みなさん、こんにちは。現役東大生ライターの縹峻介です。
受験生の皆さん!いよいよ、共通テストまであと1ヶ月になりました。
記述式模試も終わり、冠模試の返却が終わったこのシーズン。いくら東大や京大のように二次試験の配点が高い大学を受験しようとも、そろそろ本格的に共通テスト対策に勉強内容を移行させる人が多いのではないでしょうか。
これから本格的に共通テストの試験を頑張るぞ!と意気込んでいる方、多いと思います。
しかし現実は甘くはなく、これから1ヶ月の間、人生で一番の頑張りを見せたとしても、周りの人も同じくらい頑張るのでそこまで差がつきません。結局は、今まで積み重ねてきた努力がモノをいう場合がほとんどです。
とはいっても、この1ヶ月間で共通テストの点数をできるだけ伸ばしたいですよね。
ということで今回は今からできる、共通テストでの得点を最大化する戦略を、全体感と各教科ごとに分け、皆様に伝授していきたいと思います。
具体的にマークシートの塗り方を決めておく!
共通テストにおいて、最も勿体ない点数の落とし方は、マークミスです。
といっても、どれだけ注意してもなくならないのがマークミス。どうすればミスを最低限に抑えられるのでしょうか。
僕がオススメするのは、具体的にマークの塗り方を決めておくことです。
例えば、
・数学は得意だから、集中力を維持することも考慮し、全て問題を解き切ってからマークをする。
・社会は、最後に時間がなくなってしまってはダメだから、一問一問が独立していることも考慮し、一問ごとにマークする。
・国語は、大問1つごとにマークをする。
などといった、ルーティンを自分の中で決めましょう。
そして、この残りの1ヶ月で、それらを実践しておきましょう。
そして、当日。
問題が難しかったり新しい傾向の問題が出たりして、焦る気持ちも募ると思いますが、絶対に自分が決めたルーティンを守るようにしましょう。絶対です。
当日5分とかで考えついた戦略を実行するよりも、1ヶ月間調整に調整を重ねた自分に合った戦略を遂行する方が、何か失敗したことがあったとしても、マークミスによる総崩れを起こしにくいし、点数も最低限ラインでは踏みとどまってくれるでしょう。
社会は過去問から「考え方を」学ぶ!
社会に関しては、センター試験・共通テストの傾向上、一度出た語彙や内容に関して同じものは出ないことが分かっています。これは、過去問を解き進めると自ずから分かります。ですから、極論では、過去問を解く意味はないのかもしれません。
しかし、社会に関しては、過去問から「考え方を」学び、それを当日に活かすことが、得点を伸ばすことができる戦略と言えるでしょう。
例えば、共通テスト地理の問題を見ても、同じ考え方を使っている問題がそのまま出たことがあります。
左が2022問4-6、右が2023問2-5です。
一見違うような問題に見えますが、この問題の根底にある考え方は「近いところには運びやすい」という至極当たり前とも思える考え方です。
左の問題では、チリとニュージーランドなら、西ヨーロッパと北アメリカの両方に対しチリの方が地理的に近いので、輸出割合が比較的多い「サ」がチリでしょう。(ニュージーランドは、記載が無いオセアニア地域への輸出量比率が高いと予測されるため、必然的にヨーロッパや米国への輸出割合は低いはず。)
右の問題では、フランスの方がEU圏の国々に比較的近いため、気軽に輸送できる道路輸送の割合が多いと考えられます。つまり、「ア」の方がフランスになるはずです。
このように、社会では全く同じ内容を問われる問題は出ることがないが、考え方が類似している問題はたくさん出ることが分かります。ですから、社会に関しては、基礎的な知識がインプットされていることは前提とした上でこの1ヶ月間、考え方を吸収することで、初見問題にも対応ができるようになってくると思います。
国語は大問を解く順番を決めておく!
国語は、現代文(評論)・現代文(小説)・古文・漢文の4大問で構成されています。
問題の掲載順が上記の順番なので、前から順に解くとこの順で解くことになります。
しかし、本当にそれで良いのでしょうか。
教科として「国語」と一括りになってはいますが、現代文・古文・漢文と性質の違う問題が3問入れ込んでいますし、難易度にも差があります。
例えば、一般的には漢文が簡単と言われ所要時間が短いのに対し、古文や小説は時間がかかることが多い大問です。
実は、こういった特性を理解し、大問を解く順番を自分なりに決めるだけで、国語の点数が安定することがあります。
例えば私の場合は、
①漢文:難易度が低く、時間も15分程度で終わるため。取れるところをまず倒していくイメージ。
②現代文(評論):十分な時間を使ってちゃんと読めれば点数は付いてくる。時間に余裕のある前半に倒す。
③現代文(小説):(特段の理由なし)
④古文:一番苦手。そのため、時間が無かった時に適当にマークしたときの期待値と、きちんと解いたときの期待値の差が一番小さい。
の順で解いていました。他にも、漢文→古文→評論→小説で解いていた人も知っています。勿論、前から順に解いている人もいました。大事なのは、自分に合った解き順を模索し、戦略を練っておくということです。
テスト後に「思ってたより○○で時間が足りなくて結局点数を結構落としちゃったんだよね」と言い訳する人は、受験に対する戦略を練ることを怠った結果だと思いますし、(共通テストだけに関わらず)受験に上手くいった人には上手くいっただけの理由があるのです。
英語は集中力を維持できる順で問題を解く!
