受験生にとって移動時間は大敵の一つ。塾や学校で勉強しに行くけれど、1分1秒が惜しい時期に、できることが少ない「移動」に時間を取られると焦ってしまう……。その焦りは誰もが感じるものです。今回はそんな移動時間をできる限り有意義なものにするための過ごし方を紹介します。
移動時間に適している勉強を考えよう
移動時間にも勉強しようという心意気だけでも素晴らしいのですが、移動時間に適している勉強と、そうではない勉強があります。せっかく移動中でも勉強する意欲があるのに、非効率的な勉強になるのはもったいない!そこで、移動時間に適している勉強を考えるために、まずは「移動時間」の特徴を考えてみましょう。
移動時間に多い特徴
・教材を広範囲に広げられない
・短時間であることが多い
・周囲の騒音がある
・移動手段(バス、電車、自転車、徒歩)によってできることの範囲が違う
これらの特徴を元に、適している勉強の特徴を言語化していきます。
・教材を広範囲に広げられない
……小さいサイズの教材、スマホやタブレット端末でできる勉強、1つの教材で完結するもの
・短時間であることが多い
……考える→答えるの短い流れを何度も繰り返す勉強(乗り換えや乗降のタイミングですぐやめられる)
・周囲の騒音がある……「考える」問題よりは「思い出す」暗記や単純作業の勉強
これらの特徴を生かした勉強法を4つご紹介します!
移動時間の勉強法4選
(1)単語
英単語や古文単語、現代文用語などの単語系は、移動時間でできる勉強の鉄板です。単語帳は小さくてかさばらない上に、考えて答えを出すまでの短時間の作業を繰り返すものなのでぴったりです。私は単語帳と赤シートに加えて、ペンを1本だけ用意し、分からなかった単語の余白に正の字を書いていました。また、スマホ1つで完結する単語帳アプリを使うのも良いでしょう。
(2)1問1答
社会系の1問1答も移動時間に適している勉強のうちの1つです。単語と同様、単純作業の繰り返しなので、いつ外部環境でやめざるをえない状況になっても、すぐにやめて再開できます。
(3)リスニング
徒歩や自転車で移動していて手元を見られない時におすすめなのが、リスニングの音声を聞くことです。私はバスや電車でも手元を見ると車酔いしてしまうので、リスニングをよく聞いていました。リスニングの中でも、初めて聞く問題を解くと、何と言っているか気になって確認したくなってしまうので、もう何回も聞いている少し難しい音源を聞きながら小さな声でシャドーイングしたり、BCCなどのニュースを流し聞きして耳を英語に慣れさせるのがおすすめです。
リスニングの勉強法記事はこちら!
(4)公式暗記
数学や理科などの理系科目は移動時間に手をつけにくいですが、公式の一覧を見ながら曖昧な公式を確認できます。理系科目の中には、公式を少しでも間違えると解けない問題が多くあるので、公式は何度でも確認する価値があります。
効率的ではない勉強
自分が集中さえできれば何の勉強をしようと個人の自由なのですが、移動時間中に一般的には集中しにくい勉強も挙げてみましょう。
数学の論述問題
集中して考えることを続けなければいけない数学などの勉強は、外部の環境が良くない移動中はあまりおすすめしません。ただ、一度解いた論述問題を見ながら、解答の流れを頭の中で作ってみて復習することは有効といえるでしょう。
長文問題
現代文や英語の長文問題も同様に、初見の問題を移動時間に解こうとするのはあまり効率的とはいえないでしょう。一度解いた英語の長文を、速読力を高めるために読み直す勉強は、私も学生時代によくやっていました。
記述する必要がある問題
記述問題をおすすめしないのは、単純にバスや電車の中で物を書きにくいからです。効率が悪い記述問題よりは、効率が良い他の勉強をした方が時間を上手に使えるのではないか、という提案です。
番外編 休憩の重要性
番外編として、移動時間は勉強せず休憩に使う!というのも立派な自己管理の方法の一つです。移動時間は元々、外部の環境のせいで集中しづらかったり、効率が上がりにくかったりするもの。音楽を聴いたり仮眠したり、焦らずリフレッシュするのも良いでしょう。
まとめ
誰しも休憩は絶対に不可欠なものです。移動時間に限らず、集中できないほど疲れている時に休憩するのは、必要なことです。「受験期」は明日もやって来ます。ストレスを溜めず、ずっと「継続」できるベストな勉強量を自分で見つけること。あなたのベストは他の人とは違うかもしれません。集中のしかたや、集中する時間は、人それぞれ違うし、さらに言えば、目指している目標だって1人1人違います。他の人が自分より勉強しているように見えても、焦らないで。勉強時間という数字にとらわれないで。自分の「心」を誰よりも自分が一番理解して、うまく付き合いながら確実に成長していくこと。これが、私が1番大切だと思うことです。私は受験生の時これができず、隙間時間も移動時間も誰よりも勉強しようと無理をした時期がありましたが、結局その時間でした勉強は身に付かず、継続もできませんでした。しかし、結果的には目標を達成して、今行きたかった大学で学生をしています。皆さんが自身を長期的に見つめて、時間の使い方の計画を立てることができ、最終的に第一志望の大学に合格することを、心から願っています。
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