高校で英検1級をとった東大生が語る!独学で合格するための英検勉強法!

高校で英検1級をとった東大生が語る!独学で合格するための勉強法!

英検を今まで受けたことがない方や、英語塾のサポートのもとで英検を受験してきた人にとっては、英検を独学で合格するのは難しいことに思えるかもしれません。確かに英検はさまざまな技能が求められるので、一人で勉強するのは不安だと思いますが、しっかりとコツを抑えれば確実に合格することが可能なのです。

目次

そもそも英検ってどんな試験?

英検という名前は知っているけど、実際に問題をみたことがなかったり、何が聞かれるのかわかっていない人もいるかもしれません。そこでまずは英検がどのような試験なのか、具体的にみていきましょう。

英検とは?

英検とは、実用英語技能検定のことです。試験級は1級、準1級、2級、準2級、3級、4級、5級の7つに分かれており、それぞれ年に3回実施されています。学校や塾が会場になることもあり、非常に大規模な英語技能試験です。

試験内容としては、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4技能を総合的に測定するものになっています。受験層も子供から大人まで幅広く、トピックの分野も非常に多岐にわたっていることが特徴です。

それぞれの級に対して特に受験資格はなく、どの級からチャレンジしても構いません。級によってはダブル受験をすることも可能です。受験後には合否の通達のみならず、成績表も添付されています。その成績表には、どのくらい合格ラインからずれているか、国際標準規格CEFRに対応した英検CSEスコアが記載されています。それらの指標を用いると習熟度のチェックや学習モチベーションの維持が可能になっています。

試験・問題形式

英検には一次試験と二次試験があります。一次試験は筆記試験とリスニング試験からなり、三級以上になると二次試験として面接試験があります。四級と五級では面接試験がない代わりに、二時試験としてタブレットに音声を吹き込む形式でのスピーキングテストがあります。

試験時間や問題の数は級によって異なります。例えば、一般的な3級の一次試験の試験時間は約75分間で、筆記試験が50分、リスニングが25分です。筆記のうち、リーディングが30問、ライティング1問、リスニングが30問です。

二次試験は五分間ほどの英語面接で、音読を含めたスピーキングの問題が6問出題されます。面接では、応答内容や発音の他、語い、文法、語法、情報量、積極的にコミュニケーションを図ろうとする意欲や態度などの観点で評価されます。

満点のスコアも級によって違いますが、ほぼ全ての級で6割から7割の正答率があれば合格できます。級ごとの詳しい情報は公式サイトを参照しましょう。

英検を受けるメリット

最近英検を入試に利用できる学校が増えてきました。特に、中学生であれば二級を、高校生であれば準一級を持っていれば入試に有利であることが多いです。また、大学生であっても英検取得によって単位が認められる場合があるので、一度確認してみましょう。

実際にどの学校が英検を活用しているかはこちらの英検・TEAP・IELTS入試活用校検索から調べることができます。

TOEICとの違い

同じく英語の試験としてTOEIC®L&R TESTを連想する方も多いと思います。どちらを受験するか迷う人も多いですが、TOEICと英検ではそもそも目的が異なります。

英検®は「社会で通用する英語力を伸ばす」のが目的であり、そのため合否の他に細かい指標を用意しているなどの工夫があります。それに対してTOEICの目的は「オフィスや日常生活における英語能力の測定」であり、出題内容のトピックもオフィスシーンを前提としたものが多いです。

留学などの際にはTOEICスコアを聞かれることもありますが、入試利用や英語技能の習得が目的なのであれば、学生のうちは英検の受験をおすすめします。

どの級にも使える!英検の独学勉強法

ここからは具体的な勉強法についてみていきましょう。二級以上は個別の対策が必要になることも多いですが、まずは英検に対する基本の勉強法について紹介していきます。

毎日単語や熟語を勉強する

英検では、どの級の受験でも単語力が求められます。一般的に2級は5,000語程度、準1級は7,000〜9,000語程度、1級は10,000〜15,000程度の単語力が必要といわれています。単語よりも先に文法の勉強に力を入れる人もいますが、単語がわからなければいくら文法がわかっても何が書いてあるのか理解できません。また英検では短文空所補充として単語の選択式問題が出題されます。もし、単語の学習ができていなかったら、その問題で大量失点してしまいます。

