「解いて終わり」はもったいない!共通テスト模試の復習方法

共通テストを受験する予定の人の中には、年4回河合塾が行う「共通テスト模試」を受験する人がいると思います。今回は、共通テスト模試の振り返り方と活用方法について解説します!

目次

共通テスト模試の落とし穴

共通テスト模試は、全ての問題がマーク問題の模試です。マーク式模試には、記述式模試にはない落とし穴があります。

それは、「まぐれ」で正解になる問題が多く存在すること。考えた過程を書かなければならない記述問題と違って、マーク問題は、正しい選択肢をマークできてさえいれば、正答したことになるからです。きちんと復習せず「何割取れたか」だけを見ていると、自分の本当の実力を誤って認識したまま本番を迎えることになってしまいかねません。力を伸ばすための復習方法を身につけましょう。

問題を種類で分ける

問題は、最終的には「正解」と「不正解」のどちらかに分かれます。しかし、問題に対する自分の理解度には、実はいろいろな種類があるのです。まずは、1問1問がどれに該当するのか把握しましょう。

自信を持って「正解」

まず、正しい過程で自信を持って正解できた問題。これをもう一度解くのはかえって時間を浪費してしまうので、スルーして大丈夫です。

たまたま「正解」

次に、確証なく選んだり、当てずっぽうで選んだりした選択肢が、偶然正解だった問題。これは、実質不正解だと捉え、不正解の問題と同じように解説を読んで復習しましょう。

ただし、正解できたということは、一部考え方が合っていたり、過去の記憶や経験から「なんとなくこれではないか」という「良い勘」がはたらいたりした可能性が少なからずあります。何が理解できていなかったかと同時に、自分の思考過程のどの部分が合っていて、なぜ正解できたかまで、自身を分析できるとよいでしょう。

惜しくも「不正解」

また、考え方や過程は一部合っていたが、どこかで間違えて不正解だった問題。結果的に点数が入らなかったとしても、共通テストの問題で使うことのできる考え方が身についていることは、勉強の成果だと捉え、自分を褒めましょう。

「自分の進歩に気づいて認める」ということは、受験期のメンタルケアとして実はとても重要です。最初の頃は、特に不正解の問題が多いので、「できた部分」にも着目する必要があるのです。

共通テスト模試では、これらの「たまたま正解」と「惜しくも不正解」の2種類の問題が多いです。なぜかというと、共通テストの問題は、たくさんの過程を踏んで1つの選択肢に辿り着くように、複雑に構成されているからです。そのため、問題を解く時に自分が考えた道筋を残しておき、あとで分析できるようにしましょう。

とりあえず飛ばして「不正解」

解き方がすぐに思いつかなかったり、時間が足りなかったりして、とりあえず飛ばした問題もあるでしょう。この種類の問題は、模試が終わって時間がある状態でもう一度考えてみましょう。あまり考えていないのに、すぐに答えを見るのはもったいないです。共通テストに出題されるレベルで考えて作られた問題は貴重なので、有効活用できるように、少しずつ解答を参考にしながら今の自分の実力と照らし合わせるようにしましょう。

まだ習っていなくて「不正解」

共通テスト模試は範囲が限定されているとはいえ、まだ履修していない範囲の問題も出る時があります。復習時は飛ばして良いですが、何ヶ月後かにその模試をもう一度解いてみて、今度は解けるかどうか試してみましょう。正解できれば自分の成長を実感でき、先ほど述べたメンタルケアにも繋がります。

問題を解く時の工夫

復習をしやすくするためには、自分がどうしてその答えを選んだか振り返った時に思い出せるように、模試本番中に考えた過程を残しておくことも大切です。私は模試に限らず、何か演習をする際、問題の番号に印をつけるようにしていました。

・勘やなんとなくで選んで全く自信がない問題番号には○

・多分正解だけれど自信がない問題や、曖昧なので解説を読みたいと思った問題番号には△

といった様子です。これは受験のためというより、まぐれで正解してしまったが実は理解できていない「取りこぼし」をなくすためで、中学生の頃からずっと続けていました。

続けていたおかげで、新しく履修する分野を他の人より少ない周回回数で身につけることができていたため、皆さんもぜひやってみてください。

どんなタイプの問題が苦手なのかを知る

共通テスト模試は、共通テスト本番に出される問題と、原則同じタイプの問題が出題されます。例えば英語リーディングの長文では、選択肢の文章を時系列順に並べ替える問題が出題されます。

演習はタイプ別問題集でもできますが、本番の疲労感や焦りの中で体験して、苦手を洗い出すことができるのは、本番を除いては模試だけです。模試で不正解だったのはどのようなタイプの問題なのか、「一般化」して普段から意識するようにしましょう。

また、緊張から最初の方の問題の正答率が低いのか、それとも集中が続かなくて最後の方の正答率が低いのかなど、自分の傾向も、自己採点から総合的に分析しましょう。

復習の例〜数学編〜

私が実践していた方法の中から、私が特に苦手だった数学の復習方法を紹介します。私はずっと数学が苦手でしたが、この復習方法を続けて、共通テスト本番で自己最高得点を取ることができました。

私は数学だけ「復習ノート」を作っていました。数学は模試に書き込むと、空欄が多すぎて何が何だか分からなくなってしまうからです。他の教科は模試の問題用紙に赤ペンなどで直接ポイントを書き込み、その問題用紙をまとめて保管していました。

復習ノートの作り方

まず、模試の問題をコピーし、ノートに貼ります。次に、別の紙に問題を解いていきます。別の紙に書く理由は、まず自力で挑戦するために、いらない紙にメモ書きや書いて消すことを繰り返し、少しずつ解答を見ながら解法を完璧に理解した上で、復習ノートには綺麗な模範解答を残したいからです。

自力で解く段階では、考えてみて、つまずいた箇所で1行ずつ解答を見るようにしていました。全部見ない理由は、解答にヒントをもらいながら、途中から自力で解くことができるかもしれないからです。これは私の高校の数学教師がおすすめしていた、数学の演習方法です。

一通り解いたり解答を見たりして解法を理解したら、もう一度自分で綺麗な答案をノートに書きます。この時はまた、解答を見ずにノートに書きます。もし解法を理解していればつまずかずにスムーズに最後まで解ききることができ、「私でも大問の最後まで解ける」という自信がつきます。

模試の問題を活用しまくれ!

いかがでしたか。共通テスト模試は教科がたくさんある分、復習にも時間がかかります。ただ、共通テスト模試は数年前からたくさんの人が話し合って作った、いわば「良問」だらけの模試です。解いて終わりではもったいない!少し頑張って、本番のために復習してみませんか?

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この記事を書いた人

早稲田大学商学部2年生。イノベーションとデザインに興味がある。好きなことは実家の犬とひなたぼっこ。

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