東大生の自由研究「海水の塩分濃度について」

東大生の自由研究「海水の塩分濃度について」

暑い日が続いていますね。今はまさにお盆真っ只中、ということで、親戚のお家に行っている人も、実家に帰って久々にのんびりしている人もいるのではないでしょうか。

お盆を迎えると、おそらく多くの小学生、中学生が思うのが、「そろそろ宿題やらなきゃ!」という焦りですよね。かくいう僕も小中学生の頃は、夏休みの宿題をギリギリまで溜めてしまい、最後の1週間くらいで大焦りでやる、なんてことを繰り返してしまっていました。

教科ごとの勉強や習字、読書感想文など夏休みの宿題にはさまざまな種類がありますが、特に多くの小中学生を悩ませるのがやはり「自由研究」です。自由研究はテーマの設定から自分で考えなければならないことが多いので、何をすれば良いか分からない、という人も多いでしょう。今回はそんな人のために、東大生の自由研究を紹介しながら、研究の進め方について説明していきます!

目次

そもそも自由研究とは

実際の自由研究の例を説明する前に「そもそも自由研究とは何なのか」についておさらいしましょう。

自由研究は、学校教育で夏休みなどの長期休暇中に生徒が自主的に取り組む研究活動のことを指します。この活動では、生徒自身が興味や関心のあるテーマを選び、それについて調査・実験・観察・制作などを行います。結果をまとめてレポートや作品として提出したり、グループやクラスでお互いの研究結果の発表会を行ったりすることがあります。

自由研究は、生徒の自主性を尊重し、自分の興味を深める機会として設けられています。そのため、テーマは非常に多岐にわたり、科学、歴史、社会、アートなど、どんな分野でも取り組むことができます。

自由研究の目的は、生徒が自ら課題を見つけ、調べたり考えたりする力を育むことにあります。もちろん研究の結果も大事ですが、それよりも「自分自身で研究を進める」過程を学ぶことが重要なのです!

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海水の塩分濃度ってどれくらい?

さて、自由研究について理解していただいたところで、実際にテーマを一つ挙げてここからは説明していきます。今回のテーマは、「海水」です。

皆さんは、海水の塩分濃度がどのくらいか知っていますか?

塩分濃度とは、溶液中に含まれる塩の量を示す指標のことです。多くの場合、塩(塩化ナトリウム、NaCl)の質量が溶液全体の質量に対してどのくらいの割合を占めるかを数値化して表しています。基本的にこの濃度は%(パーセント)で表記されることが多く、例えば100gの食塩水の中に1gの塩が入っていたら、その食塩水の塩分濃度は1%となります。

海水の塩分濃度は3.4%と言われています。つまり、ざっくり計算すれば1Lの海水野中に34gの塩が含まれているということですね。成人の1日の塩分摂取量の目安が7〜10g程度であることを考えると、かなり含まれているなという印象があります。

海水がなぜしょっぱいのか(塩分が含まれているのか)という疑問を誰しも一度は考えたことがあるでしょう。理由はいくつかありますが、海が形成されるときに、陸地の岩や土に含まれていた塩素やナトリウムが雨によって溶けたことが主な原因だとされています。太陽に照らされることで水分は蒸発しますが、塩は蒸発しないので年々少しずつ塩分濃度は高くなっている、とも言われています。

研究は「比較」が重要!

ここまでで、今回のテーマであった「海水の塩分濃度」については調べることができました。しかし、これで終わってしまっては「自由研究」とは言えません。

考えたことを深めるために、新たな疑問を見つけて研究をレベルアップさせるために重要なキーワードがあります。それはズバリ、「比較」です!

先ほど、海水の塩分濃度が「3.4%」だと分かりました。しかしこの情報だけでは、具体的にどのくらいしょっぱいのかイメージがつきません。それは、何かと比較されていないからです。

皆さんが日常的に使っているであろう「醤油」の塩分濃度は16〜19%くらいとされています。僕はこの事実を知ったときにとてもびっくりしたのですが、醤油は海水の5倍ほどの塩分濃度なのです。このように比較すると、「案外海水の塩分濃度は低いな」とイメージすることができます。

さらに、海水どうしでも比較してみましょう。海水はその深さや海抜によって塩分濃度が変わります。極端な例を挙げると、ヨルダンとイスラエルの国境にある「死海」は、塩分濃度が30%を超えていることが分かっています。厳密にはこの「死海」は湖なのですが、高温かつ乾燥している気候によって大量の水が蒸発していることが原因で、これだけ高い塩分濃度になっています。そのため、死海には生物が生息することができません。塩分濃度は、生物の環境にも大きな影響を与えるのです。

いかがでしょうか。このようにデータをただ集めるだけでなく、「比較」することによってより具体的なイメージが湧くようになります。研究の際には、この「比較」を常に意識するようにしましょう!

おわりに

さて、今回は夏休み公開の記事ということで、自由研究について簡単にではありますが紹介させていただきました。自由研究はどうしても「めんどくさいな」と思ってしまう人も多いかもしれませんが、自分でテーマを決めてそれについて深掘りする経験は高校生や大学生になってからの勉強にも大きく役立ちますし、何よりとても楽しいものです!ぜひ皆さんも、自分の気になることを知れる良い機会だと思って、前のめりに取り組んでもらえると嬉しいです。

今回の記事は、ここまでとなります。皆さん、次回の記事もよろしくお願いいたします!


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この記事を書いた人

理系で東京大学に入学したが、教育をより深く学びたいと思い現在は教育学部に所属。高校まではずっと野球部に所属し、大学でも野球を続けている。趣味はピアノと旅行で、旅先のストリートピアノで流行の曲を弾くことが一番の楽しみ。

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