これはかなり私の主観に依る部分が大きいのですが、英文を読むのって疲れないですか?
私は、共通テストレベルの英文でも1時間も読み続けると、頭に英文の内容が入ってこなくなることが自覚できてしまいます。。
そんな私は対策として、英語の問題の中でちゃんと読まないといけない大問と流し読みで解ける大問を大方に分けたうえで、
しんどい問題→楽な問題→しんどい問題
の順で解くようにしていました。どの問題がしんどくてどの問題が楽かは人に依ると思いますが、僕は概ね、一問あたりの英語の文章の長さが判断の材料となることが多かったです。
その上で、大問3つごとくらいにマークする時間を設けることで、頭を休ませる時間も確保していました。
このようにすることで、1日目最終科目で疲れている状態でも、点数を安定させられるようになりました。
数学は必要性や十分性で問題を解き切れ!
数学は、得意な人とそうでない人で、時間の余り方や解ける問題数に最も差が大きく開く科目です。
ですので、一概にアドバイスするのは難しいですが、必要性や十分性で問題を解き切る練習をしておく、というのは恐らくどの学力層の人にも大切になるポイントで、しかも見落とされがちな戦略の一つでもあるでしょう。
例えば、2021年本試数学IIBの大問1[2](3)では、次のような問題が出されています。
これ以前にf(x)とg(x)の定義がなされているので、
(A)~(D)の関係式の左辺と右辺を具体的に計算して確かめても、勿論正解には辿り着けますが、如何せん時間がかかってしまいます。
そこで、今回は必要性を確かめるという手を使います。
文章から「どれか1つのみが成り立ち、それ以外の3つは成り立たないこと」が分かっています。
ということは、例えば「(A)がある値で等式が成り立たないこと」が分かれば、(A)は成り立たない側の3つに属するということが分かります。このような式を(A)~(D)の内3つ見つけることができれば、残った1つが「ネ」の答えということになります。
これが必要性を満たしていないことを確かめるということです。
実際、β=0として確かめてみると、(A),(C),(D)はαの値を0や1としてみると等式は成立しないことが分かります。
よって、「ネ」には(B)が入るということになります。
(勿論、これだけで任意のαとβに対して(B)が成り立つことを証明できた訳ではありませんが、問題文が「1つだけ正しいものがある」と言ってるんだから、(B)はせめて成り立たないとおかしいですよね。)
少し気持ち悪い感じも残るかもしれませんが、これが必要性を考えるという手法です。
二次試験の証明問題でも、必要性から答えを類推→十分性を確認という手順を踏む問題は多くあるため、「共通テストだけで通用する手法」というわけでは、全くありません。
共通テストの数学は、時間が足りないという人も多いかもしれません。しかし、メタ的な視点を持って問題に取り組めば時短は可能です。しかし、共通テストの問題文自体から「こういう考え方をしたら裏技っぽく楽に解けるよ」とは言ってくれません。今からの1ヶ月必要性や十分性で問題を解き切る訓練をしておくのはいかがでしょうか。
理科はパワー!
理科はすみません。あまり良い戦略らしい戦略はありません。
というのも、国公立二次試験の理科を受ける人であれば、共通テストの理科に関しては特段の対応をしなくても高得点を取って当たり前だからです。
文系で理科基礎2科目を受ける人も、そもそも試験範囲が広くないのでパワーでなんとかしてください。
理科は、数ある試験科目の中でも取り組んだ時間がモノを言う確率が高い科目です。
ですから、理科に関しては戦略がどうこうとかではなく、1分1秒でも多くの勉強時間を割いてより多くの演習を積んでください。そちらの方が手っ取り早く点数が上がります。
さいごに
共通テストにおける戦略って意外と考える人少ない気がしますが、うまく考えれば、同じ時間勉強するよりも効率良く点数を安定させることができます。
ここで紹介した方法はあくまで一例です。みなさん自身、自分に合った戦略を考えてみてはいかがでしょうか。
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