【共通テスト地理】新課程で出されるポイント&勉強法を東大生が徹底解説!これを見るだけで受験対策のプランが丸わかり!

目次

はじめに

地理という科目は、旧課程では地理A・地理Bとして行われていました。それが地理総合・地理探究にリニューアルされた形式になったわけですが、この変更には2つの要因が絡んでいます。
この2つの要因を理解しないと、地理総合・地理探究という新しい試験を理解はできません。まずこの点についてみなさんにお話しします。
まず、地理という科目は2022年から必修となりました。マイナー教科と言われ、50年程度ずっと選択科目の1つでしかなかった科目だっただけに、大きな衝撃がありました。
具体的な内容は以下の通りです。

地理総合で学ぶべき事柄
 A 地図や地理情報システムで捉える現代世界
  (1) 地図や地理情報システムと現代世界
 B 国際理解と国際協力
  (1)生活文化の多様性と国際理解
  (2)地球的課題と国際協力
 C 持続可能な地域づくりと私たち
  (1) 自然環境と防災
  (2) 生活圏の調査と地域の展望

この3つの軸で勉強することになりました。目を引くのは「持続可能な地域づくりと私たち」ですね。SDGsが叫ばれる現代、社会に出る前からこの意識を持たなければならないということを意識していることと思います。また「防災」という言葉もあります。これは、東日本大震災の影響もあり、防災に対する意識を持ってもらう必要があるということを示していると考えられています。これらの2つの要素は、問題の中に色濃く現れています。



次に、「探究」です。文部科学省は、「総合的な時間(探究学習)」の時間を2022年から必修とすることを決め、「自ら問いを立てて、それに対して答えていく学習」を推し進めています。この時間の間に行われていることは多岐に渡ります。

①課題や問いを立て、その解決のために必要となる知識およびスキルを身に付けること
②自分のテーマに対する行動軸やアクションプランをつくること
③社会や実生活など、身近なところから自分のテーマを見つけること
④テーマに対して、情報を収集し、整理・分析しながら、自らの考えをまとめ・表現・発信できるようにすること
⑤他者と協力しながら、新たな価値をつくりだすこと

大ざっぱに言えば、科目横断的に、自分の身の回りにあるものに対して問いを立てていく力を求める学習を推進していると言えます。

試作問題での、現状の問題との変更点

ということで、この2つの変化を踏まえて、「地理総合・地理探究」にリニューアルしています。それを踏まえて、次の問題文を見てみましょう。

令和7年度共通テスト施策問題『地理総合・地理探求』p1より抜粋

まず目を引くのは、この資料1です。このように、「問いをつなげていくような資料」が出されることは今までのセンター試験・共通テストでは珍しく、探究の時間をかなり意識していることが如実に現れていると言えます。

令和7年度大学入学共通テスト施策問題『地理総合・地理探求』p1より抜粋

他の科目でもそうですが、これを受けての生徒同士のやりとりもあります。

令和7年度共通テスト施策問題『地理総合・地理探求』p5より抜粋

ポスターもありますね。ポスターというのは探求の時間の1つのゴールとして使われている場合も多いので、それを意識してのことだと思います。このポスターの文言の1つ1つが問題を解く上でのヒントになっています。

そのほかで注目するべき問題としては、「流れ」を図にしたものです。センター試験・共通テストの時から「流れ」を図にした問題というのは1~2問は出題されていましたが、今回の試作問題ではその数がかなり増えていることがわかりました。やはり、流通の図や概念図を理解することを求めていることがわかりますね。

令和7年度共通テスト施策問題『地理総合・地理探求』p10より抜粋

さて、変更点というわけではないですが、「持続可能」というキーワードが随所にちりばめられていることも、特徴だと言えるでしょう。このように、地方消滅が叫ばれる現代の状況をみんなでディスカッションするような内容というのが出ており、社会問題に対してきちんと意識を持てているかどうかが重要になっていると言えます。

令和7年度共通テスト施策問題『地理総合・地理探求』p36より抜粋

変更が無い部分

さて、地理A・Bの時から踏襲されているのは、その大問の設定です。
元から、「第5問では1つの地域に限定した地誌の分野の問題」が、「第6問では日本のどこかの地域の、地形図も利用した問題」の2点が出題されていました。この流れに関しては変更がなかったと言えます。
とは言え、ちょっとした大問設定のところでも「探究」「追究」というワードが使われているのは、やはり「地理探究」としての意識なのだと思います。

令和7年度共通テスト施策問題『地理総合・地理探求』p23より抜粋

他にも、先にあげた変更点以外のポイントでは、地理の時と問題傾向が大きく変更されているポイントは少なく、今まで通り地理Bの対策をしていれば成績が上がる試験なのではないかと思います。
逆に言えば、「探究」だからと言って、知識問題がないわけでは全くありません。知識問題の分量はそのままに、問題の分量が増えたり、エッセンスとしての「探究」が入っているイメージです。
今回目を引いたのは、あまりにもストレートな知識問題が、試作問題の中にも入っていたことです。今後も、知識や統計の勉強は続けるべきでしょう。

令和7年度共通テスト施策問題『地理総合・地理探求』p25より抜粋

まず、今までの地理の対策と変わらない対策で対応可能な部分が多いというのは強調しておきたいと思います。そこまで難しい問題が多いわけではないので、十分に対応可能でしょう。
その上で、全体的な傾向として、社会問題に対する探究をおこなっていれば有利になる部分が多いと思いました。防災・環境汚染問題・地方消滅・空き家の増加……さまざまな社会問題に対する考察がディスカッションになっていました。普段から新聞を読んだりニュースに気を配っている人であれば、今日要路して解ける問題も多かったように感じます。より現実社会に即した問題が増えたという点では、「社会に出てから勉強なんて役に立たない!」という批判をひっくり返すような問題を作っていると言えるかもしれません


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この記事を書いた人

偏差値 35 から東大を目指すも、現役・一浪と、二年年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「暗記術」「読書術」「作文術」で偏差値 70に、東京大学合格を果たす。そのノウハウを全国の小中高生に伝えるため、2020 年に株式会社カルペ・ディエムを設立。毎年100回以上の講演を行っている。著書は『東大読書』『東大作文』『東大思考』ほか多数。漫画『ドラゴン桜2』編集やドラマ日曜劇場『ドラゴン桜』脚本監修担当。MBS「100%!アピールちゃん」「月曜の蛙、大海を知る」にてタレントの小倉優子さんの受験をサポート。見事、大学合格へ導く。

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