【東大生インタビュー】散歩で東大へ!東大の学校推薦型選抜

あっという間に5月ももう下旬になり、新しい生活リズムに少しずつ慣れてきた、という人も多いでしょう。今回は、この春晴れて東京大学に推薦合格した下村さんに、なぜ東大を目指したのか、や、東大合格までの道のりはどのようなものだったのかについて教育事業部の永田耕作がインタビューしてみました!

サムネイル:散歩先のオカヤ堂にて(肖像権の許可を取得済です)

プロフィール紹介

下村英理(しもむらえいり)

2005年生まれ。公立中学校、私立高校を経て2024年に東京大学に学校推薦型選抜により入学。中学校では吹奏楽部の部長(コロナ禍であらゆる工夫を要した・・・)を、高校では生徒会役員や統計を使った研究などを行っていました。中学校の校長の「自分のいる場所で最大限頑張りなさい」という言葉を胸に、学校にあるコンテンツを活用したり、時には自分で取りに行くことによって、前のめりな姿勢を実践してきたつもりであります。なお、小学校では毎日、学級新聞の夕日新聞を書くことに没頭していました。
大学においても前のめりに生きていきたいと思います。

目次

東大を目指した理由

永田:まず、下村さんは東大に今年合格したわけですが、どうして東大を目指されたんですか?

下村:私はもともと京都大学を目指しておりましたので、前期試験で京都大学の経済学部に合格するための勉強を進めておりました。ですが、ある日、担任の先生から「東京大学に推薦入試がある」ということを聞いて、ぜひやってみないかと言われました。それまで、推薦入試を受けようとは全く考えていなかったのですが、「もし自分がこれまでやってきたことを活かして、自分がやりたいことを教授に伝えられる機会があるのであれば、ぜひやってみよう」と思い、東京大学への受験をすることにいたしました。

永田:なるほど、そうだったんですね。ちなみに、担任の先生と話をしたのはいつ頃だったんですか?

下村:高校3年生の10月でした。東大推薦の出願は11月頭ですので、もう1ヶ月もないくらいギリギリの時期でありました。

永田:なんと…!それはすごい…(笑)じゃあもうそれまでは完全に、京大に行くぞ!って感じだったのですね。

下村:そうであります。受験勉強は完全に京都大学の問題に合わせて行なっており、前期試験も京都大学に出願いたしました。推薦受験に受かる自信はそこまで大きくはなかったので、あくまで前期で立ち向かえるように京大受験の対策をしていました。

永田:一週間あたりどれくらい自習していたのですか?

下村:多いときで週65時間とかだったと思います。

永田:自習で65時間!すごいですね、それはきっと、一般受験でも上手くいっていたことでしょう。

下村:それはわからないです

学校推薦型選抜はどういう流れ?

永田:ここからは推薦受験についてお聞きしたいのですが、まずそもそも、経済学部の推薦受験はどのような流れで進んでいくんですか?

下村:まずは、「志願書」などの必要書類を提出する必要があります。経済学部の場合は、1000文字程度で、これまで自分がやってきたことや、自分の将来像を記述しました。経済学部では、全国規模の大会で何らかの成績を残している客観的根拠が必要になるということだったので、ビジネスコンテストで優勝した際の賞状や、「日本数学A-lympiad」という大会の成績などを提出しました。あと、学校内で統計を使った研究をしていたのでその論文を提出しました。

永田:そこでサラッと賞状が出てくるところが、さすが推薦合格生、という感じがしますね。素晴らしい。

下村:とんでもございません。どれも、同級生と一緒に作り上げたものでありますから、そこについては感謝を忘れてはならんと思っております。この書類審査が通ると、12月頭の面接に案内されます。そこでは、これからやりたいことを聞かれたり、経済学についての論文を見せられて考察を求められたりしました。数学の問題を聞かれることもありました。

永田:面接で問題を解くんですね!東大の推薦、やっぱり面白いなあ。

下村:相関関係と因果関係の違いみたいな話も出てきて面白かったですよー。この面接の後、1月にある大学入学共通テストを受けて、その結果と合わせて2月13日に合否が発表される流れになります。

永田:え、ということは、12月の面接の結果は2月まで出ない、ということですか?