単語学習の際は、英検専用の単語帳を使うことをおすすめします。本屋さんで英検コーナーにいくとずらりと並べてあるのが目に入るでしょう。自分が一番使いやすいと思う単語帳を購入するのがベストですが、特にピンと来るものがなければ、音声データはついているか、単語ごとに例文がついているかを確認しましょう。英検は単語テストではなくリスニングや長文読解などの複合問題なので、英単語の発音の仕方や実際にどのように使われているかを意識して学習することが大切です。

初めは毎日勉強するのは難しいかもしれませんが、習慣化できればだんだんと苦ではなくなってきます。通学中の電車の中や夜寝る前、ドライヤーをしている間など、スキマ時間を活用できればあまり時間を取らずにすむでしょう。暗記した後は一週間後くらいに見直してみることも大切です。自分が意外と忘れていることに驚くと思います。そして暗記を何回も繰り返していくと次第に定着していき、なかなか忘れません。

過去問を何度も解いて復習を徹底する

英検の勉強でも、過去問を解くことは大切です。勉強を始めたてで何をしたらいいかよくわからないときには、まず過去問を解いて自分の位置を確認しましょう。また、ある程度勉強が進んだ人も過去問を解いてみて自分の知らない単語や文法を確認したり、時間配分を考えてみましょう。ですが、テスト直前に新しく過去問を解くことはあまりおすすめしません。受験前日に過去問を解いて合格点に到達しなければ自信を失うだけです。よほどギリギリに対策を始めたのでなければ、直前に過去問を解くことはしないようにしましょう。その代わり、過去に解いていた過去問を何度も解き直すことを大切にしましょう。問題慣れすることも可能ですし、自分の苦手分野が次第に克服されていくこともわかるでしょう。

英検の公式ページには直近3回分の過去問が公開されているので、過去問専用の問題集を必ず購入しなければならない訳ではありません。ただし参考書にはオリジナル予想問題が収録されていることも多いので、自分が勉強しやすい方法を取ることが大切です。本番を意識した演習をすることで、本番当日も実力を最大限発揮できるようにしましょう。

 

英語を毎日話す&聞く!

いくら机に向かって黙々と勉強したところでリスニングやスピーキングのスキルが上がる訳ではありません。英語がある日突然聞き取れたりペラペラになったりすることもないので、これらも継続して勉強していくことが大切です。

リスニング試験は筆記試験の中でも配点が高く、試験時間も長いです。毎日少しずつでも英語に触れて耳を英語に慣れさせることは非常に重要ですが、ときにはまとまった文章を聞き、体力をつけることも大切です。

またどの級でもスピーキング試験が出題されますが、普通に生活しているだけでは英語を日常的に使用する場面はあまりありません。少し勉強しただけでは言いたいことがあるのにうまく表現できなかったり、自信がなくて黙りこくってしまうこともあります。英検の面接試験では受験態度も評価に入るため、いかに英語で話すことに慣れており、自信があるかが大切です。一緒に練習する相手がいるのがベストですが、いない場合は一人で面接を想定して英語で話す練習をしてみたり、一次試験の長文問題を音読するだけでも十分な効果があります。初めて読む際には発音がわからない単語があっても発音を予測して読み切るようにしましょう。面接対策の専用のアプリもあるのでそちらも活用できます。

英検二級のための勉強法

ここからは級ごとに具体的な勉強法を紹介していきます。まずは高校卒業レベルの英語力が必要とされる英検二級です。

高校卒業レベルの英文法・英単語をマスターする

英検2級では、高校卒業程度の文法・語彙レベルが問われます。

高校卒業レベルということで、文法として仮定法や分詞構文などの文法も頻繁に出現します。中学生の方や、文法があまり得意ではない人は、あらかじめ参考書などでこの分野の文法をある程度学習しておくことをおすすめします。

また、英単語は日本語の熟語とは異なり、意味がわからなければ字面から推測することが難しいです。中学校では習わない単語も多く出てきたり、熟語も多く出てきます。今までの級よりもさらに専用の単語帳を用いた勉強をやりこむことが必要になってきます。

