実力テストはどう対策すべき?勉強法とマインドセットを現役東大生が解説!

テスト予定表や年間・月間予定表を見た時に、「実力テスト」の文字が目に入ってきて、明るい気分になる人は少数派でしょう。多くの人が「なんで定期テストの他に実力テストなんてものがあるんだよ!」と思っていますよね、わかります。しかも定期テストに比べて何をして臨めばいいのかもいまいちピンと来ないときた。結局何もできないまま迎えて、散々な成績を取ってしまった…という方がたくさんいることでしょう。何を隠そう、私もそうでした!

今回は、校内実力テストに向けてどう対策すべきなのかそもそも本当に対策が必要なのかも含めて、現役東大生の碓氷明日香が解説していきます!

※基本は高校生向けに書いています。中学生の実力テストについては記事の下の方に書いたのでそれをご覧ください!

目次

そもそも実力テストとは

そもそも実力テストとは何なのでしょうか。なんのために存在して、他のテストとはどのように違うのでしょうか。対策を考えるためにはまず敵を知る必要があるので、まずは実力テストそのものについて説明していきます

実力テストの目的

実力テストを受ける目的としては、

①純粋な実力で自分の立ち位置を知るため
②実践的な問題にチャレンジするため

の2つがあると思います。

①について、定期テストは平素の成績、平常点などと呼ばれる、純粋な学力とは別の要素も含めて点数や順位が出ることが多いです。学年の中には全然課題を提出していないのになぜかテストの点数が高い人が何人かいます(あなたがそういうタイプかもしれませんが、課題は出しましょうね)。そういう人は平常点は低めにつけられるので、定期テストではあまり上位に食い込むことはないでしょう。ただ、実力テストは純粋な学力のみでの勝負です。一発本番の受験と同じ状況を味わうことになるのが、特徴といえるでしょう。真の意味で自分の立ち位置がわかるはずです

②について、実力テストは、入試本番に近い難易度の問題が出題されることが多いです。教科書レベルの問題やそれの応用問題が解けていても、受験には太刀打ちできません。本番の問題はさらに数段階レベルが高いので、それに対応できる力をつけておかなくてはなりませんが、実力テストはその練習になってくれます。普段の勉強で実践問題に触れない人もチャレンジする機会になり、普段からそのレベルで演習している人にとってはその成果を発揮する機会になるでしょう。

定期テストとは何が違う?

実力テストと定期テストの違いは上記の「平常点がなく、文字通り実力を測るテストだということ」「難易度が高いこと」だけではありません。一番の違いは「出題範囲」です。定期テストはテストとテストの間に授業で習った範囲の問題のみが出ますが、実力テストはそれまで習った範囲全てから出題されます。つまり、この単元だけ対策すればOK、というわけにはいかないということです。

より大学受験に近い形で、さまざまな範囲から問題を出し、総合的な実力を測るテストなので、点数を取るのが難しいことは想像に難くないでしょう。

実力テストは対策すべき?

ぶっちゃけ対策する時間なんてないし、そもそも対策すべきなの?と思っている方、いると思います。私もそう思っていました。

ですが、対策せずに点数が取れるテスト、というものは本来ありません。もしNO勉でそれなりの点数が取れたのなら、それは「たまたま自分が解ける問題が出たから高得点が取れてしまった」だけです。「再現性の高い高得点」を取るために、実力テストに臨む上で大切なことをここで説明しますね。

実力テストに対するマインドセット

まず、実力テストに対するマインドセットですが、「本格的に意識するのは2週間前」です。ただ、これは決して定期テストと同じくらいの感覚で臨め、と言っているわけではありません。そもそも、夏休みのような長期休みの間に、自分の苦手な単元を克服するために演習しておくのが、実力テストの対策として、引いては受験に挑む高校生としての大前提なのです。それをやっておいた上で、実力テスト2週間前の段階で自分に足りないもの、ここは固めておかないとまずい、という単元や問題を仕上げていきます。

要するに、1年中頭の片隅で実力テストの存在を意識しておきつつ、本格的に仕上げに入るのが2週間前、ということです。高校生の多くは、他のやるべきこと、やりたいことに忙しい、というのが本音だと思いますが、受験という得体の知れない大きな何かを常に意識するよりかは、実力テストを一つの目安として頭に入れておく方がわかりやすいですし、あとで後悔することもないでしょう。

本当に時間に余裕がない方へ

とは言っても、気づいたら目の前にテストが…という方が多いですよね。また、対策したくても部活が忙しすぎて、家に帰ったら寝るだけ…という方もいると思います。そういった「本当に時間に余裕がない方」は、最低限の復習をしましょう。

例えば、数学の公式一覧を見て、どんな場面で使うのかを思い出してみる。古文漢文の文法・句法を確認する。化学の反応式を書き出す。世界史の一問一答をやる。そういう小さな復習をやってみてください。テストが始まる直前でもいいです。これが実力テストに直接生きるかどうかは運次第ですが、最終的に成績upにはつながります。実力テストはそれなりに回数があるはずです。その度に復習を繰り返していたら、さすがに人間の脳は記憶してくれるはずなので、とにかく最低限の復習を必ずしてください。時間がないからと言って何もせずテストを迎えていると、気がついたら受験が目の前に来ていますよ。

主要教科の対策方法

では、ここから実際の対策方法について主要教科に絞って説明します。

国語

文章読解については、普段の演習の積み重ねが一番生きてくることは想像がつくと思いますが、直前だからこそできることがあります。文章というのは、しばらく読んでいないと読んで理解するスピードが落ちるのです。だから、いつもは文章読解なんてテストの時しかやらない!という人も、2週間の対策の中でいくつか読んでみてください。そうすれば試験中、いつもよりもスムーズに読解できるはずです。

