにしましょう。

これは、アイスブレイクが緊張をほどくものであるからです。
アイスブレイクを行うのは、聞き手の緊張をほぐして、それ以降の話をより聞いてもらうためです。

となれば、「聞き手の緊張がほぐれなければ意味がない」といえます。
当然ですが、先生などの話し手が一方的に話すだけでは、相当話がうまくない限りは聞き手の緊張はほぐれません。ですから、先生ではなく、生徒が主体となってイベントを進行できるようなゲームを選ぶ必要があるのです。

自己紹介ゲーム

新学期やクラス替え、席替え直後の回であれば、「自己紹介ゲーム」をお勧めします。
これは初対面の相手や、あまり話したことのないペア同士の交流を深めるために行うゲームで、普段からはあまり話し合わないような組み合わせの生徒でも活発に発言する環境を構築するために役立ちます。自己紹介ゲームには、以下のようなものがあります。

積み木式自己紹介

これは、参加者全員の名前を順番に覚えていくアイスブレイクです。参加者は一列に並んで、1人ずつ名前を言っていきます。そして、自分の名前を言う前に、「自分に順番が至るまでの全員の名前」も同じように言うようにしていきます。

たとえば、佐藤さん、鈴木さん、高橋さんの順番で並んでいるとき、佐藤さんは「佐藤です」と自己紹介をします。
そして、次の鈴木さんは「佐藤さんの隣の鈴木です」と自己紹介を行う。同じように高橋さんは「佐藤さんの隣の、鈴木さんの隣の、高橋です」と紹介するのです。

最初は簡単ですが、徐々に難易度が上がっていくところにゲーム性が存在します。あまりにも人数多すぎると終盤の人の負荷がかかりすぎるので、8人から10人程度を1グループとして行うのがいいかもしれません。また、逆に難易度をあげるためには、名前のほかに言うべき項目を増やすことが挙げられます。「名前と趣味」にした場合は、「サイクリングが趣味の佐藤さんの隣の、読書が趣味の鈴木さんの隣の……」と2人目にして早くも覚える項目が増えるので、よりスリリングな体験ができるようになります。

他己紹介

これは、自分以外の人を参加者全員に向けて紹介するアクティビティです。
2人~3人程度でチームを組み、ペアの人について、それぞれ5分程度で簡単なインタビューを行います。
インタビュー項目は自由ですが、あまりにも生徒任せにすると会話のきっかけが生まれにくくなる可能性があるので、「名前、学年、クラス、好きな教科は最低でも質問する」など、簡単な縛りを設けると、会話を促進できるようになるかもしれません。

ペアインタビューが終わったら、次は自分がインタビューした相手について参加者全員に発表します。自分以外の人について紹介をする都合上、ある程度の責任が生じるので、全員が参加する雰囲気を構築しやすいことが利点です。

実は……自己紹介

通常の自己紹介を行うのですが、それに加えて「実は……」から、周りの人にとって意外な事実を打ち明けることを必須にします。
それだけではあるのですが、試しに私たち執筆編集チーム内で試してみたところ、「実は家にぬいぐるみがたくさんあります」「実は耳が動きます」「実は毎日抱き枕を抱いて寝ています」など、見た目や普段のふるまいからは想像もつかないような事実がどんどん飛び出してきました。普段から付き合いがある我々チームでも楽しめたので、ある程度関係が深まった集団にもお勧めできる自己紹介ゲームです。

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関心共有ゲーム

自己紹介ゲームと同じく、お互い打ち解けるために有用なゲームが「関心共有ゲームです。
これは参加者全員が互いの興味や関心を共有することで、お互いの共通点を見つけたり、新たな視点を得たりすることを目的としたアクティビティです。チームを作成したり、初対面同士の人でコミュニケーションを促進したりする効果が望めます。

共通点探しゲーム

まず、参加者を5人から8人程度のグループに振り分けます。
そして、グループに10分程度の時間を与えて、それぞれのグループメンバーに共通する要素について話し合ってもらいます。

共通点は「男性である」「女性である」のようなものから、「全員トマトが嫌いである」「全員『劇場版鬼滅の刃』を映画館で見たことがある」など趣味嗜好・体験的なものまで含みます。

時間が経過したら、それぞれのグループの代表者が、見つけられた共通点について発表します。
見つかった共通点が一番多かったグループが優勝です。

テーマトークサークル

まず、参加者を5人から8人程度のグループに振り分けます。そして、円になって座ってもらい、各グループに10分程度の時間を与えて、与えられたテーマについて話し合ってもらいます。テーマは、先生が提示します。グループメンバーは、提示されたテーマについて、自分の興味や体験、関心などなんでもいいので思いついたことなどを発表します。時間が終わったら、最後に各グループの面白かった意見などを全体に発表して、終わりです。

