ドラゴン桜東大監修 西岡壱誠が語る「自分にしかない強みの作り方」

ドラゴン桜東大監修 西岡壱誠が語る「自分にしかない強みの作り方」

「あなたにしかない強みはなんですか?」
と言われて、みなさんはなんと答えますか?

大抵の人は、「そんなものはないんだけどな」と思ってしまうことが多いと思います。
だって、あなたに『しか』って言われても、この世の中には70億人もの人がいて、私に『しか』ないものってパッと思いつく人の方が珍しいからです。

でも、就活の面接でも選抜入試の小論文でも、聞かれるのがこの「あなたにしかないもの」の質問です。
今回は、どうすればこの質問に答えられるのか、僕の中での答えをお話ししようと思います。

結論からいうと、コラボによってこの質問の回答を作ることができます。

例えば、「〇〇好き」の子は世の中にはごまんといると思います。「Snow Manが好き」「キンプリが好き」「ゲームが好き」「将棋が好き」たくさんいることでしょう。

でも、「理系だけど社会科目が好き」というと、ちょっと少なくなると思いませんか?「男だけどキンプリが好き」「80歳の高齢者だけどテレビゲームが好き」と、なんらかの自分の属性と「〇〇好き」をコラボすれば、立派な「あなただけのもの」ができていきます。

例えば、一番簡単に「あなたにしかないもの」を作る方法は、自分の住んでいる地域と結びつけることです。

「岩手県の〇〇市に住んでいる人間の中で、この経験をしている人」とすると、一気に狭まりますよね?「〇歳の人の中で、〇〇市に住んでいる人の中で、こういうことを考えている人」となると、もうほとんど一人に近くなると思います。

これを応用すると、こんなふうになります。

小学6年生の時に東北大震災の時に福島県に住んでいて、そこから東京に移住してきた。小学6年生という節目の時期に震災の経験もしながら、地方と都会の違いを肌で感じながら生きてきた人間は、自分以外にはほとんどいないと思う。

うちの高校は田舎にあるので、東京の大学を目指す人が自分以外にいない。そういう環境から大学を目指した経験がある人はほとんどいないと思う。

野球部で3年間頑張ってきたが、3年間ずっと自分の地域の人たちから応援してもらった。野球部はたくさんあるだろうが、地域の人と連携して野球をやっていたという人は少ないと思う。

自分はボードゲームが好きで、高校時代はずっとボードゲームをやっていた。そして高校時代一番力を入れて勉強していたのは数学で、数学とボードゲームの関係性について考えてきたので、この経験を活かしたい。

このように、複数の要素を組み合わせることによって、強みにすることができるということです。

さて、そのために必要なのは「好き」の深掘りです。
ニッチな趣味の方がうまくコラボできます。例えば「Youtube観るのが好き」だとあんまりうまくは行きません。「Youtubeでこういう系統の動画をよく観ている」というところまで踏み込まないと行けないでしょう。

アニメ系のチャンネルを見ているなら、「アニメ文化を楽しんでいることが多い」という話になり、またどこが面白いのかを考えると「アニメ文化をこういう目線で楽しんでいる」と言えるようになるでしょう。

「何が好きなのか」を深掘りし、「なぜそれが好きなのか」を深く考える。これだけでまず一つ、強みの片方はうまくいくでしょう。

そしてもう一つやってもらいたいのは「属性」の深掘りです。
住んでいる地域・自分の実体験・高校時代力を入れたもの……なんでもいいので、自分の属性を考えてみるのです。それも、先ほどと同じように、カテゴリを踏み込む必要があるでしょう。「手芸部だった」というのは属性にはなりません。「手芸部で、こんな作品を作った」「部活動でこんな経験をした」というものを、明確にしてみるのです。

どちらもキーワードになるのは「あなただけ」です。「あなたにしかないもの」を聞かれているのですから当然ですが、自分にしかないものを明確に考えてみましょう。隣に座っている友達と、あなたの相違点とはどこだったのか、明確にしてみるのです。

「いや、そんなものないよ」と思うかもしれませんが、そんなことはないです。「リーダーじゃなくて副リーダーだったし」と思っても、副リーダーは副リーダーでやる仕事がありますよね?それは会計でも庶務でも同じことです。もしなんの役職もついていないとしても、「役職につかないで活動を行なった」という点で他の人とは違うんです。「役職につかないなりにこういうことをした」と言えれば、なんの問題もなく「あなただけのもの」になっていきます。

ということで、

・要素を組み合わせることであなただけのものができる
・「好き」と「属性」の2つを深掘りしよう
・「あなただけ」はきっとある!他の人と違うことをさがそう!

という話でした。みなさん参考にしてみてください!

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この記事を書いた人

偏差値 35 から東大を目指すも、現役・一浪と、二年年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「暗記術」「読書術」「作文術」で偏差値 70に、東京大学合格を果たす。そのノウハウを全国の小中高生に伝えるため、2020 年に株式会社カルペ・ディエムを設立。毎年100回以上の講演を行っている。著書は『東大読書』『東大作文』『東大思考』ほか多数。漫画『ドラゴン桜2』編集やドラマ日曜劇場『ドラゴン桜』脚本監修担当。MBS「100%!アピールちゃん」「月曜の蛙、大海を知る」にてタレントの小倉優子さんの受験をサポート。見事、大学合格へ導く。

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