地域格差や情報格差を乗り越え、地方公立高校から東大に現役合格を果たした東京大学法学部4年生の相生昌悟。東大に合格するまでの道のりと、その経験から生まれた教育への想いをインタビュー!
地方からの東大受験、立ちはだかる壁とは?
——地方の公立高校出身ということですが、東大を受験しようと思ったきっかけはどのようなものだったのですか?
環境が一番の要因ですかね。地方から東大に受かろうと思うと、その地方の高校で常にトップに立っていなければいけません。そうすると、同期と競争し、切磋琢磨し合うという感覚があまり生まれなくなってくるんです。それでは自分の成長速度も遅くなるし、そのような環境から抜け出したいと思っていました。そこで、日本一レベルが高い人が集まると言われる東大に行って、優秀な仲間と切磋琢磨しながら、より自分を成長させていけたらなぁという思いから、東大を受験しました。
あとは単純にかっこいいから、っていうのもありますね。東大に行ったらモテそう、というあまりよろしくない動機もありました(笑)。
——確かに、地方だと東大を目指す仲間も見つかりづらいかもしれないですね。高校生の時はどのような受験生でしたか?
早めに準備しようという意識が強かったですね。僕は中学生の時から数学が苦手だったのですが、難関大学を受験するには、理系に行くにしても、文系に行くにしても、受験で英語と数学が必要でした。だからこそ、高校1年生の時の自主勉強の7割は数学に費やしていたと思います。量をこなしていたからこそだと思うのですが、それからは数学が得意科目になりました。
東大受験当日のアクシデント
——東大受験というと地方から東京まで行かなければならないですよね。慣れない土地で不安もあったのではないかと思いますが、緊張はありましたか?
地方から出てくる受験生は、保護者と一緒にホテルに泊まる人が多いようでしたが、僕は1人で東京にいきました。前日の夜は友達と電話で話していました。そのおかげもあり、あまり緊張はしていなかったですね。
——そうだったのですね。試験を受けた感想はどうでしたか?
文系の東大受験は、1日目に国語と数学、2日目に英語と社会を受験します。僕は1日目に、得意科目である数学で問題を読み間違えてしまい、大失敗してしまいました……。元々、数学で点数を取っておくことで、模試でもよい順位を取ることができていたので、数学で失敗するというのはかなり厳しい状況でした。もはや2日目の試験に行くかどうかを迷うくらいの精神状況でしたね(笑)。
ただ、僕が受験していた文科三類という枠は、定員が450人でした。数学で失敗したとしても、他の450人全員には負けないだろう! という気持ちでなんとか持ち直して、2日目に向かいました。
——しっかりとメンタルコントロールをすることができたからこそ、現役で合格することができたのですね!
自分と同じ境遇で苦しむ人を救いたい
——緊急事態も乗り越えながら東大に入学したということですが、カルペ・ディエムにはどのような経緯で入ったのですか?
僕は地方の出身で、有名な予備校も、有名な先生も、競争し合えるライバルもいない環境で育ってきました。市販の教材で自分を高めていくしかない状況で、やっぱり地域格差や情報格差を感じていました。僕と同じような境遇の人はきっと今この瞬間もいて、彼らを救いたいと思った時に、それを実現できるのがカルペ・ディエムだと思ったことがきっかけですね。
——相生さんの思いと、カルペディエムの理念が重なったのですね。リアルドラゴン桜プロジェクト(以下リアドラ)や戦略立案ワークショップなどを担当されていると思うのですが、実際やってみていかがでしたか?
初めてリアドラで生徒さんたちに会った時に、みんなが自分の夢や理想をふわっとでも持っていると思ったんですね。でもその一方で、自分でその思いに蓋をしてしまっている子が多いなっていう印象がありました。夢や理想は常に持ち続けていてよくて、それをいかに実現するかを考えながら、一歩一歩努力していくことが重要だと思います。それを生徒さんたちに伝えたいという思いが、さらに強くなりました。
——リアドラでの経験が、教育分野での原体験となっているのですね。現在は執筆活動もされているとのことですが、これからやりたいことはどのようなことですか?
戦略を立てて勉強することの重要性についてまとめた『東大式目標達成思考』に引き続き、勉強に関する書籍を執筆していきたいと考えています。僕の執筆した書籍が、地域格差や情報格差で困っている受験生の助けになれたらと思います。
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