このゲームはテーマ内容によって大きく展開が変わります。
「好きな食べ物」などの卑近な話題にすればするほど、誰でも答えやすくなる可能性は高まりますが、それだけ議論がありきたりなものになるかもしれません。

一方で、「哲学」など難解なものにしてしまうと、議論自体が発生せず、停滞してしまう可能性があります。その時の参加メンバーの興味関心や年齢層などによって、比較的議論が発生しやすくなりそうなテーマをチョイスすると、よりゲームが盛り上がるようになるでしょう。

アクティブなアイスブレイク

もしも、教室や体育館などある程度のスペースとまとまった時間が準備できるのであれば、すこし体を使ったアイスブレイクをやってみてもいいかもしれません。

フィジカルゲーム

体を使ったゲームの総称を「フィジカルゲーム」といいます。
サッカーやバレーボールのようなスポーツもそうですが、これらは道具や用意すべきフィールドの広さ、競技性の高さなどから、アイスブレイクとして用いるには敷居が高すぎるかもしれません。ここでは、ある程度の場所があれば、どのような人でもできるようなフィジカルゲームをいくつか紹介します。

だるまさんが転んだ

幼いころに「おにごっこ」や「かくれんぼ」で遊んだ方も多いでしょうが、そのような遊びについてもフィジカルゲームと呼称できます。これらの童遊びの中でも、特にお勧めできるのが「だるまさんが転んだ」です。おにごっこやかくれんぼの場合は、ある程度広いフィールドや、適切な障害物、隠れ場所などが必要になります。ですが、「だるまさんが転んだ」であれば、少し広めのスペースさえあれば、場所を選びません。

ルールはご存じの通り、ひとりが鬼になり、後ろを向いて「だるまさんが転んだ」と唱えます。唱え終わったら後ろを振り向き、少ししたらまた後ろを向いて、再度「だるまさんが転んだ」を唱えます。鬼以外の人たちは、鬼の背後十数メートルの場所から鬼に忍び寄り、タッチすることを目指します。ただし、鬼が「だるまさんが転んだ」を唱え終わって振り向いている間は、動いてはいけません。この間に動いてしまった人はアウトとなり、鬼の仲間となります。アウトにならずにタッチされたら鬼の負けです。

ハンカチ落とし

ハンカチ落としは、全員参加型のアクティビティです。参加者全員で円陣を組んで、その外側を鬼が走ります。参加者は全員円の内側を向くようにします。鬼は外周を走りながら、適当な人の後ろにハンカチを落とします。この時、ハンカチを落としたことを知らせる必要はありません。

鬼がハンカチを落とした人の場所まで、その人に気付かれずに一周して戻ってこれたら、背中にタッチします。これで鬼は交代です。狙われた人がハンカチに気付いた場合は、すぐにハンカチを手に取って鬼を追いかけます。この場合、鬼に追いついてタッチ出来たら鬼の続行となりますが、狙われた人がいた場所にまでタッチされずに鬼が逃げ切って座りなおすことができたら、鬼が交代となります。制限時間が過ぎた時点で鬼になっていた人が負けです。

ジェスチャーゲーム

言葉を発さずにお題について表現し、何を表現しているのかあてるゲームです。
お題があればすぐに実施できるので、比較的簡単に実施できます。ひとりだけがジェスチャーをしているとマンネリ化してしまうので、順番でジェスチャー役が回ってきて、それ以外の人は回答者に回るなど表現者と回答者を順番にめぐれるようなルールにするといいでしょう。

進行役と、ジェスチャーをする人を一人ずつ選出します。それ以外の人は回答者です。進行役は、ジェスチャー役にしか見えないようにお題を出します。ジェスチャー役は出されたお題について、言葉を使わず、体の動きや表情の変化のみで伝えます。回答者は、ジェスチャー役の動きを見て、何についてのお題なのかを見極めて、あてます。何回でも解答可能ですが、あまりにも不正解が続いた場合などはパスも可能とすると、より活発にゲームが進みやすくなるでしょう。

似たゲームに「バースデイゲーム」があります。これは、参加者全員で誕生日順に並ぶだけのゲームですが、この時、言葉を用いてはいけません。何もしゃべらず、体の身振り手振りのみで、お互いの誕生日についてを伝えあいます。ゲーム終了時、全員の並び順が誕生日順と一致していれば、プレイヤーの勝ちです。

クイズ形式のアイスブレイク

トリビアクイズ

トリビアとは、「雑学的な豆知識」のこと。雑学クイズと読み替えてもいいかもしれません。
テーマは出題者の自由ですが、回答者と関連がある話題やテーマから出題すると、回答側のモチベーションをあげることができるかもしれません。

