【武蔵野大学中学校:言語活動】ロボットクリエイター高橋先生のロボット・デザインに迫る!

今回、武蔵野大学中学校のプログラム『言語活動』に(株)カルペ・ディエムがご協力させて頂きました。記事のタイトル、本文は武蔵野大学中学校の3年生が作成いたしました。

言語活動とは武蔵野大学中学校で実施されているオリジナルのプログラムです。この授業では、どの科目にも共通する大切な考え方や役立つスキルを実践的に学んでいきます。、言語活動の中にある「ジャーナル作成」の一環として、『大学の先生、大学院生へのインタビュー』を行いました。インタビューした内容は記事化し、カルペディアで公開をいたします。

近年レストランなどの商業施設で働くロボットの姿を目にするようになり、ロボットを身近な存在と捉えるようになりました。そこで、ロボットについて詳しく知りたいと思い、ロボットの研究をされている高橋先生にインタビューをさせていただきました。

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プロフィール紹介

高橋智隆

1975年生まれ、京都大学工学部卒業と同時に「ロボ・ガレージ」を創業し京都大学内入居ベンチャー第一号となる。代表作にロボットスマホ「ロボホン」、デアゴスティーニ「週刊ロビ」など。米『TIME』誌で「最もクールな発明」に、『ポピュラーサイエンス』誌では「未来を変える33人」に選ばれる。ロボカップ5年連続優勝。(株)ロボ・ガレージ代表取締役、東京大学先端科学技術研究センター特任准教授、大阪電気通信大学客員教授、ヒューマンアカデミーロボット教室顧問を務める。

(http://www.robo-garage.com/company/より)

目次

高橋先生に迫る!

Q.小さい頃からロボットに関わることが夢でしたか?

A.物心ついたときには鉄腕アトムの漫画を読んでいました。その頃既に石鹸箱をセロハンテープで繋げて顔描いて、ロボットのような物を作ってました。その頃はロボットを開発する科学者になりたいと思ってました。

中高時代になると夢は特になく、漠然と何か楽して稼げれば良いな〜っと思ってました。

生徒:小さい頃からロボット好きだったんですね(笑)

高橋先生:ちょうど僕が就職活動の時に、景気が悪くなって、自分が行きたかった企業に就職出来ませんでした。で、行きたくないところに行くのも嫌で、ロボットを学びに再び大学に行こうと思いました。

Q.京都大学工学部に入学したのはなぜですか?

A.ロボットを作りたかったからです。最初は特に考えもなく大学の文系学部に進学しましたが就職の希望が叶わなかったため一年間予備校に通い大学受験をし、京都大学工学部に入学しました。

Q.尊敬している方はいますか?

A.LEDを作りノーベル賞を受賞した中村修二先生です。ものすごく変人のおっちゃんなんですが(笑)

なんでこの人が青色発光ダイオードを発明できたのか?
大企業が巨額を投じ、すごい設備で試行錯誤した方が、すごいものが作れそうじゃないですか。

でも、中村先生は実験器具を作るところから、一人で試行錯誤をしていたんですね。この何もかも一人でやっていたからこそ上手くいったんですよ。ぜひ、本や記事を読んでみて下さい。

ロボットに迫る!

Q.高橋先生の「ロボットデザイン」とはどのようなものですか?

A.デザインといっても、英語のdesignに近くて、設計をして、開発をします。量産はしませんが、最初のプロトタイプは自分自身で作り上げます。もちろん外観だけではなく、中身も作らなければなりません。

ロボットは中にモーターとかセンサーとかびっしり部品が詰まっているので、外観デザインは全く自由にならない。だから、外側と内側、両方のデザインを同時に考えなくてはいけない。どんな材料で、どんな加工をして、どんな機能にするのか?これらを全部切り離さずにいっぺんにやるのが、僕の仕事です。

Q.ロボットの存在価値とは何ですか?

A.「お手伝いロボット」みたいに、皆が想像しているようなものにはなりません。
例えばロボットは、最も簡単な家事である「洗濯物畳み」ですら、洗濯物の種類や向きなどを正確に区別するこが困難で、うまく畳めません。より複雑な調理や片付けなどのお手伝いをすることは不可能に近い。そして、そもそも一つのロボットに機能を集約する必要もない。例えばロボットがひとつの作業をしている間は、他の作業が出来ません。なので、それぞれの作業に特化した複数のロボットが働いてくれた方が、効率が良いのです。

Q.ロボットにコミュニケーション以外の機能をつけるとしたら、何をつけますか?

A.コミュニケーションに関係する事かも知れませんが、思い出の共有が大切になってくると考えています。旅先にてスマホで写真を撮っても、スマホと一緒に旅をしたと思う人はいないでしょう。でもロボットで写真を撮れば、そのロボットと旅行したという思い出になるはずです。そうやって日々の記録が、時間の共有となっていくのです。するともうロボットはただ便利な道具ではなく、相棒のような存在になっていくでしょう。

先生の今後の展望や中学生に向けた一言など

Q中学3年生だけど夢がありません、どうしたら良いですか?

A 昔は僕もロボットが好きなだけで、それが仕事になるとは思っていなかった。ただ他に同じようなことをしている人がいなかったので、結果的に仕事として成立しました。

そう考えると、みんなが思い描きがちな夢って本当なのかな?なんだか周りの人たちの意見や、ネットの情報に影響されているだけなんじゃないか、一度自分で深く考えてみてください。

むしろマイナーで、マニアックな夢の方が本心に近いかもしれないし、仕事としても勝ち目がある。だからマニアックな自分だけの夢を見つけて欲しい。

Q、先生がこれだけは伝えたい!ってことありますか?

A、特にないけども(笑)

生徒一同:(笑)

そうだな…

僕は、勉強とか、学問って変わり続けていくべきだと思っている。世界中でこれだけテクノロジーが進化し、毎日に新しい成果が生まれている。僕が学生の頃に学んだこと、皆さんが今学んでいることが同じだったならば、それは明らかにおかしいでしょう。

また、良くも悪くもいつか勉強を一段落させて、行動をおこさなくちゃいけないタイミングがくる。じゃないと、世界の進歩をキャッチアップすることだけに忙殺されてしまう。

だから、勉強はもちろん大事だけど、その中で優先順位をつけて、取捨選択をして、自分のキャリアを作っていかないといけない。その時に先生や親に聞くんじゃなくて、自分で判断することが大事。『どんな仕事に就いたら良いですか?どんな勉強したら良いですか?』って質問しても世代によって、価値観もトレンドも違うからその答えはあまり参考にならない。

自分の世代で起きていることを体感し、未来を予測し将来を描いて欲しい。それが皆さんの武器だと思う。

つまり、自分自身、自分の世代の価値観で取捨選択をして、勉強をして、それを元に行動を起こして欲しい。

先生にインタビューをして感じたこと、学んだこと

ロボットと一言で言っても様々な形や能力があることを初めて知りました。高橋先生は私たち中学生に対して、わかりやすく親切にロボットやそのデザインについてお話しくださいました。私も将来ロボットと共生する暮らしを実現できたらいいなと思いました。

高橋先生、ありがとうございました!

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この記事を書いた人

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