東大生の合格体験記:長崎の中高一貫校出身「ドラゴン桜に誘われて」(中添 悠太)

長崎県の中高一貫校から東大へ。「ドラゴン桜に位誘われて」

こんにちは。長崎から東京大学文科Ⅲ類に現役合格しました、中添悠太です。

同級生たちの多くが塾に通うなか、僕は学校の勉強と自学のみで合格をつかみました。

ドラマを観て東大を目指したミーハーの僕が、E判定からどのようにして合格できたのか、一席お付き合いください。

目次

「ドラゴン桜」旋風に巻き込まれて

僕が第一志望を「東大」としたのは、高校1年生の1月の模試が最初でした。

それ以前の志望は九州大学。理由は九州だから、仲の良かった友人に魅力を語られたから、それだけでしたね。

しかし、東大を目指さざるを得ない追い風が、僕のまわりを吹き荒れ始めます。

一番の風は2021年春放映のテレビドラマ「ドラゴン桜」でした。ちょうど高1になったタイミングです。

「ドラゴン桜」という名前に聞き覚えはあったので、第1話は見逃したものの第2話から視聴開始。

この第2話で阿部寛さん演じる桜木先生が放ったセリフがいまでも僕を奮い立たせています。

こういう内容です。

「未曽有の危機にあって、この国は金が要る。そのために国民には、黙って働いて金を納め続ける馬車馬であってほしい。そうなりたくなかったら勉強しろ。勉強こそ、この世の中で与えられた唯一の平等だ」。

何度見ても感嘆してしまう言葉です。ここまで本質を突いたドラマを、僕はあまり知りません。

このセリフを聞いて言葉にできない高揚を感じた僕は、毎週テレビにかじりついて視聴するようになりました。

すると途中で、文系首席の女子生徒が出てきました。どん底から東大を目指すこのストーリーで唯一の、絶対に受かりそうな優等生。

かっこいい、心の底からそう思いました。

文系首席って、かっこいい。俺も、なりたい。

こんなとき、さらなる追い風が。

学校の日本史の先生が東大卒の先生になったのです。歳もそんなに離れておらず、楽しそうに授業する様子が僕の心をくすぐりました。

そんなワクワクの日々を送っていたからか、勉強に身が入る身が入る。気が付いたら、1月の模試で第1志望に文Ⅲと書いていました。

この模試の判定はにべもなくEでしたが、まあ、それはいいんですよ。

大事なのは、なんとなく九大を目指していた僕を目覚めさせてくれた人やものがあったことです。

僕を羽化させてくれたきっかけがあった。

僕がドラゴン桜にリアルタイムで出会えたのは奇跡ですが、みなさんの周りにもきっかけはたくさん眠っています。

絶対に、存在します。

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東大文Ⅲを目指して

 高2に上がっても、僕は懲りずに東大文Ⅲを目指し続けました。

ちなみになぜ文Ⅲなのかというと、「一番大学生らしい」と本で読んだからです。また、大学で何を学びたいか決まっていなかったため、最も自由に悩めそうなところということで文Ⅲにしました。

 目指し始めてからは速かったです。先輩の合格体験記を読み、おすすめ参考書をYouTubeなどで調べ、勉強を始めました。

8月に某有名海賊アニメの映画を友達と観た後、「東大の英語 25か年」を買って帰ったことを鮮明に覚えています。受かるためにはまず敵=東大を知らなければと思ったのです。

このころ、最も仲良かった友人(京大法学部に行きました)が塾に通い始めました。長崎にもあった唯一の大手予備校で、なるほどそれもアリかと思いましたね。

しかし、塾にはかなりお金がかかります。僕はただでさえ僕立の中高一貫に通っていたので、これ以上親に経済的負担をかけるのは気が引けました(ただ単に塾に行きたくなかったというのもありますが)。

