※本稿は、永田耕作(著)『東大生の考え型 「まとまらない考え」に道筋が見える』(日本能率協会マネジメントセンター)の一部を再編集したものです。
「頭の良さ」は先天的?
頭の良い人って、憧れますよね。
「頭の回転が速い人」「プレゼンが上手い人」「記憶力が高い人」………こういう人ってすごくうらやましい存在で、みなさんも話していて「こんな人になりたいな」と思うことがあるのではないかと思います。
「でも、そういう頭の良さって、先天的なものだよね」
当時の僕は、そう思っていました。「情報処理能力」「説明力」「記憶力」といった力はすべて先天的な才能で、後から頑張っても身につけられないんじゃないか、と。
でも実は、違うんです。
東大に入学してから、僕はあることに気づいたのです。実は東大生たちも、1から何かを考えるのではなく、誰かがやっている思考の型をコピーして、その通りに勉強しているから頭が良いのです。「頭が良い」「かしこい」と僕らが思っている人の頭の中は、ゼロから何かを作っているわけではありません。「こういう手順で考えれば答えが出るはずだ」「このフレームワークを使って考えれば結論にたどり着けるはずだ」という型を持っていて、それに従って物事を考え、努力しているから結果が出せるのです。
この本では、そんな思考の型を紹介します。
PART8 取捨選択力
本書が取り上げる思考の型は「理解力」「分析力」「整理力」「改善力」「目標力」「目標設定力」「読解力」「記憶力」「取捨選択力」「説明力」の9種類。たとえば「取捨選択力」の項目では、「無理矢理マトリクス」を学びます。マトリクスとは、2つの軸を置き、その軸で分けた4つの象眼の中で物事をプロットしていき、それぞれの立ち位置を整理するという思考フォーマットです。「無理矢理マトリクス」は、無理矢理でもいいから2つの軸を自分で考えてみる、というマトリクスです。
それぞれに思考の「解説ページ」と例が示されている「ケーススタディページ」があり、その思考の型をなぞれば、東大生の思考回路を再現できるようになるはずです。また、本書には読者特典として収録されている東大生の思考の方の記入データをダウンロードすることができます。PC上で、または印刷してご活用ください!
おわりに
「説明力」や「記憶力」といった力はすべて先天的な才能で、後から頑張っても身につけられないのではないか。本書は、そう感じている人にこそ手に取っていただきたい1冊です。料理のレシピのように、思考の道しるべが欲しい方は、ぜひお手に取ってみてください!
東大生の考え型 「まとまらない考え」に道筋が見える
著者:永田 耕作
出版:日本能率協会マネジメントセンター(2022/6/24)