武蔵野大学高等学校 アカデミックマインド育成講座 第8回

カルぺ・ディエム講師の橋本講師(教育学部3年)と縹講師(理学部4年)が、2023年9月7日に武蔵野大学高校ハイグレードコースの2年生を対象に「アカデミックマインド育成講座」という講演会・ワークショップを開催しました。

アカデミックマインド育成講座とは?

AIなどさまざまな技術が開発され、求められる力は変化し続けています。その中で、重要な力の一つが「思考力」です。実際、共通テストや大学入試でも「思考力」が試されるようになっています。

本講座では、「自ら問いを立て、その問いに対して仮説を立て、その仮説を検証する」力、「アカデミックマインド」の獲得・向上を目指します。

講義では、探求的な活動と大学受験問題の2つの側面からアプローチすることを通じて、思考力を鍛えるとともに生徒さんにとって勉強が楽しくかつ身近なものになって行きます。

アカデミックマインド育成講座とは、「自分で考える力」を育む講座です。

AIなどさまざまな技術が発達する中、これからの世代に求められるのが「思考力」です。共通テストや大学入試でも「自分で考える力」が試されるようになっています。本講座では、現役東大生と一緒に「身の回りにあふれる疑問」と「五教科の勉強」を結びつけた課題に取り組み、自ら問いを立て、仮説を作り、検証する一連の思考法「アカデミックマインド」の獲得を目指します。

勉強がより楽しく、身近な存在になるだけではなく、獲得した思考法を大学受験の問題に応用していく講座です。

本記事では、イベントの様子を実際に講義を担当した講師の縹が授業の様子をお伝えします!

目次

問題解説を作る意義

さっそく橋本講師は、問題解説を作ることの意義について復習します。

「普通に問題を解くだけで良いじゃん!」と思うかもしれませんが、実は問題の解説を作ることにはこんなメリットがあるんです。

1.自分の思考をクリアにすることができる。

解答解説を作るということは、なんかよく分からないけどこの方法で解けた、というわけにはいけません。複雑な構造になっている問題の場合でも、一旦ここをこうして次に出てきた式をもう一度こうしてようやくこれで答えにたどり着きます、といったように、解答への順序であったり道筋を明確に理解することで、初めて解答というのは作れます。

なので、同じ問題であっても、普通に問題を解いて丸つけをした場合に比べ、より解法や問題そのものへの理解が深まり、自分の分かっているところと分かっていないところをはっきりと認識できるようになるのです。

2.問題作成者の気持ちが分かる

 解答を吟味して作成していくうちに、「ははーん問題作成者はこれを分かっているか聞くためにこの問題を作ったんだな」というのが分かるようになるタイミングがあります。

問題作成者の気持ちが分かって何になるんだと思う人もいると思いますが、実はこれこそが入試問題を解く上では重要なことなんです。

例えば入試問題においても、数学の論証問題や英文和訳の採点基準には、明確にこの部分を理解できているかが採点基準に組み込まれている場合が多いです。そういった採点基準を、問題を解く際にメタ的に認知できると、自信を持って解答を書くことができますし、解答に書くべきことと書かないで良いことの分別がついて時間の節約にもなります。

教え合いと解答解説の講評

 橋本講師の解説の後、自分で作成した解答解説を用いて、隣の生徒さん同士で教え合いを行いました。中には、少し複雑な問題に対して図やグラフを書いて説明している生徒さんもおり、終始盛り上がってワークを行なっていました。

そして縹講師は、同じ問題に対して東大生ならどんな解答を作るか、の解答解説例について話します。

2023年共通テスト物理より引用

「この問題の解説では多くの生徒さんが『摩擦力が働いているので力学的エネルギーは保存しない』という解説をしていましたが、例えば他にこんな解説もあり得ると思います。『初めの状態では明らかに力学的エネルギーは0でないのに対し、最終的な状態では系の全ての物体が静止しポテンシャルエネルギー等も0であるから、この時点で力学的エネルギーは保存していない。』このような解答で、必要性に着目して解答を考えることもできます。このような複数の視点を組み合わせることで、一つの問題に対しても、より理解を深めることができるのです。」

次回はアカデミックマインド最終回

橋本講師「次回はアカデミックマインド最終回で、みなさんには東大の入試問題にチャレンジしてもらいます。東大の入試問題といっても、今まで養ってきたアカデミックマインドを活用すれば、きっとみなさんでも解けるような問題を用意しているので、楽しみにしていてください。」


公式サイトにて、カルぺ・ディエムが提供している具体的なサービスを紹介中!

カルペ・ディエムでは、学校や保護者のみなさまが抱える懸念やニーズに応える形で、講演・講座・ワークショップを提案し、それらを実施しております。

生徒の皆さんの大学選びや学部選びのワークショップ、モチベーション向上を目的とした講演、独自の探究学習授業、長期休暇中の学習合宿、難関大学合格を目指した通年プロジェクトなど、さまざまなプランをご用意しております。

私たちの講師は現役東大生で 偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠をはじめ、地域格差や経済格差などの多様な逆境を乗り越えた講師たちが、生徒の皆さんに寄り添って全力でサポートいたします。

ご質問やご相談だけでも結構ですので、お気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

東京大学理学部物理学科に所属。高校時代に生徒会長をした時の楽しさが忘れられず、学祭やイベントの運営に携わって仕事をすることが、至極の楽しみ。カルぺ・ディエムでは出版編集部に所属し、よりクオリティの髙い書籍を出すことを意識している。趣味はピアノとゲームとスラック。

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