有名講師の授業を受ければたしかに合格に近づくかもしれない。

だけど、そうせずに合格出来たらかっこいい!そう考えるようになりました。

そこで生まれたのが、僕が学び取る」と呼んでいる“気構えです。

同じ夢をもつ人々がその実現のためにたどる道は、だいたい同じだと思います。

プロ野球選手になるにはそれなりの名門校に入ってそれなりの練習を積む。東大に入るためにはそれなりの参考書を使ってそれなりに勉強する。

たまにこの道をスキップして夢を叶える人もいますが、そういうレアケースを除けば、だいたいルートは同じです。

ではなぜ、同じことをするのに夢を実現できる人とそうでない人がいるのか。気構えの問題だと僕は思います。

むき出しの根性論ですが、どうかお付き合いください。

「学び取る」気構え

受験の合否を占うのは、どれだけ学びを得たかです。同じ参考書をやって、どれだけ学びを蓄積できたかで差がつくのです。

塾に通わないことを決めた僕は、「この参考書から誰よりも学びを得るぞ!」「この模試を誰よりも有効活用するぞ」という気概で机に向かいました。

わからないところは腑に落ちるまで復習し、参考書、とりわけ単語帳は何周もしました。「鉄壁」は、僕の所持品のなかで一番のビンテージものになりましたね。

この「学び取る」気構えが僕を合格へ連れて行ってくれたと確信しています。

「模試だるいな~」「宿題、まあ終わればいいか」こんな気持ちで勉強していたら、合格には到底とどかなかったでしょう。

思えば「ドラゴン桜」を見ていた時の僕も、学び取っていました。

あのドラマは最終回視聴率20.4%、全話2桁視聴率を記録した大ヒットドラマです。

多くの人がこのドラマを観ていたわけですが、その全員が全員、僕のように心たぎらせながら観ていたでしょうか。そんなことはないでしょうね。

ただの学園ドラマとして流し見していた人、「話ができすぎている」と冷笑していた人、たくさんいると思います。

そういう人たちが愚かで僕は正しい、そんなことを言いたいわけでは毛頭ありません。創作物ですから、さまざまな受け取り方があります。

しかし、少なくとも僕は、ただ流し見ていた人よりも多くのことをあのドラマから学び取ったと思います。

この気構えで勉強した僕は、高2の秋に文ⅢA判定を取ることができました。

それ以降はほぼずっとAでした。文系クラスでは常に首席争いに絡み、夢にまで見た「文系首席」はもはや遠い存在ではなくなりました。

目標は常に高く

そこで次に目指したのが「文Ⅲ首席」です。

高3になったと同時くらいでしょうか。これが実現出来たら最高にかっこいい、そう信じて勉強しました。

首席をめざしてやっていれば、まあ落ちるリスクは減るだろうという腹でした。

実際そうで、僕は合格者平均点プラス20点、合格者最低点プラス40点というスコアで入試を突破しました。

首席に40点も及ばない結果でしたが、もし首席ではなく「最低点の1点でも高く」という気持ちでやっていたら、点数はかなり違っていたと確信しています。

少なくとも20点は低かった気がします。証明はできませんが、「確信」しています。

 「そんなこと言ったって、なんだ、順風満帆な受験じゃないか。参考にならない」そう思われた方もいるかもしれません。

たしかに、結果を振り返るとそうかもしれません。

しかし思い出してください、僕はドラマに影響されて東大を目指したミーハーですし、最初の模試はしっかりE判定でした。

でも、そこから目標を実現できました。

思い切って首席を目指してみてはどうでしょう。現段階で首席とどれだけ離れているかはさほど問題ではありません。

高い目標を描いて行動することでのみ、あなたはその目標に近づけます

もちろん、うまくいかないこともあります。僕の本番の共通テストはC判定でした。しかし僕は首席をあきらめたくなかった。その思いが、最低点プラス40の結果を生みました。

さあ、だまされたと思ってチャレンジしてみてください。この文章が、あなたにとってのドラゴン桜になることを祈ります。

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この記事を書いた人

長崎県から東京大学文科3類に塾に通わず現役合格。教育学・哲学・社会学・心理学など興味は幅広く、それを小説や脚本のネタにしている。趣味はJPOP、バスケ観戦、漫画、料理。蕎麦屋で修行中。

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