【学期末事業レポート】宇都宮短期大学附属高等学校 アカデミックマインド育成講座

宇短附高校学期末事業レポート

カルぺ・ディエム講師の橋本講師(教育学部3年)を中心とした講師が、宇都宮短期大学附属高等学校の1年生を対象に、2023年6月から2024年3月までの期間に「アカデミックマインド育成講座」という講演会・ワークショップを開催しました。

アカデミックマインド育成講座とは?

AIなどさまざまな技術が発達する中、これからの世代に求められるのが「思考力」です。共通テストや大学入試でも「自分で考える力」が試されるようになっています。

本講座では、現役東大生と一緒に「身の回りにあふれる疑問」と「五教科の勉強」を結びつけた課題に取り組み、自ら問いを立て、仮説を作り、検証する一連の思考法「アカデミックマインド」の獲得を目指します。

勉強がより楽しく、身近な存在になるだけではなく、獲得した思考法を大学受験の問題に応用していく講座です。

本記事では、イベントの様子を講師の橋本が紹介します!

目次

日常に潜んでいる「問い」

初回の講義では、問いを立てることの楽しさや重要性を感じてもらうために、講師の触れてきた日常に溢れる問いを感じたり、さまざまな写真を見ることで生徒さん自身も問いを発見したりしました。

時計はなぜ12進法なのか、大阪でたこ焼きが有名なのはなぜか、ストリートピアノはなぜ置かれているのかなど、「言われてみれば気になる」問いに触れました。その過程で「問い」の視点を学校内から、自宅や通学路など日常生活にまで広げていくことで、自ら問いを立て、仮説検証をするアカデミックマインドの基礎的な考え方を身に付けることができます。

講義の後半では、共通テスト問題や実際の東大入試問題を通じてアカデミックマインドの演習を行いました。そして問いや探究に対する姿勢は、入試問題にも十分に活かせるものであることに気づけます。

どこから解くのか悩んでいた生徒さんたちも、この講義を通じて培ってきたアカデミックマインドを用いて、正解に辿り着く姿を見ることができました。

このワークを通じて、新たなる知識や能力に気がつき、得るだけでなく、普段行わないようなコミュニケーションを行うことで自己理解や他者理解を促進する効果もありました。

講義の風景

とある講義の様子

以前実施したとある講義の様子について紹介します。

「この回では、東大推薦入試問題に挑戦します!」

生徒の皆さんは急に東大の問題を解くと聞いてはじめは困惑している様子でした。でも、そもそも推薦入試とはどのような制度なのか、その中で求められる能力は何か、などを生徒さんに伝えた上で問題に取り組むと、意欲的に取り組んでくれている様子でした。

「各種イベントのチケットの転売規制について、あなたはどのように考えますか。『チケットの転売』を規制することは、誰にとって、どのような意味をもつのか。また、それにはどのような限界や問題点があるかについて、議論してください。​​それでは、ディスカッションを始めてください。」

講師の説明とワークシートの導入をもとに生徒さんたちは意見を交わしていきます。

「チケット転売したことある人?」

「いたらやばいでしょ!(笑)」

「俺したことあるよ!」

「やば!」

「風邪ひいて、もったいなかったから!通常のチケットよりも安い値段で売ったからいいかなと思ってしまった。」

「確かに、その場合は悪いことだとは思えないよね、」

「状況によってチケット転売がいいことになる時もあるのか。ちょっと考えてみようよ!」

議論と関係ないような体験談を話すことを通じて、むしろ議論が深まっていく。

ディスカッションを初めて行った生徒さんからは、「ディスカッションの形式を初めて行ったが、相手の意見を否定しなくて良いというところがとても魅力的に感じた。今までディベートが基本で相手をどのようにうまく論破することを考える話し合いが基本だったので、協調性を持ちながら議論を進める形式がとても好きです。」と話してくれました。

この講義を通じて、東大推薦入試という世界があることを知ってもらっただけでなく、その特殊な問題形式を通じて新たな話し合いの手段を提示することができたことに喜びを感じています。

講義の様子

受講した感想

各回の講義では、講義後にアンケートを実施しています。そこでの生徒個人の感想を、一部抜粋して紹介します。

「ディスカッションの講座が1番印象に残っています。とても楽しく話し合うことができました。10回のアカデミックマインドを通して勉強へのモチベが前よりも持てるようになりました!ありがとうございました!」

「自分で問いを立て、仮説を立てることでいろいろなアイデアが思い浮かべるようなった。」

「今まで難しい問題はすぐに諦めていましたが、問題を分解したり図の今まで見なかったところなどを見てみるとヒントが隠れていて、諦めたらもったいないと知り、頑張ろうと思いました。」

おわりに

ここまで、事業レポートを読んでくださりありがとうございます。

最後に、講義に対する私の想いを綴らせていただいてシメさせていただきます。

私は、以下の3点を常に意識しながら講義を展開しています。

「世界を広げるため」「勉強と人生の接続をしてもらうため」、そして何より「学びを楽しんでもらうため」です。

講義を通してどのようなことを学び、感じ取るかは生徒さん1人1人が決めることであり、そこに強制的に働きかけたいとは思いません。

しかしながら、アカデミックマインド担当講師として、これからもみなさんの世界が少しでも広がるように、少しでも前のめりになるように、お手伝いをしていきたい所存です。

アカデミックマインドとは

公式サイトにて、カルぺ・ディエムが提供している具体的なサービスを紹介中!

カルペ・ディエムでは、学校や保護者のみなさまが抱える懸念やニーズに応える形で、講演・講座・ワークショップを提案し、それらを実施しております。

生徒の皆さんの大学選びや学部選びのワークショップ、モチベーション向上を目的とした講演、独自の探究学習授業、長期休暇中の学習合宿、難関大学合格を目指した通年プロジェクトなど、さまざまなプランをご用意しております。

私たちの講師は現役東大生で 偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠をはじめ、地域格差や経済格差などの多様な逆境を乗り越えた講師たちが、生徒の皆さんに寄り添って全力でサポートいたします。

ご質問やご相談だけでも結構ですので、お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

教育事業や出版事業での取り組みを様々な媒体を通して発信しています。自社メディア「カルペディア」では、「人生を”ちょっと”前のめりに」をテーマに、教育・学習を取り巻く様々な疑問・関心について記事を掲載しています。

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