受験生に必要な「集中力を高める」栄養素5選!
東大生が実際に食べていた、受験当日のおすすめ食事をインタビューしました!
「集中力」ってなんだろう?
「集中力」とは、あることに一心に取り組む力のことです。受験生の皆さんの中には、「いまいち勉強に集中できない……」「さっきまで無心で勉強していたのに、ふっと集中が途切れてしまった……」などの悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
人間の脳は何かに集中して取り組むとき、多くのエネルギーを消費します。栄養補給をしないまま長時間勉強していると、途中で集中力が切れてやる気が落ちてしまいますが、それは脳がエネルギー切れを起こしているからです。集中力を高めて維持するためには、脳のエネルギー源となるブドウ糖を意識的に摂取することが大切です。
バランスの良い食事が1番
朝ごはんを食べてリズムを作ろう
朝起きた時に頭がぼーっとしているのは、寝ている間に体内のブドウ糖が使われて足りなくなってしまうからです。朝ごはんを食べないとブドウ糖を補給することができず、頭と体をシャキッと目覚めさせることができません。その日を集中して勉強できる1日にするためにも、しっかり朝ごはんを食べましょう。
また、人間には「体内時計」というものがあります。陽が昇ると活動的になり、沈むと休息する……という1日周期の体のサイクルと、生活のサイクルが乖離していると、心身にとって大きなストレスとなります。体内のサイクルと生活のサイクルのずれをなくすためには、朝ごはんを食べることがとても大切です。朝ごはんを食べるためには、前日の夜に早めに夕ごはんを食べ、しっかり睡眠することが必要になります。朝ごはんを基点として快適な生活リズムを作ることは、心身の健康のためにとても大切なのです。
一度に多く食べるのではなく、分けて食べる。
食事をとる時は、一度に多くを食べないようにしましょう。胃の限界以上の量を食べすぎてしまうと、胃もたれや胃痛を引き起こす危険があります。食道や腸にも負担がかかり、最悪の場合は潰瘍などの原因にもなりますので、腹八分を心がけましょう。
また、GI(グリセミック・インデックス)という指標をご存知でしょうか。これは、炭水化物を含む食品を食べた時の、消化吸収のされやすさ、すなわち「血糖値の上昇しやすさ」を表したものです。50gのブドウ糖を摂取した時を基準の100とし、同量の糖質を含む食品を摂取した時を基準との比較で算出します。このGIの大きさを見ることによって、食後に急激に血糖値が上昇するのか、緩やかに上昇するのかを知ることができます。例えば食パンやご飯はGIが高く、一方でスパゲッティや春雨はGIが低いです。
急激に血糖値が上昇すると、血糖値を下げるホルモンである「インスリン」が大量に分泌されます。すると、今度は急激に血糖値が下がります。血糖値の乱高下は眠気や疲労感をもたらすだけではなく、血管にダメージを与え、動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中などのリスクになります。そのため、食事は一度に多くを食べるのではなく、血糖値が急激に上昇しないよう小分けにして食べるようにしましょう。
よく噛む
血糖値の急上昇を避けるためには、よく噛んで食べることも大切です。よく噛むことで満腹感が得られやすくなり、食べ過ぎを防ぐことができます。よく噛んだ方が消化にもよく、あごの発達や虫歯の予防にも有効ですので、よく噛んで食べるようにしましょう。
受験期にとりたい栄養素・脳の動きや集中力を高める栄養素
糖質
糖質は、脳にとって唯一のエネルギー源です。糖質が不足すると集中力や思考力が低下するため、勉強する際はこまめに糖質を摂取するように心がけましょう。摂取した糖質は体内でブドウ糖などに分解され、腸から体内に吸収されます。糖質が多い食品として、ご飯、パン、麺類などの炭水化物や、いもなどのでんぷん類が挙げられます。また、ブドウ糖が主成分であるラムネなどを食べることで、体内での分解を待たずにブドウ糖を摂取することができます。
ビタミンB1
ビタミンB1は、糖質の代謝を助ける水溶性のビタミンです。ビタミンB1が不足すると糖質をエネルギーに変換しにくくなり、疲労で集中力が切れる原因にもなります。摂取した糖質を体内でブドウ糖に分解し、エネルギーとするために、積極的に摂取しましょう。ビタミンB1を多く含む食品として、豚肉、玄米、ナッツ類、大豆などが挙げられます。
DHA
DHAは、脳への情報伝達に欠かせない成分の原料となります。DHAを摂取することで脳が活性化し、集中力や判断力が高まるとされています。DHAを多く含む食品として、イワシやサバなどの青魚が挙げられます。よく魚屋さんの店頭で流れている歌に「魚を食べると頭が良くなる」という歌詞がありますが、特に成長期までにDHAを摂取することで、学習能力の発達が高まることがわかっています。
カルシウム・マグネシウム
カルシウムとマグネシウムは、神経細胞間の情報伝達を支える重要な栄養素です。これらが不足すると、脳内で神経細胞間の情報伝達が安定せず、集中力や記憶力の低下につながるおそれがあります。カルシウムは、牛乳やチーズなどの乳製品、小松菜、モロヘイヤなどに多く含まれます。マグネシウムを多く含む食品として、豆腐や納豆、海藻類、ナッツ類、さつまいもなどが挙げられます。
チロシン
チロシンは、あまり聞き馴染みのない名前かもしれませんが、アミノ酸の1つです。ドーパミンやノルアドレナリンといった集中力に関わる神経伝達物質、甲状腺ホルモンの原料となります。チロシンを多く含む食品として、チーズなどの乳製品、大豆製品、ナッツ類、バナナなどが挙げられます。
栄養ドリンクやエナジードリンクは大丈夫?