長文を読むことに慣れておく

英検二級では、長文のテーマもそれまでより高度なテクノロジーや歴史などの社会的なトピックが増えてきます。実際に2023年の第一回では The Tale of Mejk Swenekafew という聞きなじみのない単語が並べられています。英検二級に合格するには、この見慣れない題名にも臆することなく、知っている単語ともともとある知識から素早く内容を把握することが必要となってきます。

最初はなかなか読みにくいですが、文法と単語をある程度理解していると、ゆっくり時間をかければ読み解けることが多いです。最初は制限時間内に読みきれなくても、普段から二級レベルの長文に触れ、慣れていくと、だんだんと読むスピードが上がっていきます。そこで三日に一度は新しい長文に触れるようにしましょう。また、余裕があれば一度解いた問題をできるだけ早く音読する練習もしてみましょう。これを繰り返すことで英文がスラスラと目に入ってくるようになり、自然と英文を読むスピードが上がってきます。

一回でリスニングの内容を理解できるようになろう!

英検のリスニングは量が多く、一回しか流れません。そのため、聞こえてきた英文をいちいち脳内で日本語に変換していては、選択肢を読んでいる間に次の問題文が流れてしまいます。つまり、リスニングの攻略のためには、英語を英語のまま理解できる、英語脳ができているかどうかが鍵となるのです。

英語脳を身につけるためには、リスニングを毎日続けることが大切です。またそれに加え、二日から三日に一回程度はシャドーイングを行うようにしましょう。シャドーイングとは、聞こえてきた英文を少し遅れてリピートしていく方法です。最初は英語の音声を適宜止めながらリピートするだけで構いませんが、慣れてきたら流れている英語を聞きながら、少し前に放送されていた内容を反復するようにしましょう。これを繰り返すことで、選択肢を読みながら英会話を聞くことができるようになり、英検のリスニングが格段に有利になります。

リスニングは長文や空所補充ほど難しい単語や言い回しは出てこない傾向にあるので、英語脳を完成させてリスニングを得点源にしましょう!

英検準一級・一級のための勉強法

英検準一級や一級は持っている人が少なく、その分持っていると留学などで有利になりやすいです。合格率は低いのですが、正しく対策を重ねていれば、決して合格できないわけではありません。英検準1級・1級に独学で合格するための勉強法を見ていきましょう。

難しいテーマでも論理的な文章を書く練習を!

英検一級や準一級では、長文やライティングのテーマがさらに難しくなります。例えば2023年のライティングのテーマは ” Is investment from foreign companies necessary for the success of Japan’s economy? ”(外国からの投資は日本経済引き上げのために必要か?)というものでした。このトピックについて、日本語でも正しい意見をすぐにかける人は少ないのではないでしょうか。それに加え、英検一級では回答の糸口となるPointが示されていないのです。

こういったライティングに対応するためには日頃から難しいトピックに対してアイデアを出していく練習が不可欠なのです。これらのトピックに対して構成を立てずにいきなり書き出すことは非常に難しいです。そうではなく、あらかじめ自分の軸となる主張を決め、序論・本論・結論の順に書くことが大事です。今更何を当たり前のことを、と思うかもしれませんが、難しいことを書こうとして基本がおろそかになってしまう人が非常に多いのです。

そこで、ライティングにおいては、普段からトピックに対していい面と悪い面の両方を考えてみる癖をつけておきましょう。英語でそれぞれの要素を書き出し、かける方を選んで文章の型を作るのです。どれだけ難しいトピックでも自分の持っている知識を最大限発揮し、論理的な文章を書くことができれば、十分な合格点を取ることが可能になります。

速く長いリスニングに対応できる体力を!