もちろん、この機会に古文漢文の文法・句法を確認しておくことも忘れずに。

数学

数学は単元が分かれているので、復習がしやすいはずです。すでに自覚している圧倒的に苦手な単元があると思います(私は「場合の数と確率」でした)。その単元の基礎問題を解いてください。チャートやFocus Goldの例題をひたすら解いて、その単元を少しでも底上げしましょう

数学が得意で、苦手な単元なんてない、という方は、肩慣らしにいろいろな分野の応用問題を解き続けておいてください。

英語

英語も国語と同じです。普段から読んでいる人が順当に高い点数を取ります。でも、直前だからこそできるのは、当日にスムーズに読解ができるように長文をいくつか読んでおくこと。頭を英語に切り替える作業を何回もやっておくと、本番もスッと英文が入ってきます。

単語はこの2週間だけでも継続的にやりましょう。テスト前の2週間だけやろう、を繰り返していると結局ずっとやることになります。そして文法もこの機会に少し見直しておくと無駄なミスが減るので、おすすめです。

テスト直前にやること

ここでは、実力テストを受ける上で大切なことについて書きます。もちろん、定期テストや模試にも応用が効く話ですが、特に受験に近い形のもので、比較的回数を重ねるテストなので、実力テストこそ、これらの行動が必要になってくるはずです。

目標点を掲げる

まずは受ける前、「目標点を掲げる」こと!対策をしようにも、目標がないとやる気が出ません。また、高い点数を目指すことで、目標を達成しようと必死に点数をかき集めることになり、実際に取れる点数もちゃんと上がります。

各科目ごとの目標点はもちろんのこと、合計の目標点も出しておきましょう。取れなかった教科を他でカバーする、という意識が芽生え、自然と全体的に成績が上がります。

前述した対策を始めるテスト2週間前に、目標点を決めて紙に書いて、勉強机の前に貼ってから始めるといいでしょう。

テストノートの作成

テストが返却されたら、「テストノートの作成」が待っています。私の場合は間違えた問題をノートに切り貼りして、その下にもう一度時間をかけて解き直してみる、それでも解けなかったら解説を読む。そして何が間違えた原因だったかを書き出していました。

普段のノートをあとで全て見返すことはできません。でも、高校3年間分のテストノートであれば、いつでも楽に見返すことができる量でしょう。そこできちんと間違いの分析ができていれば、見返した時に間違いの原因をたどって、同じミスをしないように気を引き締めることができるはずです。

テストノートは教科別に作るようにしましょうね。科目が混ざると見返す時少しややこしいです。

苦手分野の復習

テストを終えると、自分の苦手分野がはっきりすると思います。また、テストノートを作ることで、気づくこともあるかもしれません。

そこから目を背けず、次の実力テストまでに、時間を見つけてその分野の復習をするようにしましょう。苦手な分野は嫌いになりがちですが、問題演習を繰り返していれば、少しずつできるようになっていくものです。もちろん、得意分野と比べればスピードはゆっくりではあると思います。それでも、あとで後悔しないために、どの分野が出題されても点数が大きく変動しないようにしておくことはとても大切です。

成績表の分析

校内実力テストの場合、各教科の授業でテストが返却され、少したってから総合の学年順位などが出ることが多いでしょうか。学校によりますが、成績表に点数、平均点、偏差値、順位などが載っていると思います。

まずは目標点数を取ることができたかどうか、そして次に偏差値を見ましょう。偏差値は平均点を50として自分がどれくらい点数を取れたかの目安です。テストごとに難易度は変わるので、自分の点数だけを指針にするのではなく、偏差値という学年全体で見た時の指標を持っておくと、成績の上がり下がりが目に見えると思います。

【中学生向け】実力テストの対策法

ここでは、中学校の実力テスト対策に絞って説明します。高校生の方はすっ飛ばしてまとめを読んでください。

マインドセット

中学校の実力テストも、出題範囲が既習の単元全部であること、難易度が高い問題が出ること、純粋な実力が測られることは変わりません。ただ、中学校のテストは「満点が想定されている」テストです。難易度が高くなっても、満点を狙いにいくべきテストです。実際に満点を取ることができた生徒がいなくても、満点を取ることができるテストなので、「失点を最小限に抑える」目標を立ててください。5教科総合で何点までは失点してもいい、という目標ですね。

もちろん、各教科の目標点数も決めておきましょう。テストの2週間前に机の前に貼っておくと意欲が高まります。これを中学のうちから癖つけておくといいでしょう。

勉強方法

基本的には、どの教科も自分が弱い単元を固めるという勉強法で着実に点数は取れるようになっていきます。各教科の苦手単元を洗い出して、問題集の目次に印をつけておくと、テスト前に復習しやすいでしょう。

ただ、難しい問題が出る実力テストの対策だからこそ、弱点強化以外にも意識した方がいいことがあります。それは「定義を振り返る」です。どの教科でも、言葉を使って問題を解きますよね。その言葉の定義をしっかり確認しながら問題演習することで、一見わからない問題でも知識を繋ぎ合わせて解ける可能性が上がります。

最たる例は数学です。「関数」「方程式」など、特別な言葉がたくさん登場しますが、その正しい意味を理解しておくことが、難問を解くための鍵になるかもしれません。実力テストという機会を使って、教科書などで言葉の定義を確認しておくといいでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。実力テストの役割や対策方法を説明しましたが、この記事を読んでやった気にならないように、今すぐにでもできることを探しに、机に向かいましょう!テスト勉強を頑張った方へ、すてきな数字が返ってきますように。


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この記事を書いた人

大学では教育学部基礎教育学コース所属。世界史が好きだったことを踏まえ、教育の国ごとによる違いやその歴史に興味を持っている。趣味はアニメ鑑賞、読書。

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