皆さんの中には、勉強中にいわゆる「エナジードリンク」を飲んでいるという方がいるかもしれません。エナジードリンクの主な成分は糖分とカフェインです。カフェインには眠気を覚ます作用があり、集中力を高め、作業能力を向上させるとされています。そんなカフェインを、脳のエネルギーとなる糖分のほか、疲労回復をサポートするとされるアルギニンやビタミンB1などと同時に摂取できるのがエナジードリンクの良いところです。
しかし、エナジードリンクを飲む際には注意が必要です。
まず、エナジードリンクに含まれるカフェインは、過剰に摂取すると体に悪影響を及ぼします。血圧上昇・動悸・脱水などを引き起こし、最悪の場合は生死に関わることもあります。健康な人でも1日あたり400mgまでが限度とされていますので、飲む前にパッケージをしっかりと確認し、飲む量についても1日1本程度に抑えましょう。
また、カフェインには中毒性があり、日常的に多量に摂取しているとだんだんと効果が薄くなり、カフェインを摂取しないことで離脱症状が出るようになります。
上述のように、カフェインには覚醒作用があるので、寝る前に飲んでしまうと夜の眠りが浅くなってしまいます。エナジードリンクは日中に飲むようにしましょう。
東大生が実際に食べていたもの。
多田さんの場合
多田さんは2次試験の前日のうちに、おにぎりやゆで卵、ベビーチーズなど、試験会場で食べる食品をコンビニで買っておいたそうです。何を買うかは、
①賞味期限が次の日までに切れないこと
②なまものではないこと
を基準に選びました。賞味期限切れの食品やなまものを食べて万が一にも試験当日にお腹を壊してしまうと、本来の力が発揮できない恐れがあります。おにぎりの具では明太子が一番好きだという多田さんも、試験当日は念の為、加熱してある別の具のおにぎりを選んだとのことです。
西岡壱誠さんの場合
西岡さんは受験時代、お母様が作ってくれた「もちピザ」をよく食べていたそうです。「もちピザ」とは、じゃがいもともちの生地をピザのように焼き、チーズとケチャップで味付けをしたもの。現役の時からずっと、入試の朝は「もちピザ」を食べて会場に向かいました。ピザとじゃがいもが大好きな西岡さんにとって、大好きな味で炭水化物を摂ることができ、腹持ちもよかったと言います。
思い出の味「もちピザ」の詳しい作り方はこちら↓の動画をご覧ください。
【材料】
もち 2切れ
じゃがいも 2つ
バター 大さじ2杯
ピザ用チーズ お好みで
ケチャップ お好みで
【作り方】
1、もちを1cm幅に切る
2、じゃがいもを5mm幅の細切りにする
3、切った具材をボウルに入れて混ぜる
4、バターを入れたフライパンを熱する
5、バターが溶けたら具材を並べ入れる
6、蓋をして弱火で5分ほど蒸し焼きにする
7、具材を一旦お皿に移し、フライパンに再びバターを引く
8、具材を裏返してフライパンに戻す
9、再び蓋をして、弱火で5分ほど加熱する
10、お好みでピザ用チーズとケチャップをかける
新倉さんの場合
新倉さんのご家庭では、模試や受験などの大きな試験の前の晩ごはんは決まって「水炊き」だったそうです。
白菜や水菜、きのこ類、鶏肉などを土鍋でじっくり煮た「水炊き」は、食材すべてに確実に火が通っており、胃に優しくて、体を温めることができます。
新倉さんは、試験会場で万全のパフォーマンスを発揮できるよう試行錯誤を重ね「水炊き」に辿り着きました。今でも「水炊き」を食べると受験のことを思い出し、懐かしい気持ちになるそうです。
まとめ
受験生にとって食事はとても大切な要素となります。本番に向けて体のコンディションを整え、「集中力」を高めることも受験の大事な一部です。日々の食事に気を配り、万全の状態で受験に向かいましょう!
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