ギフテッド教育とは?基本から学べるガイド

ギフテッド教育とは?基本から学べるガイド
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そもそもギフテッドとは?

「ギフテッド(Gifted)」とは、知的能力や創造性、または特定の分野で優れた才能を持つ子どものことを指します。IQが高いだけでなく、独自の考え方や高度な問題解決能力を持つことが特徴です。

実は、ギフテッドには国際的に統一された定義が存在しません。IQ130以上をギフテッドとした場合、その割合は人口の約2%程度です。しかしこれはあくまでも知能指数を基準とした場合であり、芸術的、音楽的才能を含めて考えるともっと多く存在するとも言われています。

アメリカでは州ごとに異なる基準が採用されていますが、多くの州がテキサス州の定義を参考にしています。

ギフテッド・タレンテッドの生徒とは、同じ年齢・経験・環境を持つ子供と比較して、著しく高いレベルを達成する、あるいはその可能性をうかがわせる子供。知的能力、独創性や芸術の分野において高い実行能力を示す、並外れたリーダーシップ能力を持つ、あるいは特定の学術分野で秀でている。

(引用:74th legislature of the State of Texas, Chapter 29, Subchapter D, Section 29.121)

ギフテッドの特徴

具体的には、以下のような特徴を持つ子どもがギフテッドとされることが多いです。

  • 知的好奇心が非常に強く、学習スピードが速い
  • 特定の分野で突出した才能を発揮する
  • 感受性が高い
  • 周囲と異なる考え方を持ちやすい
  • 型にはまらない独創的なアイデアを生み出す

こうしたギフテッドの子どもたちは、優れた才能を持つにもかかわらず、従来の学校教育では能力を十分に発揮できなかったり、周囲と馴染めず苦労したりすることが多いです。潜在能力を存分に発揮するには、特別な支援や教育プログラムが必要とされています。そのため、近年「ギフテッド教育」が注目されるようになりました。

ギフテッド教育とは?

ギフテッド教育は、こうした才能を持つ子どもたちが、自分の能力を最大限に活かせるようサポートする教育プログラムです。アメリカやヨーロッパでは、ギフテッド教育の必要性が広く認識され、専門的なカリキュラムが整備されています。

一方で、日本ではまだ発展途上の分野であり、制度の整備や社会的な理解が十分とは言えません。しかし近年、少しずつギフテッド教育を取り入れる学校や団体が増えてきています。

ギフテッド教育の現状

海外のギフテッド教育

アメリカでは、ギフテッド教育が非常に進んでおり、多くの学校で特別なプログラムが導入されています。州によってカリキュラムが異なり、3つの実施方式があります。

・​エンリッチメント方式

ギフテッドの生徒も通常のクラスで過ごしますが、ギフテッドの子どものレベルに合った高レベルな課題や宿題を出します。

・プルアウト方式

普段は通常のクラスで学びますが、定期的にギフテッドの生徒たちを集めた学校などで学習します。

ギフテッドの生徒たちに合った高レベルな学習ができます。また、知能レベルが近い生徒同士のコミュニケーションの場にもなります。

・アクセルレイト方式

日本でいう「飛び級」です。学習能力が同年代より秀でており、上の年代と学習することが望ましいと判断された場合に可能になります。

(参照:https://miraii.jp/others-21

また、「デュアル・エンロールメント」というシステムがあります。これは、一定の条件を満たす高校生が、大学の授業を先取りして受講できる制度です。高校の授業では満足できない生徒に対して機会を与えるために整えられており、専門的な研究に取り組む機会が提供されています。

ヨーロッパでは、ドイツやオランダなどがギフテッド教育に積極的で、ギフテッドの子ども向けの特別学校が設置されているほか、一般の学校でも特別クラスが設けられています。

日本国内のギフテッド教育学校やプログラム

日本では海外に比べて、まだギフテッド教育の認知度が低い傾向があります。ただ、いくつかの機関では試験的にプログラムが導入されているそうです。例えば、東京大学が主導する「異才発掘プロジェクト ROCKET」では、学校になじめないものの特別な才能を持つ子どもたちに向けた学習支援が行われています。現在ではLearnという団体名に変わっていますが、以前としてギフテッド教育に力を入れています。

LearnのHP:https://learn-project.com/

また、国際バカロレア(IB)認定校が増えつつあり、グローバルスタンダードの高度な教育を受けられる環境が整備されつつあります。

学校でできるギフテッド教育

ギフテッド向けの特別なプログラムがない学校でも、子どもたちの特性に応じたサポートをすることはできます。例えば、授業の中で難易度の高い課題を準備し、個別に挑戦できる環境をつくることで、ギフテッドの生徒が持つポテンシャルを活かせます。

また、教員向けにギフテッド教育のトレーニングを実施し、生徒への適切なアプローチを学ぶ機会を増やすことも重要です。教師がギフテッドの子どもたちの特性を理解し、適切な指導を行うことができれば、学校全体の学習環境が向上します。

家でできるギフテッド教育

家庭でも、ギフテッドの子どもに合ったサポートができます。例えば、子どもの興味に沿った学習機会を提供し、自由に知識を深める場を作ることが大切です。オンライン学習プラットフォームや専門書を活用して、学校の授業にとらわれない学びを支援するのも良いでしょう。

また、ギフテッドの子どもは感受性が強く、周囲との違いに悩むこともあります。そのため、無理に学校に適応させることを求めるのではなく、本人の気持ちを尊重し、じっくり話を聞くことが大切です。ギフテッド教育を考える前に、まずは子どもの今の苦しみや困り事を理解してあげてください。親がギフテッドでない場合、なかなか共感や理解ができないかもしれません。同じ境遇の子どもを持つ親同士のネットワークに参加するのも、悩みを共有できるので良いと思います。

まとめ

ギフテッド教育は、才能を持つ子どもたちが自分らしく成長できるよう支援するための教育アプローチです。せっかく才能を持って生まれた子どもも、周囲の環境によってはうまく発揮できずに育ってしまう可能性もあります。今後、より多くの子どもたちが自分の能力を伸ばせるよう、教育制度の整備や社会の理解促進が求められています。家庭や学校が協力し、基準が高い子にも低い子にも、1人1人へのアプローチを続けることが、子どもたち全員の明るい未来につながるでしょう。


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この記事を書いた人

早稲田大学商学部2年生。イノベーションとデザインに興味がある。好きなことは実家の犬とひなたぼっこ。

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