下村:左様でございます!面接の結果を待つ状態で、共通テストや二次試験の勉強をしなければならないので一旦面接のことは忘れるということが必要であろうと思います。しかしながら、「あんなこと言っといたらよかったなあ」とか「あれは言ったらあかんかったかなあ」とか、後になって色々思い始めるのは避けられないものでありました。また、面接練習と志願書作成で1ヶ月くらい前期試験の勉強時間がかなり削られているというこの上ない不安感もありました。

永田:なんと…。2ヶ月もその状態で待つのはとても大変ですよね…。ところで下村さんは、10月に入ってから突然東大の推薦受験を決意したと話していましたが、準備期間があまりない中での面接は大変ではなかったんですか?

下村:もちろん大変でした。喋ることに関しては、地域の人とたくさん喋っていたということに加え、高校での生徒会活動などと普段から積極的にお話をする場をとっていたことから、不安はあまりなかったのですが、やはり自分の話したいことを端的に述べることが最初はなかなかつかめず、言葉が詰まったりしていました。そこでお世話になったのが、西岡さんと原田さんでした。

永田:うちのメンバーが、色々と手伝ってくれたんですね。

下村:そうです。西岡さんは志望書の添削から何度もアドバイスをいただきましたし、面接で聞かれそうな内容や適切な受け答え方などは、実際に経済学部の推薦受験を経験した先輩である原田さんが丁寧に指導してくれました。あの御二方のおかげで、当日は自信を持って面接に挑むことができました。感謝を言い尽くせません。

永田:これまでの経験と持ち前のスキルと、そして本番を想定した練習の積み重ねによって、推薦入試を突破されたのですね。

大学でこれからやりたいこと

永田:まだ入学して1ヶ月ほどで、分からないことも多いかと思いますが、ぶっちゃけ、東大入ってどうですか?

下村:一言で言うと、ワクワクで満ち溢れた場所だなあと感じています。自分はもともと地方創生に興味があって、そこに経済学の視点からアプローチできないかなと思って経済学部を志したのですが、同じ志をもつ仲間が多くいて、パワーをもらえます。また、全然違う夢や目標を持っているクラスメイトもたくさんいて、そういう人たちは、新しい視点をいただくきっかけになっております。あらゆるものを吸収していきたいと思っています。

永田:とても良いことですね。ちなみに今話してくれた、「地方創生」に興味を持ったきっかけは何かあるんですか?

下村:これは個人的な興味で、週に1回程度、放課後に地元の街をよく散歩していたのであります。そうすると、地域のおじいちゃんおばあちゃんだったり、働く人だったり、いろんな人と話をするのであります。受験生の期間もあえてそれを絶えず続けていたのですが、自分にとっては受験を乗り越えられたのは地元の人たちの応援があったからであると確信しています!私はそういった地域のコミュニケーションを守りたいと考えています。ちなみに、推薦で一番強調したのは賞などではなく、この散歩であるということも付け加えておきます!

永田:素敵…!僕も愛知県出身で、地元に対する愛はとても強いので、共感できる部分が大きいです。

下村:ありがとうございます。ですので、大学では、さまざまなバックグラウンドを持った仲間と、色んな角度から地方創生について考えていけたらなと思っています。それから、私が推薦入試に挑戦したように、人々が前のめりに挑戦することを応援していきたいと思います。

東大推薦を目指す人へ一言

永田:最後に今推薦入試を目指す人へ一言お願いいたします!

下村:推薦入試に関して言えば私の周りにはすごい⚪︎⚪︎オリンピック優勝、といったような経歴を持った人ばかりで、すごいなーといつも思っています。しかしながら、私の場合は大会の履歴などはほとんど強調せずに挑みましたし、実際に面接でもあまりつっこまれることはありませんでした。そしてまた英検は2級の合格証明書しか出していません。ネット等で紹介されている人を見て、「私は無理だあ」と思って諦めてしまうのは相当勿体無いと思います。ぜひ挑戦していただきたいと思うと同時に、いつか「この記事を見たよ!」といった形で、東京大学でお会いできたら嬉しいなと思います。
私は、今ある私の劣等感を起爆剤にして、「大学で」いろいろなことに挑戦すればいいじゃないか、と考えております。

永田:下村さんの活動を、心から応援しています!

カルぺディアでは色々な東大生にインタビューをしています。ぜひご覧ください!


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この記事を書いた人

理系で東京大学に入学したが、教育をより深く学びたいと思い現在は教育学部に所属。高校まではずっと野球部に所属し、大学でも野球を続けている。趣味はピアノと旅行で、旅先のストリートピアノで流行の曲を弾くことが一番の楽しみ。

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