はじめに
ケアレスミスは、受験を控えた学生にとって成績に大きな影響を与えることもある、見過ごせない問題です。「ちょっとした不注意」として軽視されがちなケアレスミスですが、試験本番で焦りやすい、集中力の持続が難しい、メモが汚いため、書き写す時に間違えやすいなど、実際にはさまざまな原因が絡み合っています。
そして、それらの原因を分析することで、ケアレスミスは減らすことができます。この記事では、ケアレスミスの原因をいくつか挙げ、その原因にふさわしい対策方法や集中力を維持するためのコツについて詳しく解説します!
そもそもケアレスミスとは?
ケアレスミスとは、「不注意によるミス」を指します。「careless」の意味(不注意、杜撰)の通り、問題の読み間違いや計算間違いなど、よく考えて丁寧に解けばわかるはずなのに起こってしまうミスのことです。
「些細なことだし、考えればできたから問題ない」と考えがちですが、実際には些細なことではなく、対策しなければ何度も繰り返してしまうものです。自覚がある方もいるでしょう。ケアレスミスを放置すると、受験などの大事な場面で大変なことになってしまうかもしれません。この記事をきっかけに、自分のケアレスミスを分析してみましょう!
ケアレスミスの原因を分析しよう
ケアレスミスは単なる「うっかり」ではなく、背後にはさまざまな原因が潜んでいます。まずその原因を知ることが、ミス防止の第一歩です。
ケアレスミスのパターン
ケアレスミスにはどんなパターンがあるのでしょうか。よくあるケアレスミスを6つ並べてみました。
- 計算ミス:計算途中での見落としや簡単な加減乗除の間違いなど
- 読み間違い:問題文を正確に読まずに答えてしまうこと
- 答えの書き漏らし:解答欄に答えを記入し忘れる
- マークミス:解答する記号を間違いや解答欄のズレなど
- 漢字の間違い:解答欄に間違った漢字を書いてしまうこと
- 単位ミス:問題の要求に対してふさわしくない単位を書いてしまうこと
もちろん、これだけではないと思いますが、どのパターンのミスが多いか、胸に手を当てて思い出してみてください。間違えないように気をつけよう、と意識してテストに臨むだけで、これらのミスは減らすことができます。
考えられる要因
では、ケアレスミスをしてしまう要因にはどのようなものがあるのでしょうか。
- 油断と慢心:問題は解けたからもう大丈夫だ、と気が緩んだ時にミスが起こりやすいです。簡単に解けた問題ほど、合っている自信から見直しが雑になり、ケアレスミスが起こってしまう、ということもあるので、最後まで油断しない、自分の解答を過信しすぎないようにしましょう。
- プレッシャー:このテストでいい点数を取らなければ、というプレッシャーで過度の緊張状態になり、ケアレスミスが起こることがあります。また、時間が足りずに焦ってしまい、問題文の条件を読み落としたり書き間違えたりすることも。
- 集中力の低下:試験時間が長いと、後半はどうしても集中力が切れてきてしまいます。そうなると、思考力が低下してミスが起こりやすくなり、そしてそのミスに気づきにくくなってしまうのです。
あくまでこれらは代表的な例であり、他にも原因があるかもしれません。自分のケアレスミスの原因は何か、考えてみましょう。
直接的な対策方法
では、繰り返されるケアレスミスをどのように減らしていけばいいのでしょうか。まずは直接的な対策方法を4つ挙げていきます。
ケアレスミスを克服するには、「注意しよう」とすることも大事ですが、それだけではなく、ミスをしっかり記録し、その原因を見つける習慣が大切です。また、他にも実際に問題を解いている時に使える実践的な対策方法もあるので、試してみてください。
ミスを記録するノートを作る
ケアレスミスを減らすための第一歩は、ミスを放置せずに記録することです。自分のケアレスミスが何が原因で起こっているのか、どうしたら減らせるのか、しっかり分析することが大切なのです。ミス専用ノートを作って、以下のような項目を書いておくと次につなげることができます。
- ミスの内容:何をどう間違えたのか(問題文と自分の解答を印刷して貼っておくのがおすすめ)
- 原因:どんな状況で発生したのか、プレッシャーがあったかどうか
- 対策:次にミスを防ぐためにはどうすれば良いか
ミスを記録することで、自分の弱点や改善点を可視化でき、同じミスを防ごうという意識が高まります。
問題文の重要なところに印をつける
実際に問題を解いている時にできる対策として、「問題文の重要なところに印をつける」というものがあります。条件に線を引いたり、大事な情報を丸で囲んだりしながら読み進めれば、問題文を読み落とすことはなくなるはずです。
