【相生昌悟に聞く】東大の良問10に学ぶ世界史の思考法の執筆背景

2023年8月22日に『東大の良問10に学ぶ世界史の思考法』が発売されます!本記事では、著者の相生昌悟に、出版編集部の縹 峻介が本書執筆の背景をインタビューしました!東大ならではの視点で語られる「歴史の流れ」とは?ぜひご一読ください!

東大の良問10に学ぶ世界史の思考法
著者:相生昌悟
監修:西岡壱誠
星海社(2023/8/22)
東大式「世界史の思考法」を総ざらい&東大世界史問題でより深める!

東大世界史は「世界史の思考法」を学ぶのに最適の教材です。東大はこれまで入試問題を通じて、枝葉末節の暗記にとらわれない世界史の大きな流れを理解する重要性を世に問うてきました。本書では、そんな東大世界史を徹底的に研究した東大生が選りすぐった10問をもとに、古代から現代までの世界史の流れを見ていきます。各章前半の講義編では、予備知識のない方でも東大の議論がわかるように前提となる世界史知識をまとめ、各章後半の演習編では、東大世界史名物「大論述」を実際に解いて、東大が問いかける問題意識や世界史の重要ポイントを詳細に解説しました。この1冊で東大レベルの世界史の思考法をマスターしましょう!

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目次

歴史の流れに注目した本書


では初めに、この本の内容を簡単に教えてください!

相生
この本は、抽象的な歴史の流れを、東大の世界史の問題を使って理解できるようになっています。この「抽象的な歴史の流れ」というのは、単に単語を羅列した文章とは一線を画すものであり、具体事例に先立つ各時代の大枠のような概念です。


なるほど。ではなぜ、歴史の流れに焦点を当てた本を執筆しようと思ったのですか?

相生
これは自分の受験生時代に遡ります。当時の自分は、東大の世界史の問題を解く中で、「問題文に忠実に、抽象的な歴史の流れを書きつつ、指定語句等を手がかりに個々の史実を例示すること」が解答に求められているにも関わらず、既存の教材における解答例は個々の単語の羅列で終わっていることに問題意識を抱きました。そこで、これに対して何らかの形で問題提起をし、解決策を提示したいと思ってこの本を書きました。

本書を新書で刊行する意義と著者が考える新しい歴史観


東大世界史の問題を解いていくというこの本は一見、参考書のように思われるのですが、あえて新書という形で仕上げたのは、どういった意図があるのでしょうか。

相生
大きく二つあります。一つは、「既存の解答例が個々の単語の羅列で終わってしまっている状況が良くないのではないか」という問題意識をより多くの方に伝えたいと考えたためです。新書の形にすることで、受験生層だけでなく、大人の方々にも読んでいただきたいと思っています。二つ目は、東大世界史の問題文を忠実に踏まえ、歴史の流れを盛り込んだ解答例自体が、受験を終えた方々にも新しい視点を提供でき、世界史を味わう1つの手段となり得ると考えたためです。


東大は、入試問題を通して、歴史の全体像を俯瞰的に捉えることを求めており、個々の事例はその中の具体例にすぎないはずなんですよね。それなのに多くの人は、単語を覚えることこそがあたかも歴史を学ぶ上で最も大事だと思ってしまっている。これは確かに少しもったいない気がしますね。

それを踏まえて、この本を読む中高生には、どのように本書を活用して欲しいですか?

相生
この本は、暗記のみを中心に据える今までの勉強法から脱却するために役立ててほしいです。一般に王道とされる「まずは用語を覚える」「教科書の太字を隠し、覚えられているかを確認する」という従来の歴史の勉強法から脱却し、逆に一旦細かい単語は無視して歴史の大枠を理解した後に、その大枠に具体的な用語を当てはめるという新しい世界史の捉え方を学んでほしいです。

やはり、用語を覚えないといけないところからスタートすると、その作業がしんどいが故に「世界史は面白くない」って思ってしまって、世界史を嫌いになってしまうこともあると思います。しかし、歴史の流れを初めに学ぶことで、世界史の本当の楽しさを先に触れることができ、世界史って面白い!と、少しでも多くの人に思ってもらえると嬉しいです。

また、特に受験生に絞ると、世界史の解答を作る際に大事になる視点を提供できるのではないかな、と思っています。


なるほど。確かに、期末テストの前日に単語を詰め込んで覚えたけど、それで「世界史が面白い」とはならなくて、資料集とかを読んでいる時にこそ、楽しさが垣間見えていた思い出があります。

相生
若干脱線しますが、私は、教科書において、本文よりももっと読むべき文章があると思っています。それは、各章の「はじめに」みたいな導入文なんです。僕が中高生の時は、「こんなの読み飛ばしてもいいだろ」なんて思っていましたが、実はその文章にこそ、各時代のエッセンスや大事な概念が詰まっていたりするんです。

それ以外にも教科書には、太字になっている部分以外の部分で、意外と時代の大枠や時流が書かれていたりしていて、そういうところに目を向けることも歴史の大枠を捉えるうえでは大切だと考えています。


確かに……!
僕も高校生のときは、そんな細かいところを読んだ記憶はないです(笑)。
そういった文章を読むことが、世界史を楽しいと感じるための第一歩なのかもしれませんね。

本書のこだわりポイントと著者からのメッセージ


執筆中に意識したことやこだわったポイントなど、ありますか?

相生
やはり、問題文に求められていることに忠実な解答を作成することですかね。

問題文って、東大の教授陣から受験生へのメッセージなんです。東大は、問題文を通して、ある一つの歴史の見方を提示しています。つまり、東大の入試問題は、様々な歴史の見方のうち、東大が示したある一つの見方から見たときに、指定語句等で示された事例がどのように捉えられるかを問うているのです。

だとすれば、入試問題を解く私たちも、問いをじっくり味わった上で、それに対してどれだけ正面から答えられるかを意識すべきでしょう。これこそ東大入試で求められている力であり、本書でも最も大事にした観点です。


では最後に、この本を読んでくださる皆様へのメッセージをお願いします!

相生
再三にはなりますが。細かい用語に囚われすぎずに歴史の流れを掴むことを意識してできるようになって欲しいです。きっと新しい視点で世界史を捉えなおせると思います。

もう一つ、各章の最後には、章のまとめとして、その章で取り上げた東大の入試問題への解答例を載せています。つい読み飛ばしそうになるかもしれませんが、この解答例もしっかり読んで「歴史の流れを基調として、個々の単語を具体事例として当てはめているな」ということを確認していただきたいです。また、「この解答例が、東大の問題に対する『解答』として十分なのか」と批判的に読み、歴史を捉えなおすきっかけとしてほしいなと思います。

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この記事を書いた人

東京大学理学部物理学科に所属。高校時代に生徒会長をした時の楽しさが忘れられず、学祭やイベントの運営に携わって仕事をすることが、至極の楽しみ。カルぺ・ディエムでは出版編集部に所属し、よりクオリティの髙い書籍を出すことを意識している。趣味はピアノとゲームとスラック。

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