蒼明学院中等部 アカデミックマインド育成講座

 

カルぺ・ディエム講師の永田講師(教育学部4年)が、2023年7月10日に蒼明学院中等部の2年生を対象に「アカデミックマインド育成講座」という講演会&ワークショップを開催しました。
本記事では、イベントの様子を実際に参加した講師の永田が紹介します!

「アカデミックマインド育成講座」とは?
「自分で考える力」を育む講座です。
AIなどさまざまな技術が発達する中、これからの世代に求められるのが、「思考力」です。共通テストや大学入試でも「自分で考える力」が試されるようになっています。本講座では、現役東大生と一緒に「身の回りにあふれる疑問」と「五教科の勉強」を結びつけた課題に取り組み、自ら問いをたて、仮説を作り、検証する一連の思考法「アカデミックマインド」の獲得を目指します。
勉強がより楽しく、身近な存在になるだけではなく、獲得した思考法を大学受験の問題に応用していく講座です。

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目次

岡山県が「制服発祥の地」と言われているのはなぜ?

講義は、早速こんな話から始めました。
「僕の友達で岡山県出身の東大生がいるんだけど、東京に上京した時に、電車や街を見て『私服の学生が多い!』とびっくりしてたんだよね。」

それもそのはず。実は、岡山県には日本で広いシェアを誇る学生服会社の本社が多く存在していて、日本で使われている制服の約8割が岡山県でつくられていると言われているのです。そのため、岡山県では小中高全てにおいて、他の都道府県に比べて制服を採用している学校が多いのです。
ここまで話した後に、このように生徒に問いかけました。

「じゃあ、なんで岡山県では制服の生産が盛んなんだろう?」

地元の話ということだけあって、岡山県が制服のまちであることは多くの生徒が知っていた様子。しかし、それは「なぜ?」と聞かれたとたん、「確かにどうしてなんだろう」「理由までは考えたことがなかった」というような声が上がりました。

実はこれ、岡山県の大部分が「干拓地」であることが大いに関係しているのです。

干拓とは、もともと海であった場所を、水深の浅いところを仕切ってその水を抜き取ったり干上がらせたりすることで陸地にすること、を意味します。つまり、そうしてできた場所は通常の土地よりも塩分濃度が高いことになります。そのため、塩分濃度の高い土壌に適している綿花の栽培が広く行われるようになった、という流れになります。

どうでしょう?「岡山県でなぜ制服が広まったのか」というシンプルな問いから、「干拓地の特徴」や「綿花の栽培」というような科目横断的な広い学びにつながりましたよね?これがまさに、日常になぜを問う「アカデミックマインド」なのです。また、このように実際の経験や体験に紐づけた学びは、エピソード記憶となって脳内に残るため、より印象深く覚えることができるのです!

遠足でアカデミックマインドを鍛える!?

さて、ここまで教室で行われていた講義でしたが、授業が後半戦に差し掛かったタイミングで、このように生徒に伝えました。
「今から、近所の神社までお散歩に行きます!みんなで体を動かそう!ただし、1つだけルールを作ります。それは、このお散歩の行き帰りで、必ず自分なりの『問い』を見つけること。それは、神社にあるものでも、行き帰りにあるものでもなんでも良いよ!」
生徒は突然のことにびっくりした様子でしたが、授業中にお散歩をしに行く、という普段なかなかできない体験に心を躍らせていました。

実際にお散歩をした後、ワークタイムということで、生徒一人一人にどんな問いを立てたか聞いてみました。
すると、

「神社の前の道路の曲がり角にカーブミラーがあって、その鏡が変な形をしていたのが気になった」
「雨がちょっと降っていてカタツムリがいたけど、あのカタツムリは晴れている日はどこにいるんだろう?」
というように、興味深い問いがたくさん生まれてきました。

問いが生まれたら、後はそれを深掘りしていく流れになります。ここで永田講師は、深掘りには「5W1H」が大事!というメッセージを伝えます。
5W1Hとは、「いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように」の英語の頭文字をとって合わせたものであり、物事の背景や理由を考える際に役に立つ思考法として知られています。「なんでカーブミラーが置かれているのか」「カタツムリはいつ外に出てくるのか」というように、この5W1Hを含んだ問いを考えることで、より物事が深くわかるようになる、と締めくくりました。

おわりに

蒼明学院では、すでに探究学習が広く行われている様子。そんな良い流れに上手く生徒さんたちが乗れるように、僕らも全力でサポートしていきます!

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ご相談から受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

理系で東京大学に入学したが、教育をより深く学びたいと思い現在は教育学部に所属。高校まではずっと野球部に所属し、大学でも野球を続けている。趣味はピアノと旅行で、旅先のストリートピアノで流行の曲を弾くことが一番の楽しみ。

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