【武蔵野大学中学校:言語活動】東京大学大学院生:中島柚斗先生に聞く!AI研究のあれこれ!

今回、武蔵野大学中学校のプログラム『言語活動』に(株)カルペ・ディエムがご協力させて頂きました。記事のタイトル、本文は武蔵野大学中学校の3年生が作成いたしました。

言語活動とは武蔵野大学中学校で実施されているオリジナルのプログラムです。この授業では、どの科目にも共通する大切な考え方や役立つスキルを実践的に学んでいきます。、言語活動の中にある「ジャーナル作成」の一環として、『大学の先生、大学院生へのインタビュー』を行いました。インタビューした内容は記事化し、カルペディアで公開をいたします。

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近年、ChatGPTなどで身近になりつつあるAIに興味がありました。そこで、大学院でAIについて研究されている中島先生にインタビューをさせていただきました。

プロフィール紹介

中島 柚斗(なかしま ゆうと)

2000年生まれ。
2024年現在、東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻 。
東京大学在学中に株式会社EggAIを設立。
東京大学では画像AI、特に画像生成AIの研究に従事。
スワイプ操作でユーザーの好きな画像を生成する「SwipeGANSpace」を提案。
人工知能学会全国大会にて優秀賞受賞、HCI系のトップカンファレンスに主著論文採択、招待講演の実施などを手掛ける。
ITmedia NEWSにも取り上げられる。
〈参照〉
株式会社EggAI、Microsoft for Startups Founders Hubに採択

目次

学生時代

Q.小さい頃の夢はありますか?

A.小さい頃は漠然と会社を作りたいと思っていましたね。
皆さんは知らないと思うんですが、私が10歳の頃に『リッチマン、プアウーマン』というドラマが流行り、私もIT社長になってNext Innovationを作りたいと思っていました。

※「Next Innovation」はドラマの主人公が社長の時価総額3000億円のITベンチャー企業

Q.東京大学を目指したきっかけはありますか?

A.当時、「ITバブル」という言葉が流行ったように、これからの日本はどんどん情報社会化が進むという確信がありました「AIがこれからの時代を変える」という信念のもとに、AIを通じてNext Innovationを作るべく東京大学を目指しました。

Q.勉強は好きでしたか?

A.嫌いでしたね(笑)。

生徒一同:そうなんですか!

A.スポーツもやっていたんですが、結局スポーツだけだと食べていくことができないと思ったんですね。それで、自分が自信を持って得意といえたものが勉強だったんです。勉強が得意、ということはある種自分のアイデンティティとなってしまっているので、好きじゃなくてもやらないといけないと思っているのかもしれません。

大学院生の生活

Q.普段の大学院生としての一日を教えて下さい!

A.朝起きてまず、AIに関するニュースをチェックします。家を出たら研究室に向かって、ずっと数式と格闘しています(笑)。
また、教授とディスカッションをして、研究に関する意見をもらったりもします。
一つのプログラムを作るのに、1か月かかる時もあります。プログラミングが終われば実装して、動作の検証を行いますね。空いた時間には筋トレをして、2時くらいに就寝します。

Q.研究は他の人と共同でやることが多いですか?
それとも一人でやることが多いですか?

A.いい質問ですね(笑)。これは学部ごとによってかなり異なっているのですが、大学のAI研究の場合だと個々人でやっていることが多いです。例えば工学系の研究だと、大きな機械とか実験装置が必要になるので、一人の力で研究するのは難しい場合があります。大学のAI研究の場合だと、パソコン一台もあれば研究ができますから。

AI研究

Q.AIの画像生成について、簡単に教えてください!

A.人間の嗜好を学習させて好きな画像に出力させることができます。
個人の好みに合わせた画像の生成をして、TikTokのスワイプ操作のようなかたちで作られた画像がでてきます。
簡単に言うと、画像をユーザーに表示して、反応を見ることで、どんな画像をユーザーが好んでいるのかというのをAIが学習することで、AIがよりユーザーの好みにあった画像を出力していきます。AIがその人の画像の好き嫌いを予想しながら、画像を何度も生成する感じですね。AIがその場で生成した画像なので、ユーザーが自分だけのオリジナルを作ることができます。

Q.どんな方法で研究をしていますか?

A.すごく難しい内容になってしまうけど大丈夫ですか?(笑)

簡単にいえば、画像を作る、AIの脳みそがあって、脳みそに良い信号を送ると自分の好みの画像が作られるんですけど、その良い信号を効率的に見つけることで自分の好きな画像を簡単に素早く作っています。具体的な方法はとても難しいので、簡単には説明できないですね(笑)。

Q.この研究の結果をどこに利用させたいですか?

A.主に、アプリなどに活用したいと思っています。
SnowやTikTokなど、色々なアプリで自分だけの、好きなアバターを生成できるようにしたいですね。
またこの技術を応用すれば、自分の好みのアバターに好きなダンスを踊らせることができたり、それを使って自分だけの特別ライブなどを作ることもできるかもしれません。
また、現在ではCMにもAIで生成した女性アバターが出演するなどしていますが、そのようなかたちで広告系にも活用していきたいと思っています。本物のタレントさんを起用するとなると莫大な経費が必要になりますが、AI生成のアバターを使えばその費用を大幅に削減することができます。

Q.研究する上で大切なことはなんですか?

A.本質を見極めることです。
この研究の世界ではスピード感がものすごく速くて、毎朝AIのニュースを見て、情報を入手しないと自分たちが研究しようとしていたことがどんどん実現されてしまいます。
研究の世界では常に新しいものを目指さないといけません。だから、今何を研究するべきなのかを明確に定めることが大切だと思います。

先生の今後の展望や中学生に向けた一言など

Q.中高生へのアドバイスはありますか?

A.自分は学生の頃、学校外で何か活動をするということがなく、視野が狭くなりがちでした。
そのため、様々なところに繋がりを持って、多くの人と話してみるということが大切だと思います。

先生にインタビューをして感じたこと、学んだこと

インタビュー時、私たちはとても緊張していたのですが、中学生相手にも気さくに話してくださり、大変楽しい時を過ごさせていただきました。中島柚斗先生、ありがとうございました!

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この記事を書いた人

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