これは下線を引く、これは丸で囲む、四角で囲む、という自分なりのルールを決めておくと、さらにじっくり問題文を読むことができるので、ケアレスミスを減らせるだけでなく、わからない問題も解けるようになるかもしれません。
計算を簡単に、丁寧にする
計算ミスをなくすためには、「計算を簡単にする」「丁寧に計算する」「検算する」ことが大切になってきます。
まず、これは普段から意識してほしいことですが、式を立てていざ計算で答えを出す、というところまで来たら、そのまま計算するのではなく、いかに計算を簡単にするかを考えましょう。例えば、25×68という計算式が出てきたら、25×4×17と変形して、100×17で計算した方が筆算で解くよりよほど楽ですよね。こうすれば、面倒な計算をするよりも計算ミスが減るはずです。
また、簡単なものでも丁寧に計算することを常に意識しましょう。一つ一つ確認しながら変形し、難しい計算は筆算を綺麗に書いてやる。これだけで確実にミスはなくなります。そして、最後に検算をすること。最初の計算に引っ張られないよう、頭を一度空っぽにしてから再度計算してみて、合っていたら先に進む、ということを実践してみてください。
指差し確認をする
写し間違いや書き間違い、マークミスなどを減らすためには、「指差し確認」が有効です。1字ずつ指を差して確認しながら丁寧に書く。これを意識することでほとんどのケアレスミスは防ぐことができます。
計算を丁寧にやったり、指差し確認をしながら丁寧に読み進めたりするのは時間がかかるからテスト中にやっていられない、と思った方もいるかもしれません。ですが、スピードと正確性だったら正確性の方が重要です。時間内に解き終えたけれどマークシートがずれていて0点だった場合と、ゆっくり丁寧に解いて20点だった場合を比べてみてください。極端ではありますが、スピードより正確性が大切なのがわかると思います。「確実に正解できるスピード」で解くことを意識しましょう。
間接的な対策方法
テスト中のケアレスミスを防ぐには、緊張しすぎないこと、そして試験全体を通して集中力を持続させることが必要不可欠です。ここでは、間接的な対策方法として、緊張を緩め、集中力を維持するための具体的な方法を紹介します。
集中を乱さないためのルーティンを作る
まず、集中を乱さないためのオリジナルのルーティンを作りましょう。試験中にできる簡単なルーティンとして、集中が切れてきたと感じたら深呼吸をする、問題と問題の間に10秒ほど目を閉じて瞑想する、解き終わったら必ず一度手を離してから見直すなどがあります。一定のルーティーンを設けることで、メンタルが安定し、集中し続けられるという効果が期待できます。
休憩時間にしっかりリラックスする
1日に何科目もの試験を受けるとなると、後ろの方の試験ではやはり集中が続かなくなってくるものです。そこで、科目の間の休憩時間はしっかりリラックスするようにしましょう。次の科目の勉強をしたい気持ちもわかりますが、そこで頭を使いすぎては、いざテスト中にミスが多発してしまいます。机に伏せたり、軽いストレッチを挟んだりするだけで頭がすっきりし、集中力が持続しやすくなるので、取り入れてみてください。
おわりに
ケアレスミスを克服し、安定した学習成果を上げるためには、ミスの根本的な原因の理解と対策法の実践が重要になってきます。これまで見てきたように、確認しながら丁寧に問題を解いたり、集中力を高めるためにルーティンを考えたりすることで、ケアレスミスを減らすことができるのです。また、ミスを「ただの不注意」として終わらせるのではなく、しっかり分析してその後の学習方法やテストの受け方に活かすことが成功への鍵です。この記事を参考に、ケアレスミスを減らすための対策法を実践をし、より良い学習習慣を築いていきましょう。
公式サイトにて、カルぺ・ディエムが提供している具体的なサービスを紹介中!
カルペ・ディエムでは、学校や保護者のみなさまが抱える懸念やニーズに応える形で、講演・講座・ワークショップを提案し、それらを実施しております。
生徒の皆さんの大学選びや学部選びのワークショップ、モチベーション向上を目的とした講演、独自の探究学習授業、長期休暇中の学習合宿、難関大学合格を目指した通年プロジェクトなど、さまざまなプランをご用意しております。
私たちの講師は現役東大生で 偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠をはじめ、地域格差や経済格差などの多様な逆境を乗り越えた講師たちが、生徒の皆さんに寄り添って全力でサポートいたします。
ご質問やご相談だけでも結構ですので、お気軽にお問い合わせください。