宇都宮短期大学附属高等学校 アカデミックマインド 第7回

アカデミックマインド育成講座とは?

AIなどさまざまな技術が発達する中、これからの世代に求められるのが「思考力」です。共通テストや大学入試でも「自分で考える力」が試されるようになっています。

本講座では、現役東大生と一緒に「身の回りにあふれる疑問」と「五教科の勉強」を結びつけた課題に取り組み、自ら問いを立て、仮説を作り、検証する一連の思考法「アカデミックマインド」の獲得を目指します。

勉強がより楽しく、身近な存在になるだけではなく、獲得した思考法を大学受験の問題に応用していく講座です。

カルぺ・ディエム講師の、布施川講師(経済学部4年)・永田講師(教育学部4年)・縹講師(理学部4年)・橋本講師(教育学部3年)が、2023年10月30日に宇都宮短期大学附属高校の高校1年生を対象に「アカデミックマインド育成講座」という講演会・ワークショップを開催しました。

本記事では、イベントの様子を実際に講義を担当した講師の橋本が紹介します!

目次

理科・社会の入試問題のイメージは?

「いきなりですが、共通テスト問題に挑戦していただきます!」

講義が始まって、早々に伝える橋本講師。なんのことかもわからずに生徒のみなさんは日本史と物理の2023年の共通テスト問題に立ち向かいます。しかし解いてみようとしても、どちらも「知らないから解けない」問題です。

一通り解説が終わった後、改めて生徒のみなさんに語りかけます。

「ここまで問題を解いて、解説を聞いて、おそらく知識を詰め込めば良いんだ!と思ったかもしれません。問題を解くのに必要な知識を知らなければ、当然正解にたどり着けないですから。しかし、そう思っているうちは理科と社会はできるようにはなりません。」

理科と社会は暗記科目と呼ばれているように、知識がないと解けない問題がたくさんあります。しかし、問題が解けた時は知識があったから、問題が解けなかった時は知識がなかったからと考えて、知らないことは全て勉強不足で片付けてしまう思考、つまり丸暗記に依存してしまう思考は、自分で限界を作ってしまうことに繋がってしまうのです。

そうではなく、問題を解くのに必要な知識を持っている場合にはどう使うか、持っていない場合にはどう戦うかを考えることがとても重要なのです。そしてその考え方こそがアカデミックマインドだと伝えます。

縹講師も、物理の文脈の中で知識があることだけで満足してはいけないことを伝えます。

「物理でも公式を覚えているだけでは役に立ちません。その公式が何を表しているのか、どのように使われるのかをきちんと理解していることが必要なのです。」

丸暗記に依存しない!

丸暗記に依存せずに、どのように問題を解いていくのか。地理、日本史、物理の問題を通してその方法を実感していきます。

特に地理の問題では、土砂災害と雪崩の日本の月ごとの分布として正しいものを選ぶ問題ですが、多少のヒントはありつつも生徒の8割くらいが正解していました。

この問題では、問題を解くのに必要な知識がたくさんある中で、アカデミックマインドで培った「自分の知識が当てはめられるように分解する」考え方を使うと、日常生活の中で触れ合う知識だけで解けてしまう問題なのです。

生徒のみんなも「ニュースで見たことがある」「これもしかして台風関係あるのではないか」という声が聞こえてきており、思考をうまく分解して活用している様子が見られました。

次回は東大入試問題に挑戦!

今回まで、共通テスト問題を使って実践の中で使えるアカデミックマインド思考についてお伝えしてきました。次回からは、より難問である東大入試問題に挑戦していただきます。高校1年生の段階で東大入試問題に挑戦するのは一見無理難題かのように思われますが、実はアカデミックマインドを使うと十分に解くことができます。一緒に頑張っていきましょう!

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この記事を書いた人

教育事業や出版事業での取り組みを様々な媒体を通して発信しています。自社メディア「カルペディア」では、「人生を”ちょっと”前のめりに」をテーマに、教育・学習を取り巻く様々な疑問・関心について記事を掲載しています。

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