西岡壱誠『東大読書シリーズ』才能ではなく技術で地頭を育てる

【著者インタビュー】西岡壱誠『東大読書シリーズ』才能ではなく技術で地頭を育てる

「仕事」にも「勉強」にも「読書嫌い」にも効くと大好評の『東大読書』をはじめとする『東大シリーズ』の著者、西岡壱誠へインタビュー!書籍の内容、シリーズ化にいたった経緯などを伺いました。

目次

自分は「才能がない」と思っている人に伝えたい

――累計発行部数40万部突破の『東大シリーズ』ですが、まずは一番最初に書かれた『東大読書』について内容を簡単に教えていただけますか。

そうですね。この本では「東大生が本をどのように読んでいるのか」を綴っています。東大生は「本の読み方」が上手いから東大に受かったという感覚があるんですよね。大学センターが教科書以上の知識は出さないといっているように、教科書がちゃんと読めればいい大学に入れるというのは当たり前の話です。ですが実際どう読めばいいかは中々わからない。そうなったときに「東大生はこんな風に読んでいるよ!」と伝えている本です。

――そんな東大生の読み方を伝える『東大読書』を書こうと思ったきっかけはなんですか。

僕みたいな初めはできなかった人間からすると、東大生は元々すごい能力を持っていると思ってしまいます。ですがこれは先天的な才能ではなくて「読み方」が違うだけなんです。「はじめにこのページを読む」など読み方を工夫すればいいだけなんですよね。僕はこれを形にすれば「才能ではない何か」を伝えられると思ったんです。読解力がないなど、自分はできないから……と悩んでいる人に向けて「これは後天的に獲得できる能力なんだよ」と伝えられると考えました。

読者の悩みに答える『東大作文』と『東大思考』

――『東大シリーズ』は読書、作文、思考の順番で刊行されていますが、2作目の『東大作文』を書かれた経緯や内容を教えていただけますか?

『東大読書』を書いたときから、これはまだ「半分」だと思っていました。僕は『東大読書』の中で、ただ読むだけではなく、読んでインプットしたものをアウトプットする、つまり要約することがすごく大事だと書きました。でもインプットのやり方は分かったけど、アウトプットをどうやったらいいのかがわからないという読者の声が多かったんです。なのでそれに対するアンサーとして東大作文を書きました。つまりインプットの『東大読書』アウトプットの『東大作文』と位置付けられますね。

――その2つの本が3作目の『東大思考』に繋がっていますが、こちらはどういった経緯があるのでしょうか?

そうですね。この2冊を出したときに「もっと根本的なこと」を聞きたいという声をいただいたんです。読書や作文ができるようになるための「なにか」だったり、そもそも「頭がいい」ってどういうことか教えて欲しいと仰っていただくことがありました。

僕自身、自分の著者人生として、今自分が「才能だと思い込んでしまっているもの」が「いかに技術的に解決できるものなのか」を語っていきたいという思いがあります。本を読んでたくさんの知識を得られるのは先天的なものだと思い込んでいるだけで、実は技術なんです。

こういった思いもあって、根本的なところとして「東大思考」を書きました。「どうしたら頭がよくなるか」という抽象的な質問に対する答えがたくさん詰まっています。

ほんの「ちょっとの変化」を広めていく

――受験生だけではなく、ビジネスマンの方にもおすすめのシリーズだと思いますが、どんな悩みを抱えている人にこの東大シリーズを読んで欲しいですか?

やっぱり、漠然と頭が良くなりたいという願望ってあると思うんです。僕もそうでした。
でも「自分にはできないな〜」「どうして隣の人はできて自分はできないんだろう」「これは才能なんじゃないか」と思って心が折れてしまう人も多いと思います。

そういうときに「それは一体なんでなのか」を伝えたい。才能以外のところで差がついているかもしれない、ほんのちょっとのことで変えられるかもしれない。こういう「ちょっと」を知りたい人に向けて書いていますね。

――そういった「ちょっと」のやり方は、どこから得ているのでしょうか?

僕自身の経験もありますが、たくさん本を書けるのは「東大生たちに話を聞いている」からです。新入生の東大生にも毎年100人くらいは話を聞いています。どうして受かったのか、どんな勉強をしたのかと聞くと、面白い話がたくさん出てくるんです。そういった話を「今伸び悩んでいる人に伝えたいな」「高校時代の自分に伝えたいな」と思って、本を書いています。

――今後、初の小説も出版されますが、これからの展望を教えていただけますか?

実は小説を書くことになりました。東大シリーズのような本は1冊半年ほどで書き上げることが多いのですが、今回の小説は3年以上もかかりました……(笑)。

やっぱり「多くの人に知ってもらいたい」と思っていることがたくさんあります。

偏差値35から東大に受かった身としては、勘違いしていたけど違ったなと思うことが多くあるんです。今自分には才能がないと嘆いている人や、「努力って無駄じゃない? 」と思っている人に、「実はそうじゃないんだよ!」と知ってもらいたいです。

出版は英語で「Publishing」と言います。「public」つまり「公的なもの」にするという意味です。1箇所にたまった情報を公的なところへ広げていくのが出版です。なので、僕だけが持っていたらもったいないこと、東大生だけが知っていることなど、1人が持っているものを広げていくような本を今後も書いていきたいと思っています。

著者プロフィール

西岡壱誠(にしおかいっせい)
1996年生まれ 東京大学経済学部4年生

偏差値35の学年ビリから、2浪で自分の勉強法を一から見直し、どうすれば成績が上がるのかを徹底的に考え抜いた結果、偏差値70で東大模試4位、東大に合格。

講師インタビューはこちら
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『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』
東洋経済新報社 (2018/6/1)

偏差値35の学年ビリから、2浪で自分の勉強法を一から見直し、どうすれば成績が上がるのかマネするだけで、誰でも、どんな本でも「速く読める・内容を忘れない・3.応用できる」東大生が実践している読書術!ホントは教えたくなかったノウハウを、一冊に凝縮します!

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この記事を書いた人

東京大学で薬学や心理学を中心に勉強しています。高校時代に発達障害の方とその支援者を中心に様々な人と関わってきた経験があり、人と話しその人の人生を知るのが好き。ボカロとお笑いが大好き。

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