2024年のM-1グランプリ、記念すべき20回大会となった今年のM-1は令和ロマンの二連覇で幕を閉じました。敗者復活からずっと笑いっぱなしで最高の大会でしたね!
さて、王者である令和ロマンや最終決戦まで残った真空ジェシカは大学お笑い出身だと知っている人も多いのではないでしょうか。でもそもそも大学お笑いとは何なのか?具体的にどんな活動をしているのか?謎に包まれた部分も多いと思います。
今回は東京大学のお笑いサークルに所属している筆者が、大学お笑いとは何か、現在活躍しているお笑い芸人の中で大学お笑い出身者は誰なのか、徹底的に解説します!
そもそも「大学お笑い」って?
大学お笑いという名前は知っているけれど、実際は何のことを指しているのか、イメージがわかない人も多いのではないでしょうか?明確な定義はありませんが、大学お笑いとは何かについて解説していきます。
大学のサークル活動
基本的には、大学のサークル活動の一環として学業と並行しつつ、アマチュアでお笑いの活動をしている大学生、もしくはその界隈のことを指します。M-1で見事二連覇を果たした令和ロマンは、学生時代は慶應義塾大学のお笑いサークルであるお笑い道場O-keisにおいて魔神無骨として活動していました。
お笑いというとサンパチマイクを挟んだ漫才をイメージする人が多いかもしれませんが、もちろんそれだけではありません。プロと同じようにピン芸を披露する人もいれば、コント師と呼ばれるようにコントに特化した学生芸人もいます。またお笑いサークルだけではなく、各大学の落語研究会に所属している人も同じように大学お笑いに関わっているため落語を披露することもあります。
舞台は個人ライブ
そんな学生芸人ですが、吉本興業などのように自分の劇場を持っているわけではありません。基本的には自分たちで劇場を借りて個人ライブを行うしかありません。基本的にはキャパシティが30〜50人くらいの劇場を借りて集客からライブ運営まで全て自分たちで行います。演者ばかりが注目されがちなお笑いサークルですが、実は将来ライブ運営に関わりたいと考え、裏方を体験する場所としてサークルに入る人もたくさんいます。演者と仲良くなり、ライブ主催の経験を積めば自分で学生芸人にオファーをして数百人規模のライブを主催することもできるのです。
ライブの種類もさまざまで、サークル主催の単独ライブや各サークルごとに演者を出し合い、面白かった方に投票してもらう対決ライブ、コントやピン芸、長尺漫才など似た形式のお笑いを集めたテーマライブなど縛られることなく自由にやっています。ライブはエントリーフィーを支払って出ることが多いため、採算を気にせず好きなライブを打てるのは大学お笑いの強みかもしれません。こういったライブのオファーは学生同士のつながりもありますが、大会で結果を残した大学生芸人は自ずと色々なライブに呼ばれるようになります。いわゆる“売れる”という現象が大学お笑いでも発生するのです。
大学生のみの大会も
学生芸人にも人気者や有名人もいます。最近ではM-1で結果を残した東大生と早稲田生のコンビであるナユタが有名ですが、そのほかにも乙女ブレンドや鯖のTシャツ、もぐら大戦争など大学生のみの大会で結果を残した学生芸人はたくさんいます。学生芸人の大会は数えきれないほどあるのですが、その中でも歴史のある、箔がつく大会をご紹介いたします!
大学芸会
大学芸会は大学生のお笑いグランプリで、漫才・コント・ピン芸など形にとらわれず面白かった人が勝利、というシンプルな大会です。2011年に始まったこの大会では初年度から真空ジェシカが決勝に行っていたり、次年度にはサツマカワRPGが決勝へ進出していたり、豪華な顔ぶれが並びます。2016年には優勝がラ・パルフェ(当時リレンザ)、二位に令和ロマン(当時魔神無骨)、三位にラランドという成績で、今でも活躍している芸人は当時から活躍していたことがわかります。
大学芸会は由緒ある大会であることから、予選段階から豪華なMCを迎えていることも大きな特徴です。2024年大会予選では十九人や春とヒコーキ、準決勝ではママタルト、決勝では真空ジェシカやヨネダ2000などいかに大会が大規模であるかが伺えます。
NOROSHI
大学生お笑いの大会といえば無視できないのがNOROSHIです。これは各サークル内で、漫才・コント・ピン芸のチームを作り、それぞれがネタを披露するチーム戦です。ネタ一つ一つは個人の戦いですが、それ以上にサークルとしてどれだけ面白いかもはかられる大会です。
2015年から始まった本大会は大学芸会と吉本興業が共同で行っています。決勝戦はルミネtheよしもとや日経ホールなど約600人を収容できる大舞台で、MCはジャルジャルが行うなど豪華な仕様。優勝者にはNSCの特待生の権利が与えられるなど、芸人への登竜門と言っても過言ではない大会です。
大学生M-1グランプリ
大学生M-1グランプリは2004年から始まり、紹介した中では最も歴史のある大会です。早稲田大学放送研究会主催で今年で21回目を迎える、本家M-1グランプリよりも開催回数の多い大会です。
これは本家M-1に則った漫才の大会で、ネタ時間もだんだんと長くなっていく大会です。記念すべき20代王者は現在話題沸騰中のナユタでした。お笑い事務所の代表やかもめんたるの岩崎う大、ダウ90000の蓮見などが審査員を務め、大学生漫才のトップを決める大会といえます。学生であれば誰でも出場でき、毎年多くの学生芸人が鎬を削っています。
大学お笑い以外のルート
近年は大学お笑いがとても盛り上がっていますが、もちろん他のルートでプロを目指すこともできます。NSCなどの養成所に入ることがその方法の一つです。また芸能事務所のオーディションに参加する方法もあります。ですが今回のM-1グランプリの結果を見る限り、大学お笑いの勢いが増していることは間違いないでしょう。
有名な大学お笑い出身の芸人は?