筆者は学校の講演に伺った際は、その地域の特産物や歴史、観光地などについて調べて、それらに関するトリビアクイズを出題します。
例えば、宇都宮に伺った際には「どうして宇都宮は餃子で有名になったのでしょうか?」とクイズを出題したところ、回答者側の生徒たちが一生懸命に考えてくれて、結果的にいいアイスブレイクになりました。

クイズのテーマがあまりにも日常感覚からかけ離れていると、回答者側の感情として冷めてしまうかもしれないので、出題内容に関しては慎重に吟味するといいでしょう。

トリビアクイズの一例としては、下記のようなものがあげられます。
·  質問:太陽系の中で最も小さい惑星はどれですか?
答え:水星
·  質問:サッカーのワールドカップで最も多く優勝した国はどこですか?
答え:ブラジル
·  質問:電気の単位「ボルト」は誰にちなんで名付けられたものですか?
答え:アレッサンドロ・ボルタ

自己評価クイズ

自己評価クイズとは、個人が自分の性格、スキル、価値観、興味、強み、弱みなどを理解し、自身の成長や改善のための指針を得るために行うクイズやアンケートのこと。自己分析を通して新たな自分を知ることで、自己紹介の項目が増えたり、新たなキャリア形成を視野に入れたりできるかもしれません。

MBTIクイズ

自分が16個の性格タイプの中で、どのタイプに当てはまるかを診断できます。
ネットでできるのは正確な性格診断とは異なるジョークゲームのようなものですが、パーティゲームのネタとしては手軽に遊べる部類になるかと思われます。あくまでジョークなので、ここで診断した結果を信じる必要はありませんが、時には意外な自分の一面が発見できることがあるかもしれません。

コミュニケーションを促進するアイスブレイク

アイスブレイクの一番の目的はコミュニケーションの促進です。
そう言った観点から見ると、ここで紹介するようなゲームを扱うことが一番なのかもしれません。

インタビューゲーム

インタビューゲームは、最初に紹介した他己紹介と似ていますが、それよりも多くの時間と労力をかけて、より相手のことを深ぼる点が異なります。

このゲームの目的は、インタビュアー・インタビュイー両方の立場を経ることによって、参加者間の仲が深まることですので、コミュニケーションを促進するアイスブレイクとしては、ピッタリでしょう。

インタビューの項目は自由ですが、インタビュー前に5分から10分程度時間をとって、各自に質問リストを作成してもらうようにすると、よりスムーズに話が進むかもしれません。

「最近食べたご飯の中で一番おいしかったのは?」のようなライトな質問から、「子どものころの夢は何でしたか?」のようなパーソナルなもの、「無人島に一つだけ持っていくとしたら?」などの空想的で楽しげなものなど、様々な観点から質問が選べるようにすると、インタビューが盛り上がるでしょう。

また、バリエーションとして、制限時間を設けて素早く質問をしていく「スピードインタビュー」や、質問項目を特定のテーマに絞る「テーマインタビュー」、質問を書いたカードをランダムにシャッフルし、引いたカードの質問項目にアドリブで答える「シャッフルクエスチョン」などがあげられます。通常のインタビューに飽きてしまったようであれば、このような変化を入れると、より楽しみやすくなります。

協力ゲーム

協力ゲームは、参加者間で協力して、ひとつの目的を達成するゲームです。広義でいえばサッカーなどのチームスポーツも入りますが、ここでは相互協力型で全員参加のゲームを想定します。

あまり特別な道具も必要なく、比較的簡単に始められるのが「マシュマロチャレンジ」です。
これは、乾燥パスタとマシュマロを使って自立するタワーを作るゲーム。よりゲーム性を持たせるのであれば、5人から8人程度のグループに分かれて、各グループで独自の戦略を立てながらマシュマロタワーを建築し、制限時間経過時点で一番高いタワーを建設できたチームが優勝としてもいいでしょう。

より望ましい展開としては、タワーの建設を繰り返すたびに、自然と建築チームや設計チーム、タイムキーパーに分かれるなど役割分担が行われることですが、環境によっては難しいこともあるかもしれません。そう言った時は、時間経過に伴って、戦略上のヒントとして進行役の先生が全体に伝えるようにしてもいいでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ここで紹介してきたアイスブレイクゲームは、どれも子どもたちにとって、よりのめりこみやすいゲーム感覚で楽しめるものですが、コミュニケーションを促進する目的も同時に果たすことができる優れたものばかりです。

もちろん、私たちが紹介した以外のアイスブレイクゲームも数多く存在します。参加者の年齢や、趣味嗜好、時期、関係性などのファクターを加味して、適切なアイスブレイクを楽しむようにしてください!

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この記事を書いた人

東京大学文学部。世帯年収300万円台の家庭から東大へ合格。現在学業の傍ら、ライター、作家活動や講演活動を通して逆転合格のノウハウを広める。日刊SPA!、プレジデントオンライン、東洋経済オンラインにて連載経験あり。ゲームとマンガが趣味。

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