カルぺ・ディエム講師の西岡壱誠(経済学部4年生)、永田耕作(教育学部4年生)、縹峻介(理学部4年生)、伊藤まどか(教養学部3年生)を含む東大生の講師メンバーが、2023年9月9日に金沢高等学校の高校1、2年生を対象にワークショップ「難関大合格プロジェクト」を開催しました。
「難関大学合格プロジェクト」とは?
「行ける大学」を目指す学生がたくさんいて、「安定思考」で生きる若者が増えて、「指示待ち・周りと同じように」で行動する人が多い。
失敗したくないと考えて、自由にこの瞬間を楽しむ人が少ないと思います。
そんな中で、僕たちは「やりたいこと」に挑戦してもらえるようなお手伝いをしたいと考えています。
本プロジェクトでは、生徒たちが「行きたい大学」を見つけ、ゴールまでの道のりを一緒に描き、年間を通して継続的なサポートを実施します。
偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠をはじめとして、地域格差・情報格差など、さまざまな逆境を乗り越えた東大生講師が指導に携わります。
金沢高等学校では、1年生に対して対面とオンラインを合わせて年間10回、2年生に対して対面で年間5回の講義を行なっています。今回は夏休み明け1回目の講義ということで、我々も気合いを入れて様々なバックグラウンドを持つ4人の講師を対面での講義に派遣しました。
本記事では、このプロジェクトの様子を、実際に講義やワークショップを担当した永田がレポートします!
「ギアを上げる」とは?
「今日は、皆さんに喝を入れに来ました」
開口一番、僕は2年生の生徒にこのように話しました。
それに対し、困った顔や訝しげな表情を見せる生徒たち。それもそのはずです。僕らはこれで今年3回目の対面講義となりますが、普段は「勉強の楽しさ」や「計画を立てることの重要さ」といった講義を主に行なっていて、「こうやって勉強した方が楽しくできるよね!」というようなポジティブな話を多くしているからです。
そんな僕らが、今回あえて厳しい言葉を発したのには意味があります。
2年生の9月、つまり3年間の学校生活のちょうど折り返し地点です。3年生の終わりに、人生の大きなターニングポイントである「大学受験」があると考えると、ここから多くの高校生は勉強に対してより積極的に取り組むようになります。それを僕は生徒に、「ギアが上がる」という言葉で伝えました。
だったら、僕らもギアを上げなければいけません。それも、周りと同じでは意味がないので、周りよりもさらに何段階も大きくギアを上げる必要があります。
だからこそ、僕らは今回の講義が一個大事なポイントになるのではないかと考えたのです。
東大生からの挑戦状!
今回の講義は、僕らが話す時間は極力短く、生徒にワークをやってもらう、それも実際の入試問題やその類題を解いてもらうという時間を十分に用意しました。
それも、選択肢のある問題ではなく、実際に解答やその過程を記述しなければいけない問題を解いてもらうことで、どこが自分の欠点、理解できていないところなのかを自分自身で分かってもらう流れを作りました。
こちらは、今回の講義で実際に出題した英語の問題です。この日本語の文章を正しい英語に訳す、という内容の問題でした。
例えばこの問題では、12人のメンバーがいる、ということをどんな動詞や構文で表せば良いのか、というポイントがあります。また、「2階にある」ということを示すために適切な前置詞は何か、といったところも大事になってくるでしょう。
あくまで一例ですが、この問題の模範解答はこのような形になります。
“There are twelve people in my club.
Our room is on the second floor of this building.”
自分の書いた文章と解答を見比べて、「なぜこの表現ではいけないのか」「この動詞はどんな条件で使われるのか」などを生徒どうしで議論していました。
このように、問題が正解だったか不正解だったかの確認だけで終わるのではなく、「どうすれば正解できたのか」を考えることが次回以降の得点アップにつながるのです。このことを、生徒は身をもって体験してくれたようでした。
答案を添削してみよう
実は今回の講義では、我々も今までやったことのないような新しい取り組みを行いました。それは、「生徒の答案をプロジェクターに投影する」というものです。
後半の問題は、東京大学の入試問題でとても話題になったこちらの問題でした。
この問題をただ解くだけでは終わりません。4-5人ずつのグループに分かれてもらい、そのグループごとに1つの答案をみんなで作成してもらいました。そして実際に解いた答案を投影し、東大生がリアルタイムで採点したのです。
この斬新な取り組みには、ねらいが大きく2つありました。
1つ目は、「解答を相手に伝わりやすいように記述する」ことの難しさを分かってもらうこと。模試や実際の入試では、答えは合っているのに記述が不十分で半分も点がもらえなかった、ということが非常に多くあります。自分の頭で分かるだけではなく、それを相手に正しく伝える能力が問われているのです。
それを伝えるために、あえて僕らは答案に「ツッコミ」を入れていきました。「これって0のときはどうなるの?」「これだとAがどの場所か分からないよね?」などなど、意地悪に見えるかもしれませんが、試験本番でそのような減点を喰らわないための優しさなのです。
2つ目は、自分の答案を「客観視」してもらうこと。答案を書いていると、まるでそれが正しいかのように思えてくることがあります。しかし、冷静になって読み返してみると、「ここの式変形はできないな」「この記述では不十分だな」とわかることが多いのです。そのため、投影された解答を自分自身で見ることで、自分が伝えたいことがきちんと答案に反映されているのか確認してもらいました。
この初めての取り組みは、生徒に記述問題の難しさや大切さを分かってもらう良い機会になりました。またどこかで実施できれば良いなと考えています。
次回の2年生への講義は、2ヶ月後の11月18日になります。その講義の際に、より勉強に対して積極的になっている生徒の姿を見れることを僕は期待しています。
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講師は現役東大生!偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠をはじめとして、地域格差・経済格差など、さまざまな逆境を乗り越えた現講師たちが、生徒に寄り添って対応します。
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