英検のリスニングは級が上がるごとにどんどん早く、長くなっていきます。そのため、上の級に挑戦する際には今までよりずっと長い英文を聞く体力をつけなければなりません。

英検二級までをクリアしてきた方は、ある程度英語脳が出来上がっていると思います。しかし、英検準一級や一級のリスニングは、聞いたものを記憶しているだけでは十分ではないことがあります。そこで、これからはメモも並行して行うのがいいでしょう。メモは英単語全てを書き写そうと思っても非常に難しいです。しかし、日本語にいちいち変換していては時間がかかり過ぎてしまいます。そうではなく、メモの際に自分なりの略語やイラストのルールを決めておきましょう。メモの最適な取り方には個人差があるので、何度も練習して自分に最も合ったメモの取り方を見つけましょう。

高二で英検一級合格!東大生の英検勉強法

ここからは、私が実際にやっていた勉強法を紹介していきます。高校二年生のときの英検一級対策ですが、それまでの級も同じ勉強法を繰り返していたのでぜひ参考にしてみてください。

英単語帳は覚えるまでやりこむ!

英検一級では聞いたこともない単語がたくさん出てきて、最初は全く手がつけられませんでした。そこで英検専用の単語帳である「でる準パス単一級」を用いて勉強していました。単語数が膨大なのでまずは頻出のAランクの単語を、一日に100個覚えるようにしていました。

覚え方は、まず英単語の発音と意味を確認。そのあと例文の意味を考えながら3回ほど音読していました。これを毎晩寝る前に行っていました。しかし、難しい単語をそんなにすぐに覚えられるわけもなく、翌朝三割覚えていればいい方でした。そこで一週間経ったら見直す、一ヶ月経ったらまた見直す、と言ったように何度も反復していました。合格までで通算10周はしていると思います。

それでも完璧ではありませんが、英語長文中にみたことある!と思える単語が増えてくると、自分のしていた勉強が無駄じゃないことを実感できて、自信につながります。

英語長文は早く読めるように!

英文の論理構成自体は受験級が違ってもあまり変わりません。つまり、書いてある単語や言い回しは難しいですが、論理自体は明瞭なことが多いのです。しかし、級が上がっていくにつれてわからない表現にばかり時間を取られて全体の論理を見失いがちです。そこで、わからない単語は飛ばして言い換え表現を探したり、具体例がわからなければそのまとめの文章を見つけたりという練習をしていました。

またできるだけ早く音読することも行っていました。音読は勉強感があまりないので勉強に疲れたときに、息抜きとして行っていました。学校や塾ではなかなか実行しにくいですが、とても効果的な方法なのでぜひ実行してみてください。

とにかく現地の英語に触れる!

速くて長いリスニングに慣れるには、やはり現地の英語に触れるしかないです。ただし、ネイティブの日常会話は省略やスラングがあったりすることも多いので、テスト勉強にはあまり向いてないかもしれません。私は海外のラジオニュースを聞くようにしていました。スピードも速く、ハキハキと話してくれているのでリスニングの練習には最適でした。

日本に住んでいるとアメリカ英語に触れる機会が多いので、ラジオを聞くときはイギリス英語のものを聞くようにすると、耳が慣れてさらにリスニングが得意になると思います。また、政治や経済に関する専門用語もたくさん出てくるので、そういったトピックの英語長文にも対応しやすくなります。

ライティングは人にみてもらう!

私が英検で一番苦労したのがライティングでした。時間がない中なんとか制限字数を書き終えたけれど、後で読み返してみると自分が何を書いたかわからないことが非常に多かったです。

ただ私は塾にも通っていなかったので、添削を頼める人がいませんでした。そこで学校の友達に見せて、「この文章意味わかる?」と聞いていました。文法や表現が正しいかどうかの判断は先生ほど正確ではありませんが、意味が通じるかどうかは厳しく判断してもらえます。また率直に「ここの表現何が言いたいのかわからない」「最初と最後で言ってること違うよね」など意見を言ってもらえたので、自分の文章の論理がいかにわかりにくいかを実感できました。

ライティングは難しいトピックを難しい言葉で書くのではなく、簡単な言葉と論理でわかりやすく書くことも大切です。その練習として先生や友人、保護者を頼るのもいいかもしれません。

まとめ

いかがだったでしょうか。最初から全てを完璧にこなすのは難しいかもしれませんが、自分なりにスケジュールを立てて少しずつ実行してみてください。

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この記事を書いた人

東京大学で薬学や心理学を中心に勉強しています。高校時代に発達障害の方とその支援者を中心に様々な人と関わってきた経験があり、人と話しその人の人生を知るのが好き。ボカロとお笑いが大好き。

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