【学期末事業レポート】武蔵野大学高等学校 アカデミックマインド育成講座

カルぺ・ディエム講師の橋本講師(教育学部3年)を中心とした講師が、武蔵野大学高等学校の1年生と2年生を対象に「アカデミックマインド育成講座」という講演会・ワークショップを開催しました。

高校1年生には2023年5月から2023年9月の期間に、高校2年生には2023年11月から2024年2月にそれぞれ講義を行いました。

アカデミックマインド育成講座とは?

AIなどさまざまな技術が発達する中、これからの世代に求められるのが「思考力」です。共通テストや大学入試でも「自分で考える力」が試されるようになっています。

本講座では、現役東大生と一緒に「身の回りにあふれる疑問」と「五教科の勉強」を結びつけた課題に取り組み、自ら問いを立て、仮説を作り、検証する一連の思考法「アカデミックマインド」の獲得を目指します。

勉強がより楽しく、身近な存在になるだけではなく、獲得した思考法を大学受験の問題に応用していく講座です。

本記事では、イベントの様子を講師の橋本が紹介します!

目次

アカデミックマインドは身の回りに溢れている!

高校2年生との初回の講義では、問いを立てることの楽しさや重要性を感じてもらうために、実際に教室から飛び出して、学校内を散策しました。

変な方向に曲がっている枝や、何もないところで高さが変わっている屋根、下向きについているペットボトルのゴミ箱など、さまざまな問いに触れました。

その過程で、問いの存在に気がつくとともに、その視点を学校内だけでなく、自宅や通学路など日常生活にまで広げていくことを学びました。

講義の前半4回では、アカデミックマインドの基礎的な考え方を学び、後半では5回では共通テスト問題を通じてアカデミックマインドの演習を行いました。その過程で、探究の考え方が、入試問題にも十分に活かせる考え方であることを学びます。

最終回では、東大入試問題に挑戦と題し本物の東大入試問題を解いてもらいました。最初見た時には、どこから解くのか悩んでいた生徒さんたちも、この講義を通じて培ってきたアカデミックマインドを用いて、正解に辿り着く姿を見ることができました。

とある講義の様子

以前実施したとある講義の様子について紹介します。

「アカデミックマインドは、問いを立てる、仮説を立てる、検証する、という三つのステップが重要になってきます。検証って聞くと、理科の実験を思い浮かべる人が多いと思うけど、検証の方法はたくさんあるんだ。今回は、その中でもアンケートを用いた検証について一緒に学んでいこう!」

橋本講師がそう伝えると、これまで仮説の立て方を学んできた生徒の皆さんは、いつもはアンケートを回答している側の自分達がアンケートを作成できるのか戸惑った様子でした。

今回は、テーマを三つに絞ったからどれか好きなものを選んでください。

・なぜ歯磨きをしても虫歯ができるのか

・なぜたくさん寝ても身長が伸びないのか

・なぜ勉強時間と成績が比例しないのか

グループごとに好きなお題を選んで、検証していきます。

「なぜ勉強時間と成績が比例しないのか」というお題を選んだグループでは次のような会話が生まれます。

「俺は比例しないと思う。」

「その検証方法を考えなきゃだよ」

「うーん、何を聞けばいいのかな」

「成績が良い人の勉強時間と成績の悪い人の勉強時間がわかればなぁ」

「成績がいいですか?って聞くのはあんまりだよね」

「じゃあテストの点数と勉強時間を聞けばいいんじゃね?」

「確かに!この前の定期テストの点数を回答欄に作ってみよう!」

コミュニケーションを通して、アンケートの中身が改善されていく過程は見ていて気持ちの良いものでした。

そこには、これまでの講義で学んだことが活かされているだけでなく、自由に意見が伝えられるグループを生徒さん自身が作り出していたからだと考えます。

最終的には、グループ同士で作成したアンケートに答え合い、その結果を分析しました。満足のいく結果が出ても、出なくても、その結果を疑い続けることが重要です。仮説は何度も変えてもいい。むしろ検証を繰り返す中で仮説も改善していくことがより良い仮説検証であることを生徒の皆さんは体験することができていました。

講義の様子

受講した感想

先生方からの声

普段やっている勉強計画シートも生徒の間で次第に定着している様子があるので、講義に納得感がありました。​​全10回を通して「自分がかわった」という感想の生徒が多く、いい講座だと思います。

生徒の皆さんからの声

各回の講義後にアンケートを実施しています。そこでの生徒個人の感想を、一部抜粋して紹介します。

「机に向かって勉強することだけでなく、いろんな方法で学ぶのが大事だと感じられて、今後に活かせそうです。」(高校2年生)

何か疑問を見つけることを意識するのを10回の講座を通してできた​​。」(高校2年生)

「目指す場所が明確になったし、自分に今からできること、しなければいけないことが発見できた気がする。模試や日常生活でもアカデミックマインドのプロセスを使いながら物事を考えることができているので、非常に助かっています。」(高校1年生)

「この10回を通して色々な経験ができた。考えたことのない問いを深堀りしたり皆で考えを深めたりすることができて良い経験になった。」(高校1年生)

おわりに

ここまで、事業レポートを読んでくださりありがとうございます。

最後に、講義に対する私の想いを綴らせていただいてシメさせていただきます。

私は、以下の3点を常に意識しながら講義を展開しています。

「世界を広げるため」「勉強と人生の接続をしてもらうため」、そして何より「学びを楽しんでもらうため」です。

講義を通してどのようなことを学び、感じ取るかは生徒さん1人1人が決めることであり、そこに強制的に働きかけたいとは思いません。

しかしながら、アカデミックマインド担当講師として、これからもみなさんの世界が少しでも広がるように、少しでも前のめりになるように、お手伝いをしていきたい所存です。

アカデミックマインドとは?

公式サイトにて、カルぺ・ディエムが提供している具体的なサービスを紹介中!

カルペ・ディエムでは、学校や保護者のみなさまが抱える懸念やニーズに応える形で、講演・講座・ワークショップを提案し、それらを実施しております。

生徒の皆さんの大学選びや学部選びのワークショップ、モチベーション向上を目的とした講演、独自の探究学習授業、長期休暇中の学習合宿、難関大学合格を目指した通年プロジェクトなど、さまざまなプランをご用意しております。

私たちの講師は現役東大生で 偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠をはじめ、地域格差や経済格差などの多様な逆境を乗り越えた講師たちが、生徒の皆さんに寄り添って全力でサポートいたします。

ご質問やご相談だけでも結構ですので、お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

教育事業や出版事業での取り組みを様々な媒体を通して発信しています。自社メディア「カルペディア」では、「人生を”ちょっと”前のめりに」をテーマに、教育・学習を取り巻く様々な疑問・関心について記事を掲載しています。

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