東大生布施川天馬が解説!夏の季語

東大生布施川天馬が解説!夏の季語

みなさんは季語という言葉を知っているでしょうか。

季語とは、俳句や連歌の中で、歌われている季節がいつであるかを明示してくれる役割を持った言葉になります。たとえば、歌の中に「夏」という言葉を入れなくても「蝉の声」という一句が入っていれば、「あぁ、これは夏の歌なのだな」と聞き手に伝わりますよね。

このように、季語とは、季節を明示しないままで季節を表すために使う言葉となります。直接季節を示さずとも季節を表すことができるので、大変重宝されています。

季語は、その通り季節を表す言葉ですから、それぞれの季節に沿った季語があります。それらは「夏の季語」「冬の季語」というように、「いつの季節の季語」と表されます。

それでは、みなさんは夏の季語をいくつご存じでしょうか。夏の季語と言ってパッと思いつくものはありますか?本日は、皆さんの知らない季語の世界を少しご案内します。

すいかと麦茶とうちわ
あわせて読みたい
東大生が語る!競技かるたの世界①〜全国高等学校かるた選手権大会〜 夏……。高校生にとってインターハイや全国大会など、日頃の部活や活動の成果を発揮できるかけがえのない季節。それは「競技かるた」と向き合う高校生たちも例外ではあり...
目次

夏の季語一覧

ひとくちに夏の季語といっても、その数は無数にあります。ここでは、その一部として、筆者が面白いと思ったものをご紹介していきます。

梅雨寒し…梅雨と言えば、初夏にある雨がよく降る季節のことですよね。「寒し」という夏のイメージとは真反対の言葉から繰り出される夏の風情には、「暑くて湿気がすごい」という夏の印象とはまた違った趣がありそうです。

麦の秋…麦の秋とは、五月から六月頃の麦が成熟する季節のことを言います。

夏の朝…「夏」というワードを避けて夏を表すのが季語だといいましたが、夏とそのまま書いてしまうのも一つの季語の表し方であります。

土用…ウナギで有名な「土用の丑の日」の土用です。土用とは、中国五行の暦に由来するもので、実は春夏秋冬それぞれに存在しています。しかし、日本で土用と言えばやっぱり夏ですよね。

秋近し…「秋近し」という季語は、夏の中でも特に晩夏、すなわち夏の終わりかけの頃のことを指します。風や空気に涼感が漂い始め、日没も段々と早くなっていき、空に藍色が混じり始めるような頃合いの時期を特に言います。

入道雲…入道雲は、強い上昇気流の影響でできた縦方向に大きな雲のことです。激しい雨や雷を伴って発達することが多く、実は一年中発生していますが、特に夏にできるものが有名で、夏の季語として使われています。

これ以外にも、夏の季語は無数にあります。それどころか、今この瞬間にも新しい夏の季語が生まれているかもしれません。なぜなら、何度も繰り返しているように、季語とはそれぞれの季節を表す言葉であるからです。それぞれの季節を表すことができる言葉であれば、それらはすべて季語になる才能があります

例えば、みんな大好きな「夏フェス」のようなお祭りも、また夏の季語に入っていく可能性はあります。「夏フェス」を詠んだ句が生まれる瞬間が楽しみになりますね。

まとめ

日本人ならば誰もが知っている「俳句」の文化。小学校や中学校の頃に授業や課題の一環として一句詠んだ経験がある方も多いのではないでしょうか。

しかし、意外とわれわれ日本人といえども、俳句について詳しいわけではありません。季語という言葉について知っている人はいたかもしれませんが、それらがどのような役割を担っているのか、どのように使われている言葉なのかを正確に説明できる人は、実は多くないのだと思います。

このままでは、そのうち俳句の文化が廃れていってしまうかもしれません。そうなる前に、ぜひもっと俳句の文化を身近に感じて、生活の中に俳句を溶け込ませてみませんか?

あわせて読みたい
「七夕は7月7日ではない?!」東大生が解説! 皆さんこんにちは!現役東大生の永田耕作です。 さて、明日は「七夕」ですね! 「七夕」は日本の夏の風物詩として、子どもから大人まで幅広い世代に親しまれています。...
あわせて読みたい
カルペディア8月号:夏休みの過ごし方と勉強 いつもカルペディアをご覧いただきありがとうございます!カルぺディエムメディア事業部です。 8月のカルペディアでは「夏休みの過ごし方と勉強」をテーマに、読者の皆...

公式サイトにて、カルぺ・ディエムが提供している具体的なサービスを紹介中!

カルペ・ディエムでは、学校様・保護者様のお悩みに対応した講演・講座・ワークショップをご提案&実施しております。

生徒の皆さんの大学選び&学部選びのワークショップ、モチベーションアップを目的とした講演、探究学習授業、長期休暇の学習合宿、難関大学合格を目指した通年プロジェクトなど、さまざまなプランをご用意しています。

講師は現役東大生!偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠をはじめとして、地域格差・経済格差など、さまざまな逆境を乗り越えた現講師たちが、生徒に寄り添って対応します。

ご相談から受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

東京大学文学部。世帯年収300万円台の家庭から東大へ合格。現在学業の傍ら、ライター、作家活動や講演活動を通して逆転合格のノウハウを広める。日刊SPA!、プレジデントオンライン、東洋経済オンラインにて連載経験あり。ゲームとマンガが趣味。

目次