【1分で学べる語源の話】国名・地名って奥が深い!その2

こんにちは。現役東大生ライターの縹峻介です。
前回は、海岸[コート]という語源を持つ国名として、コスタリカコートジボワールをご紹介しました。
前回に引き続き、今回も国名や地名の面白い語源についてご紹介してきます。

様々な色に語源を持つ国名

まずは、バルカン半島の国モンテネグロの語源を紹介します。

モンテネグロ共和国は南東ヨーロッパに位置する国で、2006年と比較的最近に独立し、国家として認められた国として知られています。

そんなモンテネグロはヴェネト語でMontenegroと言い、英語で書くとBlack mountain、つまり黒い山の意味です。
このヴェネト語は、ラテン語を祖先に持つロマンス語の一つで、親戚にイタリア語などがあります。
Monteの部分は英語と同じくという意味。negroの部分はラテン語でを表すnigerと同語源です。
後者は、かつて黒人の方を差別する用語として使われていたニガーなどにも、語幹が残っていることが分かります。

黒い山と言う名前が付くのだから鉄や岩石で覆われた山々に囲まれている国なのか?と、思いそうですが、実は緑が豊かな国であって、いつ誰がモンテネグロの地域を「黒い山」と呼称し始めたか、は所説あるようです。

次は、モンテネグロの下に位置する国、アルバニアの語源を紹介します。

アルバニア共和国は南東ヨーロッパに位置する国で、1990年代に、ネズミ講の流行で国家経済が破綻したことも有名な国です。

そんなアルバニアは英語でAlbaniaと書きますが、これは日本語で白い土地の意味で、Albaの部分はラテン語で白いを意味するalbusが由来になっています。これは、アルバニアの地が石灰岩で覆われていることからその名前が付きました。
また、-iaは、元々はラテン語の形容詞化語尾でしたが、現在は地名接尾辞(=この接尾辞がついていたら、どこかの地名のことだよー)として用いられている部分です。

石灰岩は、白亜時代の地層の主成分としても有名であり、確かに石灰岩の色がであることが影響して時代名が付けられている点にも関連があることが分かると思います。

また、卵の白身に含まれるタンパク質をアルブミンと言いますが、これも同じ語源です。

おまけ「色は色んなところに残っている」

色んな語源を調べていくと、色が語源になっている場合って本当に多いです。

例えば、オセアニアの島群を表す言葉「ミクロネシア」「ポリネシア」「メラネシア」のうち、メラネシアのメラはギリシャ語で黒いという意味ですし、それに関連するところではほくろの色素メラニンがあります。
また、アルバム[album]の語源も、アルバニアと同じくラテン語で白[albus]であって、アルバムの元々の意味は「真っ白い台紙」の意味です。

昔は、物事を判別する材料として、現代よりも視覚に頼る場面が多かったため、その特徴に応じて名づけがされていたんですね。

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この記事を書いた人

東京大学理学部物理学科に所属。高校時代に生徒会長をした時の楽しさが忘れられず、学祭やイベントの運営に携わって仕事をすることが、至極の楽しみ。カルぺ・ディエムでは出版編集部に所属し、よりクオリティの髙い書籍を出すことを意識している。趣味はピアノとゲームとスラック。

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