皆さんこんにちは。現役東大生ライターの縹峻介です。
皆さん、印刷するときに、印刷物の出来上がりの色に応じて2種類の印刷方法がありますよね。
そう、モノクロ印刷とカラー印刷です。
この対比を考えれば、「モノクロ」という意味を知らなくても、経験的に「モノクロ印刷とは白黒印刷のことである」、と知っている人は多いのではないのでしょうか。
では、実際のところモノクロとはどういう意味なのでしょうか?シロクロという意味なのでしょうか。
そもそもモノクロ・シロクロに共通しているクロとは、同じものを指しているのでしょうか?
答えは否です。
答えを言ってしまうと、モノクロを略さずに英語で書けば[monochrome]であり、語義で分けるなら[mono]と[chrome]に分けられます。
このうち、後者のクローム[chrome]は、語源を辿ると古典ギリシャ語の名詞まで行き当たり、その意味は色です。
※古典ギリシャ語で色、読み方は「クローマ」
また、前者のモノ[mono]も古典ギリシャ語で1、単一のという意味であり、これらを合わせるとモノクロとは単色という意味になるのです。
つまり、モノクロ印刷とは、単色で印刷をするという意味で、その単色が指す色がたまたま黒色であり、日本語の黒と発音が似ていた、というだけの話だったのです。
なお、現代英語にもクローム[chrome]という語幹は残っており、[monochrome]以外にも
・chromosome・・・染色体
・Chromium・・・(元素としての)クロム。酸化数に応じて様々な色を呈するため。
・EnChroma・・・色覚異常眼鏡の製品名。色[chrome]を与える[en]ことから。
など、まさに「色」に関連する単語に宛がわれることが多い語幹になっていることが分かります。
おわりに
他にも、水に対する吸着度の違いを利用して物質を分離する手法はクロマトグラフィー[chromatography]と名付けられました。手法だけを見れば全く「色」と関係がありません。しかしこの手法は、その発明者ミハエル・ツヴェットが、植物に含まれる物質を分離するために確立した手法であり、その際、物質が色素別に分離されたことから、このように命名したとか。
※余談ですが、発明者自身の名前「ツヴェット」もロシア語で「色」という意味です。偶然でしょうか、はたまた自分の名前に愛着があったのでしょうか。
ほかにも、色覚異常眼鏡のエンクロマ[EnChroma]などは、色[chrome]を与える[en]という言葉の意味からどんな製品か想像がつき、覚えやすい名前になっていて、考えた人は天才だなーと思いを巡らせています。
僕もこんな感じで、ウィットに富んだ命名をしてみたいなーーーーー。
この連載記事では、このような語源にまつわる文章を中心に執筆します。
多岐に渡る分野の言葉を紹介する予定ですので、楽しみにお待ちください。
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