今まで大学お笑いについて解説してきましたが、代表的な学生芸人は誰がいるでしょうか。有名な人からこれから注目すべき芸人まで、簡単に解説していきます。
ラランド(上智大学お笑いサークルSCS)
やはり大学お笑い出身の芸人として最も印象深いのはラランドのお二人でしょうか。学生芸人の存在を世に知らしめたラランドは上智大学お笑いサークルSCSの同期として出会い、大学お笑いで活躍しました。アマチュアとして2019年のM-1に出場し、見事準決勝に残るという快挙を成し遂げたことから有名になりました。ボケのサーヤは当時就職していましたが会社を辞め、今では個人事務所を立ち上げてラランドとして活動しています。
大学お笑いはコンビを組む数も自由なので、当時はいろいろな人とコンビを組んでいたようです。YouTubeチャンネル「ぼくらの別荘」でも活躍中のシドニー石井ともコンビを組んでいたとのことで、二人の漫才も見てみたいですね。
令和ロマン(お笑い道場O-keis)
言わずと知れた絶対王者、令和ロマンも学生芸人でした。慶應義塾大学の実は先輩後輩だった二人は、後輩のくるまが二年生の時に魔神無骨というコンビを組み、ラランドと同じように活躍していました。卒業後よしもとNSCに入った二人は東京NSC23期の首席として卒業し、現在でも幅広い活躍を見せています。
O-keis出身の芸人としてはほかにもストレッチーズや真空ジェシカの川北、ひつじねいりの細田などがいます。
真空ジェシカ(お笑い道場O-keis / 青山学院大学ナショグルお笑い愛好会)
すっかりM-1グランプリ決勝戦の常連となった真空ジェシカも大学お笑い出身でした。川北はOkeis出身、ガクはナショグル出身でそれぞれ所属しているサークルが違ったのです。NOROSHIなどのサークル対抗の側面が強い大会には2人で出ることはできませんが、プロとして活躍するために組んだコンビのため問題なかったようです。
サークルの垣根を越えて、誰とでもお笑いが出来るのも大学お笑いの魅力の一つでしょう。ナショグルの出身者には超人気YouTuberである水溜りボンドもいます。お笑いの土俵に留まらず、さまざまな分野で活躍しているのですね。
ママタルト 大鶴肥満(明治大学お笑いサークル木曜会Z)
今年のM1グランプリで大活躍となったママタルトも大学お笑い出身です。東京の学生芸人はママタルトが好きな人が特に多い印象を受けるほど、大学お笑いのなかで長く人気のあるコンビです。2人とも学生時代からずっとお笑いをやっていますが、出会ったのはプロになってからです。関西と関東でそれぞれ活動していた2人はコンビを組んで事務所に所属し、活躍しています。
同じサークル出身者に有名YouTuberであるおるたなや、同じく芸人のサツマカワRPG、お嬢様キャラのピン芸人たかまつななや、ダイヤモンドの野澤がいます。
ひょっこりはん(早稲田大学お笑い工房LUDO)
キャッチーなネタで一世を風靡したひょっこりはんも、実は高学歴で大学お笑い出身なんです。大学生時代はダイキリというコンビを組んでしゃべくり漫才師として活躍していましたが、プロに進んでからは相方は構成作家へ転身したためピンで活躍。おもしろ荘から一躍有名になりました。
本旨とは関係ありませんがロザンの宇治原とはとこ同士だそうです。お笑いと勉強の遺伝子が刻まれているのかもしれませんね。
ハナコの岡部やにゃんこスターのアンゴラ村長、ゼンモンキーの萩野もLUDO出身など個性的な面々がそろいます。その他にもGパンパンダやまんぷくユナイテッド、ラパルフェなど有名芸人をたくさん輩出しています。
まとめ
いかがでしたか。皆さんの住む場所の近くや母校でも大学お笑いは行われているのかもしれません。YouTubeチャンネルを解説していたり、各大学の文化祭などで気軽に見られる機会もあるので、一度足を伸ばしてみてはいかがでしょうか!
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